この家が良くて、毎日通ってきている。
梅雨明けから、この猛暑日続く間は、ここの庭の沈丁花と、千両の木陰が涼しい。
一日、ここで寝て過ごす。飼い主の家には、夜だけ戻る。
ワンコが、二頭もいてうるさいので、ここにいるのだ。
茶髪の小娘猫が、ついて回ってくるが、暑いので吾輩だけが、ぐったりと寝そべっている。
この家の主人が、相撲の中継が終わった時間に、ホースで庭に水を撒くので、吾輩はしぶしぶ出て、飼い主の家に帰って、餌にありつく。
塀の上に飛び乗ったり、ご近所のパトロールは、体力の消耗を考えて近頃は何もしない。
老猫の吾輩のことである、もしや、このまま、ここで死なれては困ると、この家の主人がそっと覗きに来る。
あとは、誰にも邪魔されないで、ここの楽園でじっとしている。格好の避暑地だ。