プロストワインハンデル公式ブログ「クライナー・プラッツ Kleiner・Platz」

ドイツのリューデスハイムに所在するドイツワイン専門店です。在住者ならではの新鮮な情報と個性的なワインをご紹介します。

ドイツワインのエチケット(ラベル)

2018年04月10日 13時08分44秒 | ワインについて

こんにちは、毎回毎回、ワインに関わることを書こうとして自分の首を絞めている那岐です。

今回はいろいろ考えた結果、知られてそうで意外に知られていないことの多いドイツワインのエチケットに書かれた情報の意味に触れてみたいと思います。

 

まず、エチケットを見ると一番に目に入ってくるのがぶどうの品種名ですよね。

 

例えば、この2本では両方ともにRieslingという品種を使っていることが書かれています。

このような表記を見ると、あ、このワインはリースリングで作られているんだ、ということはすぐに分かると思います。ただそんな場合でも、このワインがリースリング100%だと思ってしまうことはありませんか?

こんな風に話を振ると、勘のいい方はすでにお気付きかもしれませんが、実はエチケットにRieslingのような品種名が書いてあったとしても、そのワインがエチケットに書かれた品種100%から作られているとは限らないんです。これ、意外と知られていないですが、本当のことです。

 

ドイツではブドウ品種をはじめとして、エチケットに書くことのできる情報についてはかなりの部分がワイン法と呼ばれる法律で決められています。このワイン法によると、85%以上を単一のブドウ品種を使って作ったワインであれば、そのブドウ品種をエチケットに記載していいことになっています。つまり、15%は別の品種のブドウを混ぜていてもいいのです。ただ、ここでもう一つルールがあって、白ワインは白ワイン用ブドウのみ、赤ワインには赤ワイン用ブドウ品種のみしか使ってはいけないことになっています。このため、85%をリースリングにして、残りの15%を何か別の赤ワイン用ブドウ、例えばシュペートブルグンダーを混ぜる、というようなことは出来ません。

つまり、今回例に挙げた2つのワインはエチケットだけを見れば、少なくとも85%以上がリースリングの果汁から作られたワインだ、ということが分かるわけです。もっとも、ここであげた2本はどちらもリースリング100%のもので、ドイツのリースリングに典型的にみられる、ふくよかで青い果実を連想させる香りと酸がありつつもバランスのとれたフレッシュな味を表現したとてもクオリティーの高いものですが。

このワインに関してはこちらから、詳しい商品説明をご覧いただけます。

2013年 ラインガウ産 Oestrch Doosberg Riesling G.G F.B.Schönleber - シェーンレバー醸造所 (上記写真左)

2013年 ラインガウ産 Riesling QbA trocken Weingut Wegeler - ヴェーゲラー醸造所 (上記写真右)

 

ちなみに、ドイツにおいては上記のワイン法によってロゼは赤ワイン用のブドウ品種しか使ってはいけないことになっています。他国では赤ワイン用ブドウと白ワイン用ブドウを混ぜて作る場合もあるのですが、これはドイツではロートリングと呼ばれます。

そして、そのロゼのエチケットで見かけるものにWeissherbstというものがあります。実はこれも、使っているブドウの品種に関わる情報なんです。

ヴァイスヘルプストとは、95%以上を単一ブドウ品種から作っているロゼに対して記載することが出来る名称です。ドイツではロゼのほか、スパークリングワインであるゼクトに対してもこの名称が使われることがあります。こちらの名称のついたワインは、上記に書いたように単純にぶどう品種が書かれたものよりも10%以上、単一ぶどう品種を増やさなければいけませんので、より使われているブドウ品種独自の香りや風味がワインに表現される、という特徴があります。

面白いのは、このヴァイスヘルプストという名称は赤ワインには使うことが出来ないことです(もちろん、白ワインにも使えません)。ですので、仮に赤ワインで単一ブドウ品種100%で作っていたとしても、そのワインのエチケットにはシュペートブルグンダーとか、ポルトギーザーとかというブドウ品種名は書くことが出来ても、それと一緒にヴァイスヘルプスト、と書くことは出来ないんです。ロゼよりも普通の赤ワインの方が単一のブドウ品種を使っていることをアピールしたいワイナリーさんが多いと思うんですが、赤ワインではブドウ品種をエチケットに書くこと以上にそのための手段がない、というのは不思議ですよね。

 

今回、例にしたワインはポルトギーザーを95%以上使用して作られたロゼとなります。少し甘口のモノですが、その分飲みやすく、これからの暑い季節に良く冷やして飲んで頂くのに最適な1本です。BBQなどのお供にも最高ですよ。商品の詳細は以下でご確認いただけます。

2016年 ラインヘッセン産 Portugieser Weissherbst Gutswein feinherb Weingut Rusbach - ルスバッハ醸造所

 

ドイツワインのものをはじめ、ワインのエチケットには知らないとまったく意味の分からない情報が書かれています。これは分からないうちは本当になんのこっちゃ、という感じになると思いますが、ちょっとでも知るとワインを選ぶのにもとても役立ちます。ぜひいろいろ調べてみて下さい。

 

 

那岐でした。

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ドイツのOstern (イースター祭)

2018年04月04日 08時41分03秒 | ドイツ旅行で使える単語

こんにちは!

長い冬を越え、待ちに待った春が訪れているドイツ、リューデスハイムです。

そんな春の訪れを感じる頃にやってくるドイツのイースターをご紹介します。

イースターが近づくにつれて街中にはOsternhaseといったウサギや卵の飾りが増え、スーパーなどでもイースターエッグなどを見かけるようになりにぎわいを見せはじめます。

イエスキリストの復活祭を意味するイースターは日本ではそれほど馴染みのない祝日かと思いますが、ドイツや多くのヨーロッパではキリストの生誕祭であるクリスマス同様、家族みんなで祝う行事です。

日は毎年異なりますが、Karfreitagと呼ばれる金曜日からOsternmontagと呼ばれる月曜日まで続き、子どもたちはクリスマスに続きおもちゃやお菓子またお年玉のように現金をもらいます。

また家庭でもイースターの日にはラム(子羊)やイースターならではの料理を楽しみます。

私が今年一緒に祝った家庭ではウサギ?に似せたケーキをごちそうになりました。

ウサギと言われると何とも言えない形ですが、はちみつ風味のとてもおいしいケーキでした!

皆さんもぜひ可愛くて美味しいイースターを日本で楽しんでみてはいかがでしょうか?

Frohe Ostern!

Nekoでした。

 

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クロスター・エーバーバッハ醸造所

2018年04月02日 11時26分32秒 | ワイナリー

みなさま、こんにちは!

もう日本は春真っ盛り、桜も満開、そして新年度が始まりましたね。

ウキウキ、ワクワクする季節の到来です!

ドイツもイースターを迎え、晴れる日もやっと、やっっっとこさ多くなり

春らしい柔らかく暖かい日差しも降り注ぐようになってきました。

 

本日は、クロスター・エーバーバッハ醸造所に行ってきましたので、その報告を!

お電話にて日本のお客様とお電話をしている際に、クロスター・エーバーバッハの話になり

実はまだ行ったことがなかったので、この機に!と思い行ってみました。

当醸造所は、映画ショーン・コネリ主演「薔薇の名前」で撮影で使われたそうです。

 

また、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、ここから「カビネット」という等級が生まれ、ドイツワイン史の中でも名を刻む名醸造所です。

このKloster Eberbachを日本語に訳すと、Kloster修道院、Eberは猪、bachは小川という意味です。

1136年大司教クララヴォーは・・・

の続きは、下記URLよりエバーバッハ修道院建立の簡単な言い伝えを載せております。

http://prostweinhandel.shop-pro.jp/?pid=115688243

 

それでは、写真をたくさん撮ってまいりましたので、ご覧ください!

綺麗に整備されたお庭のすぐそばには、小川が流れています。きっとこのあたりにに猪が現れたのですね~

猪のオブジェ。

ここは敷地が結構広いです。大きな聖堂に、ヴィノテーク(ワインショップ)、レストランやホテルもあるようです。

こちらが全体図。

ちょっとヴィノテークに行ってみました。時間がなかったので、試飲はせずに帰ってきてしまいましたが、今度行った際にはぜひ試飲をしたいと思います!

結構広い!そして近代的!

この木箱も素敵です!これぞ、エバーバッハのトレードマーク!

こちらもかわいい箱です!

 

このヴィノテークの前の壁には、当醸造所所有の畑の名前が!どれも特級畑です!!

(左から、Rauenthaler Baiken, Rüdesheimer Berg Rottland, Wiesbadener Neroberg)

 

そして、この角度からもパチリ

写真で見るよりも実はかなり大きいです。

 

この裏手にはホテルがあり、1階がレストランになっていたので寄り道しました。

この裏手側(レストラン側)から撮ると、こんな感じです。

この木自体もかなり大きいのですが、それにも劣らぬ建物の大きさと言ったら!!!

 

さて、レストランに入りましょう。

分かり辛いかもしれませんが・・・キャンドルが惜しげもなく焚かれ、そして修道院の回廊を思わせるこのアーチ状の天井もとっても神秘的でステキです

結構広いレストランです。たくさんの方がお越しになられていましたよ。

こちらではワインだけでなく、ビールもありました!!とっても飲みやすくて美味しかったです★

 

そして、実は一番の目的は・・・お客様に教えて頂いたのですが、アプフェルシュトュルーデル(りんごパイ)が美味しいとのこと!

早速頂きました❤

りんごの甘酸っぱさと、しゃきしゃきの食感がたまらなく美味しかったです!

 

そういえば、ナフキンも醸造所オリジナルでとっても素敵でした♪

 

修道院(兼ミュージアム)にワイン、ブドウ畑、そして雰囲気のあるレストラン・・・

時間がある方は、ぜひ1日かけて行かれるのも良いかもしれません。

 

日本に居ながら、こちらのワインを召し上がりたい方はこちらよりっ

 日本では珍しい専属畑、Wiesbadener Nerobergの辛口

http://prostweinhandel.shop-pro.jp/?pid=115688243

口の中で広がる、ラインガウ特級畑の味わい・・・最高級辛口・グロセス・ゲヴェクス(白)

(私の好きな畑の1つ、Marcobrunnです☆)

http://prostweinhandel.shop-pro.jp/?pid=109848289

Baiken畑より。うまみたっぷりの果実味、そして複雑さが素晴らしい、シュペートレーゼ 白・甘口

http://prostweinhandel.shop-pro.jp/?pid=111130519

 

※ご案内※

こちらへの行き方は、ヴィースバーデン駅から約10分ほどのエルトヴィレ(Eltville)という駅で降り、タクシーで約15分~20分です。

 

 

 えだほみ

 

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