先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

ボイジャー1号、遠い宇宙で50年後でも活躍

2024年05月02日 11時55分24秒 | 日記

NASAのWebサイトに、半世紀前に打ち上げたボイジャー1号との通信を復活したと出て居た。同時期に打ち上げられたボイジャー2号と共に惑星や近太陽系星間の姿を50年近く明らかにしてきた。今更ながらアメリカの発想力と実行力に驚かされる。日本は素材や部品は、どの分野をとっても世界最高だが、大きなシステム構築は得意ではないかも。しかし新幹線やリニア高速鉄道をとっても、能力は十分あるかと思うので、宇宙開発ではどうかとボイジャー事業を見た。具体的な技術開発では日本は十分の能力があるが、構想力と実行力では、今一だと思われる。以下その理由を述べる。

ボイジャー1号はNASAが1977年9月5日に、宇宙観測衛星として打ち上げられ、木星、土星、天王星、海王星、そして星間物質で数々の下記の土星の表面などのような数々の自然を明らかにした。なお、ボイジャー2号の方が1977年8月20日と1号より2週間早く打ち上げられている。

 

まず構想力:50年前のロケットの推進力は、冥王星とか遠くまで飛ばすことが出来なかった(と思う)から、近くの惑星まで飛ばして、遠心力で遠くまで飛ばすという発想は、失敗する確率も高そうで日本人には出来そうもない。

2024年5月2日現在地は、地球から243億7367万km以上(162.9天文単位以上)、太陽から243億3311万km以上(162.6天文単位以上)離れた太陽系を離れた、星間空間。地球から光が到達するのに約22時間35分かかる。この距離は約0.002576光年。NASAのディープスペースネットワークで超長距離通信を行うというが、日本にそんな技術はあるだろうか?

次は衛星の制御システム。ボイジャー1号のCPUは制御用の「RCA1802」8bitマイクロプロセッサで、一般PC のApple2(6502)やPC-8001(Z80)に相当。 メモリは64KB程度で、駆動周波数は4~6MHz。それで、観測データの収集と送受信制御している。現在のスマホやPC のCPUは数G~数拾GHzの駆動周波数である事を、考えると制御は簡単ではなさそう。電源は原子力電池で動かしている。

原子力電池は、プルトニウム238やポロニウム210、ストロンチウム90と言った放射性核種の原子核崩壊で発生する熱を、熱電発電素子により電力に変換するものでボイジャーには3個搭載され、実用される原子力電池にはアルファ崩壊を起こす核種であるなどが用いられ、3個で470W, 30Vを得て居る。日本では原子力はアレルギーがあるから開発出来ないかも。

QuoraというWebサイトが、ボイジャー1号の軌道を表示しているが、写真(Wikipedia掲載)のようにボイジャー1号自体はエンジンがないので、打ち上げロケットの初速だけで惑星近くを通った時の遠心力で太陽をセンターとする楕円軌道を描く。

打ち上げから47年経っているから、色々の不具合や痛みが出て居て、2023年11月に、飛行データシステムの遠隔測定モジュールの送信データが解読不可能になったという。

2024年3月1日にNASAのディープスペースネットワークで、診断コマンドを送り、飛行データシステムの遠隔測定モジュールのメモリーの3%が破損していたことが分かったという。そのメモリー上にあるはずのソフトウエア・モヂュールを判別し、別のメモリーに格納すべく、そのソフトウエア・モヂュールを4月18日に送信。2日後の20日、ボイジャー1号から、再び解読可能なデータを受信できる様になったという。これは単なるコード修正作業ではなく、超遠距離通信システム、その通信方式、制御ソフトウエアなど複雑なシステムを構築使い回せるIT 技術がいるが日本で実現できるだろうか? 難しいと思う。

 

 


マイクロプラスチックは心臓発作・脳卒中を起こす!

2024年04月30日 13時42分07秒 | 日記
数年前、廃棄されたプラスチックが、風化や摩擦などで小さな破片になるのや、歯磨き粉や化粧品で滑り止めに使われるマイクロプラスチックが、人間や動物に健康上の大きな問題を起こすと言われていたがその後、話題になってなかった。そこに、NationalGeoraphicが、2024年3月6日付けの医学誌「The New England Journal of Medicine」に発表された論文を紹介、血管内にたまった微小なプラスチック粒子が、心臓発作(心筋梗塞)、脳卒中、死亡のリスクを高くすることを証明したという。
 
以下その要約:

 脂肪などでできた沈着物であるプラークが動脈の壁の中にたまる「アテローム性動脈硬化」になると、血管の壁が厚くなるため体の各部への血流が悪くなり、脳卒中や狭心症、心臓発作のリスクが高まる。プラークは通常、コレステロール、脂質、細胞からの老廃物、カルシウム、フィブリンと呼ばれる血液を固めるタンパク質からできている。

 今回の研究は、頸動脈(首の動脈)のプラークを取り除く手術を受けたアテローム性動脈硬化の患者304人について行われた。切除したプラークにプラスチックが含まれていた人は、含まれていなかった人に比べて、その後の約3年間に心臓発作や脳卒中を起こしたり何らかの原因で死亡したりする割合が4倍以上も高かったという。

 プラスチックに含まれる化学物質が溶け出し、ホルモンなど内分泌系の働きを乱すといった健康問題を引き起こす可能性があることは以前から知られていたが、「プラスチック粒子そのものが人間の健康に影響を及ぼすことが示されたのは、今回が初めてで、マイクロプラスチックを人間の疾患と関連づける、画期的な研究」という。

しかし、マイクロプラスチックヲ無くそうという運動は起きていない。人間が引き起こした自然破壊は、たくさんあり過ぎて、一々対応できず、生きる上で已むを得ないのかも。


人物の絵から、しゃべる動画を生成VASAー1

2024年04月27日 07時55分56秒 | 日記

CNNがマイクロソフトのVASA-1という、人の絵や写真から、しゃべる動画を生成できるAIを紹介していたが、言語も多くの国の言葉をしゃべり、悪用されると恐ろしい。

CNNの解説。右クリックで「リンクを新しいウィンドウで開く」などで再生。

CNNの記者が米マイクロソフトのAIモデルを解説 - CNN.co.jp

 

モナリサと中国人男性の絵から動画だけの抽出は以下のURL参照。

https://vasavatar.github.io/VASA-1/video/o1.mp4

https://vasavatar.github.io/VASA-1/video/o5.mp4

 

どういう手順で作成しているかを、MSは下記Youtubeで紹介していた。文章を右クリックし、「リンクを新しいウィンドウで開く」とかで再生。

 顔写真と音声ファイルからリアルな話し顔の映像を作成できるMicrosoftのAIモデル「VASA-1」のデモンストレーション動画 - YouTube

 


米アップル、EV開発を中止か

2024年04月19日 07時58分06秒 | 日記

2024年2月28日の日経新聞が、アップルは27日、電気自動車(EV)の開発を中止する方針を固めたと報じていた。

そして携わっていたスタッフの多くは人工知能(AI)部門に移り、生成AIのプロジェクトに集中することになるとの事。

 

今回の報道はEV販売が期待外れの結果に終わり、複数の主要自動車メーカーが投資撤回と価格引き下げに踏み切る中で浮上した。一方、AIは勢いを増す。今回報じられたアップルのリソースシフトは、マイクロソフトやグーグルなどAI技術で先行する競合との差を埋める一助になる可能性がある。

英国を拠点とする投資プラットフォーム、ハーグリーブス・ランズダウンの幹部スザンナ・ストリーター氏は「AI関係のあらゆるものに熱狂が集まる中、投資家のEV熱は薄れており、巨大IT企業はトレンドを追っている」と指摘する。

この冬、欧米の寒冷地で、EV車の充電の行列が出来て、待ちくたびれて、EV車放棄するニュースが出て居た。これはEV車固有の問題ではなく、Li電池の問題である。スマホの1万mWhの小電量Li 電池ですら充電時間は数時間かかる。30年前に出荷されたトヨタのHVのプリウスもLi電池から出火、暫く水素ニッケル電池にしていたが、アルカリで、電荷3のLiは、そもそもが大容量が必要なEVには不適だと思うが、大勢の二次電池開発者が長年にわたって求めても、Li二次電池以外に解が見つかっていない。

 

だから、現在のLi電池の可燃性の水溶性電解質に変えて、固体化し、さらに小セル化して、衝撃に強く、充電時間が短く、重量当たりの電気容量がおおきい固体電池開発を急いでいるのであろう。

それが完成するまでは、現在のLi電池のEV車は使わない方が良いという事。ここで問題なのは、中国で国策でEV車を大量生産させたが、電池は、水溶性電解質のLI電池で、充電時間がかかり、衝撃に弱く、低温だと充電能力が下がるという優れもので、自動車先進国では手を出さなくなっている。30億所帯分のマンションを作ってしまって、大量の不良財産を抱え込んだ中国、RV車でも大不良在庫を抱え込んだのではなかろうか?

自前で固体電池を開発できないが故に、固体電池開発に総力を挙げているトヨタの成果を!!と勘繰りたくなる。

 


ウクライナのミサイル被弾数1万!

2024年04月19日 06時34分13秒 | 日記