マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ノクターン嬰ハ短調

2008-03-04 23:58:35 | 音楽
ティータイム・コンサートに向けて準備は順調・・・と言いたいところですが、まだまだいろいろすることがあります。
もちろん練習が一番ですが・・・。
最初に弾くのは、ショパンの「ノクターン 第20番 嬰ハ短調 遺作」です。
これだけではピンと来ないでしょうが、映画「戦場のピアニスト」で使われた曲と言えばよくわかるでしょう。
映画・・・見てないのですよね。
なかなかゆっくり見る時間がないのです。

この曲以前はノクターンとして取り扱われていなかったのです。
そもそもノクターンとは何ぞや?ですが、日本語では「夜想曲」で、分散和音とかの伴奏の上にきれいなメロディがついているというパターンが多いです。
・・・で、ポーランドの出版社である「パデレフスキー版」には、この曲載っていないのです。(私の持っているのは古いバージョンなので最近は知りませんが・・・)
なぜノクターンとして扱われていなかったかというと、この曲はショパンがお姉さんのルドヴィカに献呈した際はノクターンとしてあったものを、ショパンの死後出版されたとき「アダージョ」という題で出版され、その後ブラームスが筆写したときに題名を書かなかったことにより、発想記号「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」で呼ばれていたのを、本来ノクターンと付けられてあったので、ノクターンにしよう・・・とかいう事情があったようです。
アア複雑!!
複雑ついでにこの曲テクニック的には難しくないのですが、覚えるのは少々面倒なのです。
左手の伴奏の和音が同じメロディでも少しずつ微妙に変化していて、覚えにくいのです。
楽譜も何故かいろんなバージョンがあって、それぞれ少しずつ違うのですが、私はウィーン原典版で弾いています。
とは言え、哀愁に満ちたきれいな曲をいかに美しく弾くか!・・・これが一番難しいことなのですが・・・。

CDは以前にも紹介しましたが、全曲入っているアシュケナージのショパン:夜想曲全集がいいですね。