2、3日前散歩に出かけた時、道を尋ねられた。
年金通知の葉書の住所を見せて、孫の家に帰りたいと言う。
何でも、東京は上野の車坂から、自転車ごと車で、この我孫子市に送ってもらってきたらしい。
市民の森に散歩に行く途中だったので、地図で説明も出来ないので、目的の娘さんの家まで、散歩を兼ねて送ってゆくことにした。
こちらに来て、2日ほど、留守のうちにテレビを見て過ごしたらしいが退屈で、その自転車で、我孫子市内に、案内も無く、出てみたが、思いがけなく遠くに来てしまって、帰れなくなったという。
途中、新聞配達の人や、あたりの人に聞いたらしいが、市内でもエリアの外は分からなくて、困り果てていたところに、通りかかったので、散歩コースをひき返し、ゴルフ場を反対にぐるっと回って、お連れする。
成田線の踏切を越えて、その住所を見当をつけたが、広い範囲で行きつくことが出来ない。
幸い、近くに測量会社を見つけ、受付の女性に番地の詳細を聴いてみることにした。
商売柄、付近の住宅地図を出してきて、番地を調べ親切に教えてくれた。
そこから、2キロほど先で、小学校の手前の丸いガスタンクのところを、左に入って少し先に、目的のアパートはあった。
やっとわかったらしくて、ここですと、自転車を押して上がり、礼を言われて別れた。
年を聴いてみると、私より一歳年下で、元気なおばあさんであった。
普段の散歩の、3倍はある距離を歩いた。初冬の日はとっぷり暮れて、玄関入ると、どこまで行っていたのと訊かれた。
危うく、こちらが迷子か、徘徊老人になるとろであった。
ミイラ取りが、ミイラになった話だ。