昭和50年代の初めに神田寺の友松円諦師から受けた法句経講座から、一日一句更新します。
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*405番
弱きにも
強きにも
生命(いのち)あるものに
刀杖(つるぎ)を加へず
自らも殺さず
他(ひと)をも殺さしめず
我かかる人を
婆羅門とよばん
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法句経というお経には中国に伝わったものとセイロンにダンマパダ(法句経)の名でで伝わったものがあるが、いずれも釈尊の自説で経典の中では最も古いものとされている。
セイロン伝法句経423偈から一句ずつ更新。
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「強きをくじき弱きを助け」ではなく、命ある者すべてに武力で殺戮することなく、苦しみに耐えられず自らの命を絶つようなこともなく、自他の命を大切にする人を「婆羅門」(インドで最高位の僧)と呼ぶ。
世界は、今この釈尊の言葉に背いて戦争や紛争が絶えない。自爆テロ、無人機による爆撃、「命」を何と思っているのか。
正義の名のもとに武力で裁く強者と、弱者を統べる独裁者との激突に弱者の多くの命が犠牲になる。
誰の命も失わない平和の希求こそ、釈尊の理想であった。