先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

データサイエンスとAI

2024年06月13日 16時28分14秒 | 日記

データサイエンス(DS)は、人口知能(AI)の中核で、その一部と思っていたが、研究者によると、全く別物という。データサイエンスは、数学、統計学、計算機科学、情報工学、機械学習、データマイニング、可視化などの手法を使用し、学問の分野だけでなく、人類の実社会で有益な知識を抽出する者であり、AIは「状況(入力)によって自律的に行動(出力)を変える機械」であり。別ものであるという。現場で四苦八苦している者にはその差異は分からない。しかし、人工知能とデータサイエンスの言葉の誕生歴史を見ると大きな違いがある。AIはSFや漫画の世界で誕生していて優に一世紀の歴史があるが、DSは、ITバブルの1990年代にはっ存在しなかった。米国発祥と思ったのでネットを調べたら、経済紙のForbusに出て居た。

 

1962 年統計学者のジョン・ワイルダー・テューキーJohn W. Tukey )が著書 “The Future of Data Analysis”で、計算機でデータ処理することの意味を指摘したのがDSの発祥という。

1974年デンマークのコンピュータ科学者でAlgol60を開発した ピーター・ナウア(Peter Naur)が、著作”Concise Survey of Computer Methods”で、“[Data is] a representation of facts or ideas in a formalized manner capable of being communicated or manipulated by some process.“とデータサイエンスを定義している。

1977年に The International Association for Statistical Computing (IASC) が設立され、古典的統計学、最新の情報工学、知識工学により、単なるデータより、学問の分野だけでなく、人類の実社会で有益な知識を抽出するDS開発が促進されるようになった。 

1995年になると、ACM(Association for Computing Machinery(計算機協会)、コンピュータの科学と教育に関するテーマ全般を対象にしたコンピュータサイエンス分野の国際学会)のSIGKDD (SpecialInterest Droup 0f Knowledge Discovery in Data)なる分科会で国際的にDS発展が促進されている。

日本の状況を見るとJapan Social Data Science Societyが2015年?設立、データサイエンティスト協会は、2013年5月15日に設立されている。


AIアプリは始まったばかり!

2024年06月03日 12時28分13秒 | 日記

AIアプリの開発環境は

●ソフト:Pythonの度重なる機能拡張、有料・無料のGoogleのColaboratoryやマイクロソフトのExcel・VBAなど以前から充実した物がある。

●ハードウエア:Nvidiaの高価なAI専用マシンを使わなくても、最近売り出された従来のパソコン並み価格で使えるAIパソコンが誕生し、今までのパソコンに取って変わると思われる物が登場している。

というように極めて充実している。

しかし気軽に使えるAIアプリというとChatGPTとかAdobeの動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」位しかなく、しかもAIの極めて限られた分野でしかない。 

その一方で多くのソフトハウスは、AI開発を標榜しているにも関わらず、その概要を宣伝しているところはない。

唯一、ソニーが、人工知能とロボティクスの視点で総合的なAI開発を行っていて、社会基盤にも適用できるPredictionOneを宣伝している。ただ、業務に詳しいSEと、AI専門のSEの協力が不可欠で、誰でもが、気軽に使えるものでは無さそう。

IT先端を行くアメリカを見ても、手軽に使えるAIパッケージのようなものは見当たらない。

故に、AIの現在地は、始まったばかりの揺籃期と言える。日本のIT業界が、今、頑張れば、世界を抑えることが出来る。


地球の内核が回転停止?

2024年06月02日 16時15分51秒 | 日記

CNNが、2013年1月26号で、「地球の内核が回転停止か、逆回転の可能性も」という北京大学の研究者イー・ヤン氏とシャオドン・ソン教授新研究を紹介していた。素人考えでは、地球の核が回転停止か、逆回転すれば、地磁気が消滅するか、極反転が起きたとするなら、宇宙線や太陽風が地球直撃し大きな気候変動などが生ずるだろうし、電離層の家電所歌うが変わり通信に変化が出て居ると思う。しかし、そんな変化は聞いたことないし、地球物理研究者のコメントなども見たことも聞いた事もない。

専門家の意見を聞いてみたい! CNNもこの話のその後を調べて記事にしてほしいものだ。

 

以下その記事を掲げる。

 

(CNN) 地球中心部にある内核の回転が止まり、さらに逆回転している可能性があると指摘する新たな論文が科学誌に掲載された。

地球は地殻とマントル、外核、内核から構成される。固体の内核は地殻の約5150キロ下にあり、半固体のマントルとの間には液体の外核がある。これにより内核は地球の自転とは異なる速度で回転できる。

地球の核は半径約3540キロで火星ほどの大きさ。鉄とニッケルが主成分で、地球の質量の約3分の1を占める。

北京大学の研究者イー・ヤン氏とシャオドン・ソン教授は23日発行の科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」掲載の論文で、内核を通過する地震波を調査し、1960年代以降の記録も参照して内核の回転速度を推定した。

その結果、2009年以降、それまで変動していた地震波にほとんど変化が見られなくなり、内核が回転を停止したことが示唆されるという。

論文は「内核がこの10年間ほぼ停止し、逆戻りしている可能性もあることを示唆する驚くべき観測だ」と言及。ソン氏は「1980~90年の10年間は明確な変化があるが、2010~20年には大きな変化がない」と述べた。

内核の回転は外核の磁場で推進され、マントルの重力効果でバランスをとっている。内核の回転する様子を把握できれば、地球内部の各層の相互作用についても解明が進む。

だが、回転速度や速度の変化については議論がある。

オーストラリア国立大学の地球物理学者フルボイエ・トカルチッチ氏は「内核は完全には止まっていない」と指摘する。今回の研究は「内核が10年前より地球の残りの部分とより同期的になっていることを示すもの」とし「大変動は起きていない」との見方を示した。

ソン、ヤン両氏は、自分たちの計算によれば、電磁力と重力の小さなバランスの崩れが内角の回転を遅らせ、逆回転させる可能性があると主張する。これは70年周期で起きる変化の一部であり、2009、10年付近で検知され、それ以前には1970年代前半に起きていたとしている。

トカルチッチ氏は今回の論文の「データ分析はしっかりしている」と認めつつ、そこから導かれる発見は「注意が必要だ」と言及。より多くのデータや革新的な方法がこの問題の解明には必要との認識を示した。

同氏は内核の周期を今回の論文とは異なる20~30年と推定する。このように予測に幅が出るのは地球最深部で起きる事象の把握が困難なためで、「我々は地球内部の性質を推定するのに地球物理学的な推論を使うが、学際的な発見で我々の仮定や概念フレームワークが確認されるまで注意深さが必要だ」という。

「地震学者は患者の臓器を不完全で制約のある器具で調べる医者のようなものだ。進歩はしているが地球中心部のイメージはまだはっきりしない」(トカルチッチ氏)


AIパソコン

2024年06月01日 21時19分01秒 | 日記

-遂にAIパソコンなるものが販売され始めた。ソフトはマイクロソフト提供のWindows11,CharGPT4.0ベースのCopilotなどで、更にAIモデル作成、データ分析から予測や表示までの機能(AIワークロード)の大半をPC側で処理できて、クラウドやエッジにおいてあるAI専用マシンを使う必要がなくなるという。このための、演算装置がクアルコムの「Snapdragon X Elite」シリーズ、4nmプロセスで、45TOPS(毎秒、45テラ(10の12乗)の演算を行える)の処理性能だという。現在のところ、DellがAIパソコンを$999からと発表、Acer,Asus,レノバなどのWindow搭載PCメーカーも出荷発表している。

Snapdragon X Elite は、 ARMベースでWindowPC用のsystem-on-a-chip (SoC)で、従来のCPU,GPUそしてニューロン演算装置NPU更に、メモリ-ユニットからなる。

    • CPU:従来のARMを大幅に高速化
    • GPU: 4.6TFLOPS 
    • NPU: 機械学習専用装置 45 TOPS (trillion operations per second)
    • Memory: 64GB of RAM.

なお、マイクロソフトは、CopilotとWindow11の処理には40TOPSの処理能力が必要としている。

また、Intelも、 インテル® Core™ Ultra プロセッサーを発表。  CopilotとWindow11がサポートされており、Dellとかが、ハイエンドAIパソコンを発売を表明している。  インテル® Core™ Ultra の概要は以下の通り。                  

機能 メリット
3D パフォーマンス・ハイブリッド・アーキテクチャー 2 つの新しいコア・マイクロアーキテクチャーを単一のチップ上に搭載し、ワークロードの優先順位付けおよび分配によりパフォーマンスを最適化します。
インテル® スレッド・ディレクター OS スケジューラーが、ワークロードをインテリジェントに最適なコアに分配することで、ワークロードを最適化します。
インテル® AI ブースト / インテル® NPU 低電力の AI アクセラレーションと CPU/GPU のオフロード向け内蔵 AI エンジンです。
インテル® Arc™ GPU インテル® Arc GPU を内蔵し、AI が先進的な制作やゲームプレイにパワーを提供します。迅速なコンテンツ作成や臨場感あふれる高解像度のゲームプレイに必要な、優れたパフォーマンスを外出先でも実感できます。
インテル® グラフィックス インテル® グラフィックスは、AV1 エンコード / デコードなどの新たな機能により、モバイルシステムの日常的なメディアやディスプレイの機能を充実させます。
 
現在は、NVIDIAの高価なAIマシンを使ってAIソフトを組むしかないが、従来のパソコンと同じ価格のAI マシンが出回れば、AI開発は爆発的に普及するだろう。しかも開発環境は、Googleの有料・無料のColaboratory, マイクロソフトのAI開発環境m」ともに充実しているので、IT 開発は豹変するだろう。
 
 
 

東南アジアの高速鉄道

2024年05月05日 15時31分33秒 | 日記

ラオス、ベトナム、タイそしてインドネシアなど東南アジアの高速鉄道、中国の一帯一路政策の下、低利で、着々と拡充されている。中国本土と直接、接続されており、経済も東南アジアと中国は密結合になるであろう。怖い話である。インドネシアの新幹線は極短距離だが、いずれ全土に延長されるだろうしマレーシアと接続されるだろうし、中国は大満足だろう。

しかし、中国経済圏に治まる事を望まない国々もあって、中国より半世紀前に高速鉄道を実現した日本は安全性や高速性、土木技術で優れているから、資金力さえあったら、こういう事態は避けられたかと思うと残念だ。

上記は西日本新聞掲載図

上記は日経掲載図

中国は、2007年から国内の鉄道高速化を開始、アッという間に日本の10倍の4万kmの高速鉄道網を実現したが、①乗客が少なく1日1本という路線も多い。②死亡事故が多い。③日本の新幹線は、運賃収入で経営が成り立っているが、中国の新幹線は巨額の赤字を出している。

というようなことで、インドなど日本に新幹線構築を依頼する国々もあるから、中東や南米、欧米に大いに売り込むべきであろう。

 

引用元忘却