先端技術とその周辺

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新型コロナ・ウィルス、パンデミック(爆発的感染)宣言?

2020年02月29日 06時44分19秒 | 日記

 

色々なマスコミが、WHOの新型コロナ・ウィルスのパンでミック宣言の恐れがあると報じている。

 

BBCの記事によると:::::::::::::::::::::::::::

世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は27日、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)のアウトブレイク(大流行)は「決定的な分岐点」を迎えており、「パンデミック(世界的流行)の可能性」があると指摘した。

中国・武漢で発生した新型ウイルスだが、現在は世界各国に感染が広がっている。この日には2日連続で、中国以外で報告された新たな感染者の数が、中国国内を上回った。

現在、イランとイタリアで特に患者が急増しているほか、両国からの渡航者によって感染が拡大している。イランでは、複数の閣僚も感染が確認された。

これまでに50カ国近くで8万人以上がCOVID-19と診断された。発生元の中国湖北省を中心に、2800人近くが亡くなっている。

こうした中、各国では渡航制限などの措置が始まっており、企業活動に影響を与えるのではないかとの懸念から、株価も下落している。

「非常にきわどい状況」

ゲブレイエスス事務局長は各国政府に対し、迅速かつ精力的にウイルスを封じ込めるよう要請した。

「我々は実際、非常にきわどい状況にある。どのような対策を取るかで、このアウトブレイクはあらゆる方向に向かう可能性がある」

「今は怖がる段階ではない。感染を阻止し、人命を助けるために動く段階だ」

各国の対策

  • 中国や香港に続き、日本とイラクでも学校閉鎖が決まった
  • サウジアラビアは外国からの巡礼者の入国を禁止している。7月末に始まる「ハッジ(メッカへの巡礼)」に影響するかはわかっていない
  • イランは国内の不要不急の旅行を避けるよう国民に呼びかけたほか、テヘランなど複数都市で金曜の礼拝をとりやめた
  • オーストラリアは、中国からの外国人渡航者の入国禁止措置を延長する
  • これまでに17人が亡くなったイタリアは、現在11カ所の街を封鎖している
  • ギリシャではカーニヴァルがすべてキャンセルされた

日本の学校閉鎖に懸念も

日本政府は27日夜、3月2日から春休みの終わる4月初旬まで学校を閉鎖するよう要請した。これにより1300万人の児童が影響を受ける。

安倍晋三首相は、感染拡大を防ぐために3月の最初の1、2週間が「極めて重要な時期」だと説明した。

中国では、春節(旧正月)後も学校閉鎖を延長し、2億人の子どもたちに自宅でオンライン授業を受けるよう指導している。香港自治政府も、4月まで学校を閉鎖する方針だ。

<figure class="media-landscape no-caption full-width">japan pupils walk homeImage copyrightGETTY IMAGES</figure>

日本では親たちから、学校を休んでいる子どもたちを心配する声が上がっている。

ある親はソーシャルメディアに、「子どもたちを守ることは重要だけれど、共働きの親はどうすればいいのか?」と疑問を投げかけた。

政府は、保育所などは営業してもよいとしている。

日本では現在、200人以上が新型ウイルスに感染している。大阪では40代の女性が、一度回復した後に再びウイルスの陽性反応が出たと報じられた。

各国の感染状況は?

中国では27日、新たに433人の感染と29人の死亡が報告された。中国政府は、感染が確認された国から首都北京にやってきた人々に自主隔離を要請している。

イランでは245人が感染し、これまでに26人が死亡している。

WHOのマイケル・ライアン氏は、イランでの感染は「もっと広範囲にわたっているとみている」と指摘。一方で、同国の「治療施設の収容能力は高い」と述べたほか、10%という致死率も、スクリーニングでは軽い症状の感染者が見逃されているからだろうと説明した。

こうした中、これまでにアラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、バーレーン、レバノン、アフガニスタン、パキスタン、北欧エストニアでイランからの渡航者の感染が確認された。イランの周辺国は、国境を封鎖する措置を講じている。

韓国ではこれまでに1261人が感染し、12人が死亡。シンガポールの感染者は96人だが、ここには12歳の少年も含まれている。

欧州で最も新型ウイルスが広がっているイタリアでは感染者が650人、死亡者が17人となった。アルジェリアやデンマーク、ルーマニア、スペインで、イタリアからの渡航者による感染者が報告されている。

フランスでは38人が感染し、2人が亡くなっている。エマニュエル・マクロン大統領は、同国が「危機に直面し、エピデミック(季節性流行)がやってきている」と話した。フランスは、世界で最も外国からの渡航者が多い国。

イギリスでは、北アイルランドで最初の感染例が報告され、全体で16人となった。

オランダでも初めて感染者が報告されたが、この人物は最近、イタリアのロンバルディア地方を訪れていたという。

同じく南米ブラジルでも、イタリアから帰国した人物がウイルスに感染していたことが判明した。

アメリカでは「感染経路不明」の患者が初めて報告され、全体の感染者は60人となった。

ドナルド・トランプ大統領は26日夜、マイク・ペンス副大統領を新型ウイルスの対策担当に任命したと発表。ただ、アメリカでの流行の危険性は低いだろうと話した。

世界中の新型コロナ・ウィルス感染状況を報じていた。亜熱帯や温帯地帯での感染者が多いのを見ると、季節依存はないと言う話も納得いく。又、中国の感染も、対策が功を奏し始めた様に思われる。

 

唯、中国の感染者増加が止まった様に見えるので、感染対策が効果出始めたとも思える。

Coronavirus cases outside China

 

それでもまだ大半の感染者は中国に

昨年12月に湖北省武漢で最初に新型ウイルスが見つかって以来、中国では7万8000人以上が感染し、2700人以上が死亡した。感染が疑われるため観察中の人も何千人といる。

中国国内の感染者総数は1月に入ってから、上昇を続けている。

Coronavirus cases in China

やはり、感染しないためには、

① 繁華街や人ごみに出た後は、うがいや手洗いをする

② あたたくする事、生活習慣を正すこと、体に良い食事をする

をきちんと行えば感染は避けられる???

 


SARSとMERSに季節性なしと言う事から、新型コロナも温かくなっても終息しない?

2020年02月28日 22時59分35秒 | 日記
 
National Geographicが、『新型コロナ、「春に終息」と言えないこれだけの理由。SARSとMERSに季節性の証拠なし、証拠に基づかない予測に専門家が警鐘』と言う記事を載せていたが、現在でも、熱帯や温帯でも新型コロナの感染が報じているから、、温たっくなっても鎮静しないと言うのも、在りうるのかと合点する?
 
対策は、
『世界保健機関(WHO)は、どんなウイルスでも感染を防ぐために、頻繁に手を洗い、咳やくしゃみなどの症状が出ている人との濃厚接触を避け、病気になったら医療機関を受診するよう勧めている(編注:日本では発熱や風邪のような症状がある場合、医療機関を受診する目安が「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」に示されています)。』と言う。
 
 
2020年2月18日、世界中に新型コロナウイルスへの不安が拡大するなか、中国江西省の畑で農作業をする村人。インフルエンザウイルスなど一部のウイルスは、気温が低く空気が乾燥していると感染が拡大しやすいが、今回の新型コロナウイルスも同じように天候に左右される性質を持っているかどうかはまだわからない。(PHOTOGRAPH BY LIU HAOJUN XINHUA, EYEVINE/REDUX)
 

 世界中で急速に拡大している新型肺炎(COVID-19)の流行は、インフルエンザのように春になれば終息するのだろうか。多くの専門家は、暖かくなってウイルスがどんな動きをみせるかを予測するのは時期尚早とみている。

 コロナウイルスには多くの種類があるが、人間に感染するのは7種だけだ。そのうち4種が、軽い風邪症状を引き起こすことで知られている。目下流行中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を含め、残りは新しいものとされ、致死率が高く、コウモリやラクダなどの動物から人間へ感染したと考えられている。

 夏になれば流行も収まるだろう、と考えたくなるのは理解できる。今月、米国のトランプ大統領は中国のウイルス封じ込め作戦について、「特にこれから暖かい季節になれば」成果を上げるだろうとツイートした。

「季節性」とされるインフルエンザウイルスや、軽い風邪症状を引き起こすコロナウイルスであれば、確かに気温の上昇とともに終息するので、トランプ大統領のツイートにはある程度の科学的根拠はある。しかし、新型コロナウイルスも同様の反応を見せるかどうかはまだわからない。現在、この病気を研究している専門家も、ウイルスがこれからどうなるかを予測するのはまだ早いとしている。

 米メリーランド大学の研究者スチュアート・ウェストン氏は「これも季節性のものであればいいのですが、今は何とも言えません」と話す。同大学では、新型コロナウイルスの研究が急ピッチで進められている。

 2月25日の時点で、感染者数は世界34の国と地域で8万人を超えた。専門家は、この先も感染拡大は続くだろうと警告している。

なぜ一部のウイルスは季節性なのか

 簡単に言うと、インフルエンザウイルスやコロナウイルスは、タンパク質と脂質の集まりだと考えられる。直接触れることで人から人へ感染するが、硬い物の表面や、感染者の飛沫のなかにもウイルスは存在する。

 だが、いったん人体の外に出たら、ウイルスは外部の力を受けて劣化する。手指の消毒用アルコールはタンパク質や脂質を分解するため、ウイルスは不安定になり、感染力が弱まる。

 なぜ一部のウイルスは季節性なのか。その答えを探るために、主にインフルエンザウイルスを対象にした研究が過去に数多く行われてきた。昔からインフルエンザといえば冬と言われるように、その流行はだいたい10月に始まって翌年の3~4月まで続く。専門家は、様々な理由を挙げている。

例えば、冬の間、人々は室内に閉じこもりがちで、人と人との接触が濃厚になるためという意見がある。また、緯度が高い地域では冬期にインフルエンザの患者数が増加する。そこで研究者たちは、異なる気温や湿度のなかでウイルスがどのように広がるのかを調べてきた。

 寒くて空気が乾燥しているとインフルエンザが広がりやすいことを、最初に実験で示した研究は2007年に学術誌「PLOS Pathogens」に発表された。

 モルモットを使ってインフルエンザウイルスが感染する様子を実験室で観察したところ、気温と湿度が高い環境で、ウイルスの感染が減速することがわかった。さらに湿度を上げると、感染は完全に止まってしまった。暖かい空気には水分が多く含まれ、ウイルスが空気に乗って遠くまで移動するのを阻害する。また、咳やくしゃみと一緒に飛び出した飛沫は、空気中の水分を引き寄せて重くなり、浮遊できなくなって地面に落ちる。

 実験室の外での調査も、似たような結果が出ている。比較的最近の研究では、気温が低く空気が乾燥していると、ウイルスは無傷のまま長く生存し、空気中を遠くまで移動できることが示唆された。

 だが一方で、熱帯地方で雨期にインフルエンザの感染者数が増加するところがある。これもまた、人々が室内に多く集まるせいだろうか。

【参考ギャラリー】新型肺炎、武漢から580キロの町が機能不全の実態 写真25点(クリックでギャラリーページへ)
武漢から580キロ離れた中国浙江省の永康には、700以上の村がある。ウイルスの感染拡大を受けて、各村では外部の人間を入れないように村人たちが自発的に道路の封鎖を始めている。シュアンジン村では、車両の進入を阻むために道路に土が盛られた。赤い板には「外部の人間と車両の進入を固く禁ず」と書かれている。(PHOTOGRAPH BY ROBAN WANG, NATIONAL GEOGRAPHIC)
 

 また、冬に起こりがちな湿度の低下が鼻水の機能を阻害するという仮説もある。鼻水は、ウイルスや細菌といった異物を捕らえて鼻の外に排出する。ところが、冷たく乾燥した空気は鼻水を乾燥させるので、ウイルスを捕らえる機能が低下する。

 同じく新型コロナウイルスを研究する米コロンビア大学感染症免疫センター所長のイアン・リプキン氏は、太陽の光に着目する。太陽光は物の表面に付着したウイルスの分解を助けるというが、冬の間はその恵みが十分に受けられない。

「紫外線は、ウイルスの核酸を分解して、表面を殺菌する効果があります。その点では、室外の方が室内よりも清潔と言えます」

 その優れた殺菌・殺ウイルス効果から、器具の殺菌に紫外線を使う病院もある。

SARSを封じ込めたのは季節か予防措置か

 新型肺炎もインフルエンザも、呼吸器系の感染症ではあるが、新型コロナウイルスが同じような季節性を持っているかどうかを予測するには、まだ判断材料が少なすぎる。

 今回の流行をよりよく理解するために、科学者たちはSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)など過去の似たようなウイルスの流行にヒントを求めている。

 SARSウイルスと新型コロナウイルスの遺伝子は、90%近く同じであるという。2002年11月に始まったSARSの流行は、翌年7月まで続いた。季節性があると言えば言えなくはないが、それよりも、早期に対応したことのほうが抑制につながった可能性がある。つまり、SARSを封じ込めたのは暖かい気温だったのか、それとも予防措置の成果だったのかは定かではない。

MERSは、2012年9月に気温の高いサウジアラビアで発生した。SARSと違って完全に封じ込められることはなく、その後も新たな発症が時折報告されている。現在、その中東でもイランやアラブ首長国連邦で新型コロナウイルスの感染が報告され始めた。

「MERSの場合、季節性を示す証拠はほぼ見られません」と、ウェストン氏は言う。

 SARSとMERSが本当に季節性だったのか、また今回のウイルスがSARSと同じようにふるまうのかはまだわからない。ウェストン氏の研究室では、治療法とワクチンの開発に向けて努力しているが、完成までには少なくとも1年はかかるだろうという。

今やるべきことは?

 米ハーバード大学公衆衛生大学院の疫学者マーク・リプシッチ氏は、暖かくなってもウイルスの拡大が大幅に抑えられるとは思えないと話す。新型コロナウイルス感染症は、今や世界中で報告されている。このウイルスに、少しでも典型的なインフルエンザウイルスとの共通点があるなら、今度はこれから冬を迎える南半球で感染が拡大する恐れがある。

 英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のデビッド・ヘイマン氏も同様に、予測は難しいと語る。「証拠に基づくことなく予測をすれば、もしそれが間違っていた場合、真実と取られて誤った安心感を与えてしまう恐れがあります」と、ヘイマン氏はメールで警告した。「今やるべきことは、ウイルスを封じ込めて、可能であれば消滅までもっていくことです」

 米国疾病予防管理センター(CDC)によれば、症状が出ているときが最も感染力が強い。しかし、公式に発表されている数よりも実際の感染者数はずっと多いだろうと懸念する専門家もいる。感染した人が全て深刻な症状をみせるわけではないので、感染しても検査されない人は多いはずだと、ウェストン氏は言う。

 多くの専門家は、新型コロナウイルスが最終的にエンデミック(ある感染症が特定の地域内で一定の割合で発生し続けること)として定着するだろうとみている。そして、他の4種のコロナウイルスと同様に軽い風邪症状を起こすか、インフルエンザのように季節的な流行を繰り返して、人々の健康を脅かすことになるだろうという。

 世界保健機関(WHO)は、どんなウイルスでも感染を防ぐために、頻繁に手を洗い、咳やくしゃみなどの症状が出ている人との濃厚接触を避け、病気になったら医療機関を受診するよう勧めている(編注:日本では発熱や風邪のような症状がある場合、医療機関を受診する目安が「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」に示されています)。


新型コロナ・ウィルスの影響、2008年のリーマンショックより大きい?

2020年02月28日 15時44分50秒 | 日記

ロイターによると、『米国株式市場、新型ウイルス懸念でダウ過去最大の1100ドル超急落』という。リーマンショックが、1938年のブラック依頼の経済恐慌と言うが、新型コロナウィルスはもしかしたらリーマンショックより大きいのかも?

2008年9月の、米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)を受け、危機が深刻化したリーマンショックよりショックが大きい?。アメリカ議会で金融安定化法案が否決されると、米株価が暴落し、ダウ工業株30種平均は史上最大の下落幅777ドルを記録した。10月に修正後の法案が成立したものの、株価は約4年ぶりに1万ドルを割り込んだ。危機は新興国にも波及。主要中央銀行による同時利下げ、金融機関への公的資金注入、市場への資金供給などが講じられ、金融サミットで景気てこ入れ策が合意されたものの、世界経済は「大恐慌以来」の深刻なリセッション(景気後退)に陥るとみられている。

 

米国株式市場は、新型肺炎懸念でダウ工業株30種とS&P総合500種が6日続落、ナスダック総合も急反落して取引を終えた。ダウは1100ドルを超える下落となり、過去最大の下げ幅を記録した。ニューヨーク証券取引所で撮影(2020年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)

米国株式市場は、ダウ工業株30種とS&P総合500種が6日続落、ナスダック総合も急反落して取引を終えた。新型コロナウイルスによる肺炎の世界的な拡大を受け、経済成長を巡る懸念が強まった。ダウは1100ドルを超える下落となり、過去最大の下げ幅を記録した。

S&P500は19日に付けた終値ベースの最高値を12%下回る水準となり、過去最短の6日で調整局面入りした。S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズのアナリストによると、これまでの最短は2018年初めに記録した9日だった。

 

主要3指数はいずれも週間の下落率が世界的な金融危機以来の大きさになる見通しだ。

中国以外の感染者の増加数が中国国内を上回る中、感染が広がる国では学校の休校やイベント中止などの対応がとられている。米国では疾病対策センター(CDC)が26日夜、感染経路の不明な患者を確認したことを明らかにした。

取引時間中には売りが和らぐ場面もあったが、引け前1時間で下げが加速。S&P500はこの日の安値付近で取引を終え、2011年8月18日以来の大幅な下落率を記録した。

ダウは12日に付けた終値ベースの最高値を12.8%下回る水準で引けた。ナスダックも19日に付けた終値ベースの最高値から12.7%下落している。

米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は11.60上昇し、2018年2月以来の高水準となる39.16で終了した。

S&P500の主要11セクターはいずれも下落し、不動産は5%を超える大幅安となった。

航空便などの混乱が世界的体に広がるとの懸念から、NYSEアーカ航空指数も4.7%安となった。

アナリストの間では新型ウイルスによる経済への影響を警戒する見方が強まっており、ゴールドマン・サックスは米企業の2020年利益が前年比横ばいになるとの見方を示した。[nL3N2AR54X]

マイクロソフトは7%急落。新型ウイルスの感染拡大でサプライチェーンが打撃を受け、パソコン(PC)事業に影響が出ると警告。基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を含むPC部門の1─3月期売上高が、当初予想に届かない可能性があるとした。[nL3N2AR657]

スリーエムは、マスクの販売増の恩恵を受ける可能性があるとしてアナリストが投資判断を引き上げたが、株価は0.8%の上昇にとどまった。

米取引所の合算出来高は156億3000万株で、リフィニティブのデータによると、少なくとも2014年7月以来の大きさとなった。直近20営業日の平均は86億7000万株。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を7.51対1の比率で上回った。ナスダックでも5.87対1で値下がり銘柄数が多かった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 25766.64 -1,190.95 -4.42 26526.00 26775.31 25752.82

前営業日終値 26957.59

ナスダック総合 8566.48 -414.30 -4.61 8744.03 8904.11 8562.05

前営業日終値 8980.78

S&P総合500種 2978.76 -137.63 -4.42 3062.54 3097.07 2977.39

前営業日終値 3116.39

ダウ輸送株20種 9484.44 -356.45 -3.62

ダウ公共株15種 865.47 -41.50 -4.58

フィラデルフィア半導体 1668.65 -81.30 -4.65

VIX指数 39.09 +11.53 +41.84

S&P一般消費財 922.88 -39.13 -4.07

S&P素材 334.70 -16.35 -4.66

S&P工業 625.79 -24.63 -3.79

S&P主要消費財 607.86 -25.77 -4.07

S&P金融 452.33 -20.68 -4.37

S&P不動産 233.62 -13.83 -5.59

S&Pエネルギー 339.30 -19.64 -5.47

S&Pヘルスケア 1091.03 -37.60 -3.33

S&P通信サービス 170.87 -7.21 -4.05

S&P情報技術 1537.12 -86.51 -5.33

S&P公益事業 324.63 -15.98 -4.69

NYSE出来高 19.04億株

シカゴ日経先物3月限 ドル建て 21230 - 620 大阪比

シカゴ日経先物3月限 円建て 21225 - 625 大阪比

*見出しの文言を一部修正しました。

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)

[ニューヨーク 27日 ロイター]
 
又、日経も28日の終値は、805円安で、世界中の株価が暴落。投機筋の駆け引きもあろうが、世界の景気が一気に悪くなる気配。

〔東京株式〕大幅に5日続落=新型肺炎懸念し投げ売り(28日)☆差替

 【第1部】日経平均株価は前日比805円27銭安の2万1142円96銭、東証株価指数(TOPIX)は57.19ポイント安の1510.87と、ともに大幅に5営業日続落した。新型肺炎拡大による経済活動の停滞に対する懸念から投げ売りされた。
 98%の銘柄が値下がりし、値上がりは2%にとどまった。出来高は24億2087万株、売買代金は4兆1288億円に膨らんだ。
 業種別株価指数は、情報・通信業、電気機器、銀行業など主力業種を中心に全33業種が下落した。
 個別では、ソフトバンクGが大量の売りに押され、ファーストリテも下落した。任天堂、東エレクが大幅安となり、ソニー、トヨタも値下がりし、信越化は下げ足を速めた。三菱UFJ、三井住友が安く、野村、東京海上も売り物がち。武田が甘く、中外薬は利益確定売りで値下がりした。半面、OLCが大量の買いで逆行高。長谷工が個別に買われ、ANAは締まった。
 【第2部】6日続落。東芝がさえず、ファーマフーズは大幅安。半面、マナックが上伸。ショクブンは小幅高。出来高1億1718万株。
 ▽1週間で2243円安 
 28日の東京株式市場は朝方から大量の売りが殺到し、全面安で推移した。日経平均株価は下げ幅が一時1000円を超え、午後に心理的な節目の2万1000円を下回る場面があった。1週間の下落幅は合計2243円に達した。
 1ドル=108円台後半の円高に加え、中国・上海株や米シカゴ市場の米株先物の下落が投資家心理を一段と冷え込ませた。海外の機関投資家が日本株の持ち高削減を急いだとの見方が出ており、「買い注文が少なくても大口売りが次々と出てくるため、株価は簡単に下がってしまう」(銀行系証券)との指摘が聞かれた。「休日中の新型肺炎関連の悪いニュースを恐れて、投資家は買いを入れられなかった」(インターネット証券)との見方があった。
 225先物は2万0900円まで売られた。オプション3月きりはプットが急騰し、コールは軒並み急落した。(了)

Wi-Fi 6E??

2020年02月26日 16時04分18秒 | 日記
 

 

キーマンズネットと言うIT系のWebサイトに、土肥正弘 さん(ドキュメント工房)と言う方がWiFi6Eを解説している。WiFi6の動作周波数帯が、2.4Gと5GHz帯であるのに対し、WiFi6Eは⑥GHz帯を追加したものだと言う。良く掛けているので引用した。

Wi-Fi標準とIEEE 802.11標準の関係は?

 従来、無線LAN通信のさまざまな領域の標準仕様は、IEEE 802.11のタスクグループの名前がそのまま使われる場合が多かった。タスクグループ名はIEEE 802.11のあとに1桁または2桁のアルファベットで表される。まぎらわしいLやOなどのアルファベットを除外して、a~zを順番につけて、足りなくなったらaa~az、ba~bzを使うという具合に、タスクグループは続々と増えてきた。その中で標準としてまとめられ、一般に無線LANデバイスを選ぶ時の大きな選択肢となってきたものには、下表のようなものがある。表中で*印の周波数帯域以外は無線局免許不要で利用できるところが、LTEや5Gなどセルラー系の通信仕様との大きな違いだ。

表1 主な無線LANの標準

 現在、対応機器が増加中で導入がさかんなのが、IEEE 802.11ac対応機種である。この数年で普及してきた11ac対応機器の次の世代の導入候補として注目されているのが11ax対応機器だ。表で記した通り、11axはまだ正式にリリースされていないが、ドラフト版で技術仕様は中心的部分が既に決定しており、現在は検証段階にきている。正式版は2020年秋ごろにまとまるとみられているが、それを待たず、2019年からドラフト版の仕様に基づく機器が続々と発売されているところだ。

 ところが、規格名称は上表の通り、専門外の人にはちょっと分かりにくい。そこで、規格の新旧が誰にでも分かるようにと、Wi-Fiアライアンスは機器の認証に際して「Wi-Fi 5」は第5世代である11ac対応、「Wi-Fi 6」は第6世代にあたる11ax対応というように、番号を付けて分かりやすい呼称にしたのである。こうしておけば、製品情報に例えば「Wi-Fi 5」対応機種なのか、「Wi-Fi 6」対応機種なのかという情報が記載されるようになるため、迷わずに対応製品を選択できるようになる。

 これで分かりやすくなったと思ったら、2020年初めに「Wi-Fi 6E」が追加されたことで、混乱してしまった人も多いのではないだろうか。新しい認証プログラムならWi-Fi 7でもよいのでは? と思うかもしれない。実は、Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eには技術面で大きな違いがあるのではなく、ただ6GHz帯の利用を対象にするか否かの違いだけなのだ。

「Wi-Fi 5」「Wi-Fi 6」「Wi-Fi 6E」……違いは何か

 では、Wi-Fi 5とWi-Fi 6、Wi-Fi 6Eでは何が変わるのだろうか。まずは、Wi-Fi 5のベースであるIEEE 802.11acと、Wi-Fi 6のベースであるIEEE 802.11axの違いから説明しよう。

〇IEEE 802.11acと11axの違いは?

 IEEE 802.11ワーキンググループで標準策定に携わるNTTアクセスサービスシステム研究所の井上保彦主任研究員によると、IEEE 802.11axの特徴は「従来のような最大通信速度の向上よりも、同時接続する端末が多い環境での実行速度(スループット)向上を目標にした標準」であることだ。どういうことかと言えば、ふだんはストレスなく利用できているスマートフォンでのWebアクセスでも、ターミナル駅周辺などの端末数が多いエリアに入ると途端につながりにくくなったり遅くなったりすることはよく体験するところだろう。そのつながりにくさや遅延を解消するために、周波数の利用効率を改善する技術が、IEEE 802.11axには盛り込まれており、体感する通信速度は従来よりもずっと改善されると見込まれている。

 最大通信速度は11acで約7Gbps、11axでは約10Gbpsなので、この面でも改善されてはいるが、劇的な進化とはいえない。その一方、体感する通信速度は11acの数倍にできるのではないかと期待されている。もっともこれは使用するエリアの他端末の同時接続数にもよるので未知数ではあるのだが。

 では、11axではどのような技術で実効速度を上げていくのだろうか。それには複数の技術を併用することがポイントになるが、井上氏は、「なかでも、現在の11ax対応とうたう製品の多くが実装していると思われる、OFDMA伝送技術、スペーシャルリユース(周波数リソースの高密度再利用)技術の2つが大きく貢献する」という。この2つの技術について、次に簡単に説明する。

周波数利用効率を改善するOFDMA伝送

 つながりやすさや遅延解消のためには利用するチャネルの幅をより広くすることが効果的なため、例えば第3世代のIEEE 802.11aまでは約20MHzで1チャンネルだったものを、11nでは40MHz幅、11acでは80MHz幅あるいは160MHz幅に拡大してきた。しかし広い帯域幅の通信と狭い帯域幅の通信が混在すると、チャネルの利用効率が大きく低下する問題がある。一方、規格の後方互換性を維持するためには20MHz幅のチャネルアクセスもサポートしなくてはならない。そこで11axでは、狭い帯域幅のチャネルであっても多くの通信を「相乗り」できるように、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)という伝送技術を導入した。これはLTEやWiMAXでも採用されている技術だが、これまでの無線LAN規格にはなかった。

 変調方式は11acなどと同じOFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing:直交周波数分割多重変調方式)と呼ばれる方式のまま(一部違いはあるが)で、チャネル内を細かいサブキャリア単位で区切って複数端末の通信を乗せるようにしているのだが、OFDMAを採用することで、さらに多くの端末の通信を同じサブキャリアの範囲内に相乗りさせることができる。20MHzの帯域幅のチャネルでも、そこに最大9台のデバイスからの通信を詰め込むことができるのだ。この方式では短いパケットのおさまりがよくなる。インターネット通信は一般に短いパケットのやりとりが非常に多いため、周波数の利用効率が向上する。この技術でスループットを4倍程度にすることが目指されている。

図1 OFDMA伝送技術による多端末への電波リソース割り当てのイメージ(NTTアクセスサービスシステム研究所)

 *図中のRUの大きさはサブキャリア26本単位で可変。

 なお、OFDM信号フォーマットも改善されており、サブキャリア間隔を11acなどの1/4にあたる78.125KHzにまで縮めて、サブキャリア数が少し増加し、伝送速度が若干向上している。それと同時に、OFMDシンボル長を4倍にして、遅延波(室内の壁や屋外の建物などに反射して返ってきて通信に悪影響を及ぼす電波)の影響を吸収するためにシンボル先頭に設けられたガードインターバル(GI)の時間を従来に比べて長くとれるようにした。これは、屋外での利用で従来よりも遠くにある反射物(建物など)からの、より遅く返ってくる遅延波を吸収するためだ。これにより、マルチパスの影響が避けられ、伝送効率がよくなる。屋外での利用エリアが従来よりも広くなる(最大でも100メートル圏内と想定されるが)可能性がある。

図2 IEEE 802.11axの物理層技術(OFDM信号フォーマット)の改善(NTTアクセスサービスシステム研究所)

 

「隠れ端末」「さらし端末」問題を解消するスペーシャルリユース技術

 もう1つの主要技術がスペーシャルリユース(Spatial Reuse、略称 SR)と呼ばれるものだ。従来の無線LAN環境では、同じアクセスポイントに向けて複数端末が同時送信すると、信号が衝突(コリジョン)して性能が低下する。これが「隠れ端末問題」だ。また一方ではある端末が隣接エリアにあるアクセスポイントの電波を受信して、先行送信した端末があると判断して本来自分が通信すべきアクセスポイントへの送信を一時保留する「さらし端末問題」も発生していた。これらの問題は、端末周辺の通信状態が把握できないことに起因する。

 これに対して、11axでは、端末側とアクセスポイント側の双方でキャリアセンシング機能を導入し、受信感度と送信電力を動的に制御して、他の通信に悪影響を与えないようにする技術が採用されている。これにより、少ない周波数リソースをより有効に活用しながら互いの通信の干渉を防ぎ、スムーズにつながり、遅延も発生しにくくなる。つまりスループットの向上が期待できる。

図3 スペーシャルリユース技術のイメージ(NTTアクセスサービスシステム研究所)

 このほか、11acで規定されている下り方向のMU-MIMOに加えて上り方向のMU-MIMO仕様の追加、端末とアクセスポイントが送受信するタイミングを事前にネゴシエーションして、端末のスリープ時間を適切にすることで省電力化する機能(TWT:Target Wake Time)などが、11axで追加された主な技術的ポイントだ。井上氏によると、現在市販のWi-Fi 6対応機器では、上記OFDMA伝送技術とスペーシャルリユース技術以外の要素の実装はまだこれからという状況のようだ。

IEEE 802.11axは5935~7125GHzの周波数帯域の利用を想定

 さて、それではWi-Fi 6Eは、Wi-Fi 6(=IEEE 802.11ax準拠)が備える以上のような機能以外に何をつけ加えるのだろうか。それは繰り返しになるが6GHz帯の利用可能性だ。IEEE 802.11axが議論対象としているのは5935~7125GHzの周波数帯域の利用である。この周波数帯域を無線LANのために開放している国は今のところなく、各国で法改正のための議論が進められているところだ。仮に一部条件つきであっても、この全帯域が開放されたら、広い帯域幅のチャネルをより多く収容できることになり、通信環境には現在と比較にならないほど余裕が生まれる可能性がある。単純計算で20MHz幅のチャネルなら59個、80MHz幅のチャネルでも14個、160MHz幅のチャネルなら7個が追加できることになるわけだ。11axは、この豊富な電波リソースを利用することを想定している。だからこそ、Wi-FiアライアンスがこれにWi-Fi 6Eという名前を用意したと考えれば納得がいくだろう。

 ただし、6GHz帯の電波は他のさまざまな用途で利用されている。他の用途の通信の利用周波数帯をどこかに引っ越せればよいが、おそらく難しい。そこで既存の通信に影響を与えないように、6GHz帯の無線LAN利用時には機器にAFC(Automated Frequency Coordination)機能を備えて周囲の電波運用状況をスキャンして、電波利用法を最適化するなどの条件(制約)が義務付けられることが想定されている。

 条件がどうなるかは分からないが、他の用途の通信と無線LANが共用できるように議論が進められているところのようだ。とにかく、無線LAN業界はこぞって6GHz帯の開放を望んでおり、ユーザーとしての私たちも、より高速でつながりやすい無線LANを待望している。セルラー系の5Gとのユースケースの重複も気になるところではあるが、無線局免許なしで使えるという導入ハードルの低さは無線LANならではのもの。ビジネスでも高精細動画やAR/VRコンテンツなど、ネットワーク負荷が重い通信はますます増える。また個人のプライベートと仕事の両面で利用されるモバイル端末は増えていく。無線LAN、5G、LPWAなど、通信目的・利用環境・条件に適した方式を選択して通信環境を最適化していく選択肢が増えるのは好ましいことだ。今は電波法改正をひたすら待つしかないが、Wi-Fi 6Eが利用できる日が早く来ることを期待したい。


テスラ分解 EVの「頭脳」、トヨタやVWを6年先行

2020年02月26日 07時21分43秒 | 日記

日経が、テスラ「モデル3」を分解、トヨタやVWを6年先行していると解明。自動運転だけでなく車両全体を制御する統合ECU(電子制御ユニット)は、3キログラムに満たない「頭脳」が、テスラの強さの源泉となると同時に、自動車部品のサプライチェーン(供給網)をがらりと変える影響力を持つという。既存のメーカーが開発できない理由はないが、系列の部品メーカーの存続を危うくするようなことは避けたがっているからだと言う。

米テスラの量産電気自動車「モデル3」(画像:テスラ)

米テスラの量産電気自動車「モデル3」(画像:テスラ)

米テスラの技術力はどれほどのものか――。実力を確かめるため、日経BPのプロジェクトチームはテスラ初の本格量産車「モデル3」を購入して分解した。内部から飛び出した最大の驚きは、自動運転だけでなく車両全体を制御する統合ECU(電子制御ユニット)だ。3キログラムに満たない「頭脳」はテスラの強さの源泉となると同時に、自動車部品のサプライチェーン(供給網)をがらりと変える影響力を持つ。

「うちの会社にはできない」。ある国内自動車メーカーの技術者が、テスラの車載コンピューターを見て白旗を揚げた。

テスラは量産中の電気自動車(EV)である「モデル3」や「モデルS」などに、「HW3.0」と呼ぶ車載コンピューターを搭載する。内蔵する半導体を自社開発し、自動運転とインフォテイメントなどの機能を統合制御するECUの役割を一任した。

 

モデル3が搭載する統合ECU「HW3.0」。2枚の基板を搭載する。1枚は独自開発した人工知能(AI)チップを実装する自動運転用で、もう1枚はインフォテイメントシステムなどを制御するMCU(メディア・コントロール・ユニット)。基板間に水冷ヒートシンクを配置した(撮影:日経Automotive)

モデル3が搭載する統合ECU「HW3.0」。2枚の基板を搭載する。1枚は独自開発した人工知能(AI)チップを実装する自動運転用で、もう1枚はインフォテイメントシステムなどを制御するMCU(メディア・コントロール・ユニット)。基板間に水冷ヒートシンクを配置した(撮影:日経Automotive)

車載電子プラットフォーム(基盤)の中核に高性能なコンピューターを据えるアーキテクチャーは「中央集中型」と呼ばれる。自動車業界の関係者は異口同音に「実用化は2025年以降」と説明してきた。

一方のテスラがHW3.0を導入したのは19年春。他社を6年以上も先行したことになる。テスラは自動運転システムの進化に合わせて車載電子基盤を刷新。14年9月に第1世代を投入して以降は、2~3年という極めて短いサイクルで開発を進めている。

 

 

 

テスラは2~3年ごとに自動運転システムを強化している(図:日経Automotiveが作成)

テスラは2~3年ごとに自動運転システムを強化している(図:日経Automotiveが作成)

圧倒的なスピードで構築したテスラの中央集中型の車載電子基盤は、他の自動車メーカーのみならず、業界全体にとっての脅威になる。長い歳月をかけて積み上げてきた既存の部品サプライチェーンを崩壊させる可能性を秘めるからだ。

 

■既存メーカーはサプライチェーンが重荷に

冒頭の技術者が「できない」と言ったのは、開発力が不足しているからではない。優秀な人材と多額の研究開発費を持つ大手自動車メーカーであれば、実現できないわけがない。

それでも、自動車メーカーによる実用化は25年以降と遅い。最大の理由は「しがらみ」(前出の技術者)で、同時に新興勢力のテスラにとって強みを発揮できる領域でもある。

トヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)を含め、旧来の自動車メーカーが車載電子基盤を変更できずにいるのは、部品メーカーの仕事を奪いかねないためだ。中央集中型にすればECUの数は激減する。ECUの出荷台数の多さで事業規模を確保している部品メーカーにとっては死活問題で、自動車メーカーは慎重にならざるを得ない。

結果として数十個のECUが複雑に絡み合う「スパゲティ状態」の電子基盤を使い続けるしかない。これまで自動車メーカーの成長を支えてきた強固なサプライチェーンが重荷になってきた。

 

■電子基盤は内製にこだわる

一方のテスラにはこうしたしがらみがなく、理想を追求した選択と集中を断行できる。消費者が求める自動運転やコネクテッドカーのニーズをいち早く察知し、その要求を満足させられる車両システムの開発に注力し続ける。実際、分解したテスラのモデル3の内部には、統合ECUを含めて数個のECUしか存在していなかった。

同社最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏によると、モデル3に搭載する統合ECUの性能は「完全自動運転に対応する水準」だ。現状では「レベル2」の運転支援にとどまるが、ソフトウエアの更新機能であるOTA(オーバー・ジ・エア)を使えば自動運転車に進化できるという。

VWが目指すハードウエアとソフトウエアの分離も容易だ。テスラは既に、サプライヤーに任せていた自動運転用のソフトウエアの開発を内製に切り替えつつある。こうなると、ハードウエアを中心に供給していた部品メーカーの利益は大幅に縮小される。電動駆動システムも、テスラはメガサプライヤーに丸投げしていないことが分かった。

分解したモデル3のほとんどの部品には、部品メーカーの名前は刻印されていなかった。一方で、テスラのロゴはECU内部の基板を含めて多く配置されていた。同社が徹底して開発の主導権を握っていたことが分かる。

競争力になる部分の内製開発にこだわるテスラが成功すれば、他の自動車メーカーも続かざるを得ない。それは、既存のサプライチェーンでのビジネスが通用しなくなることを意味する。トヨタやVWの6年以上も先を行く「理想形」の車載電子基盤を武器に、テスラは自動車業界の勢力図を変えようとしている。

(日経クロステック/日経Automotive 久米秀尚)