TBS のオンラインニュース【Bizスクエア】が2023年9月22日、ごみのアルミくずから水素と水酸化アルミを製造する方法を富山のベンチャー企業アルミハイテック社が考案したと紹介していた。
アルミ箔は、食品包装だけでなく、色々な製品の包装に使われていて、それはすべて、ゴミとして焼却されている。
どれくらいのアルミ箔が生産されているか一般社団法人 日本アルミニウム協会を見たら、毎年、10万~15万トン生産されているという。これがゴミとして焼却されていることになるが、それが水素と断熱材とかに使われている水酸化アルミに生まれ変わるというからすごい。
アルミハイテック社の創意工夫は、
①アルミ箔単体だけでなく、ビニールやプラスチックとアルミが一体化したものからもアルミを分別する方法を開発
②アルミが表面酸化してしまうと、化学反応が進まず、水素や水酸化アルミが出来ないので、触媒のアルカリ反応液を開発
したことにある。
そして、分別したアルミ9kgから水素1kg(約110L)が、水酸化アルミ26kg製造できる。毎年生産されるアルミ箔が15万トンというから、1.7万トンの水素と44,2トンの水酸化アルミが出来ることになる。
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WEbサイトに出ている水素燃料自動車のトヨタのミライの水素燃費は135Km/Kg。自動車1台の1年間の平均走行距離が1万Kmとすると、1.7万トンの水素は、23万台{1.7万トン÷(水素自動車が1年間に使う水素75Kg( 1万Km/135Km/Kg))}を賄えられる。
しかし、日本には現在、4千万台の自動車があるというから、10%の4百万台に水素を供給できないと、すなわち、4百万台の水素自動車を賄えないと水素自動車は実用化しないかも。
ただ、水素の運搬は、従来は、高圧ボンベで行うしかなく、危険性が高かったが、日立金属子会社が、安価な「水素吸蔵合金」ヲ開発したというから、水素燃料電気自動車や、水素エンジン自動車はいつか実現されるかも。
その会社の開発概要を引用する。
三徳(神戸市東灘区、角田達彦社長)は、ニッケルやコバルトなどを使わない低コストな水素吸蔵合金を開発した。従来は加工が難しかったチタンと鉄の合金で実現。水素吸蔵合金は水素を気体状態と比べ1000分の1以下に体積を圧縮して貯蔵でき、漏えいの危険性も低い。比較的低圧で貯蔵可能で、住宅街やオフィスでの水素利活用に適している。顧客ニーズを取り込み、国内での量産体制整備を目指す。