プロストワインハンデル公式ブログ「クライナー・プラッツ Kleiner・Platz」

ドイツのリューデスハイムに所在するドイツワイン専門店です。在住者ならではの新鮮な情報と個性的なワインをご紹介します。

ライン河と橋 (つづき)

2009年06月25日 00時14分39秒 | その他
思い出したように、前号(3月25日)の続きです。
ライン河にはマインツからコブレンツまで約80kmに渡って、
全く橋の架かっていない区間がある、
というのが前回の内容でした。

その結びで触れた『幻の橋』が今回のお話です。

橋の名は『ヒンデンブルク・ブリュッケ』(Hindenburgbruecke)。
1913年から2年の歳月を掛けて造られた、鉄道専用の橋でした。
名前は、時の宰相ヒンデンブルクから。
建設当時はラインに掛かる橋の中でも2番目に大きな規模を誇っていました。

この橋が結んでいたのは私達のリューデスハイムと、対岸の町ビンゲン。
河川敷も含めた川幅が優に1kmを超えるライン河に、当時の土木技術の粋を集めて建設された、
当代随一の鉄道橋だったのです。
折りしも完成時(1915)は第一次世界大戦(1914~1918)の只中。
兵士を乗せた列車が何本もこの橋を通り、彼らを前線へと運んでいきました。

それからもこのヒンデンブルク橋はライン河に掛かる貴重な橋として、
人々の往来を支えてきました。
しかし、転機が訪れます。
第二次世界大戦(1939~1945)の勃発です。

戦争では工場や港、そして橋といった重要な施設が狙われます。
ヒンデンブルク橋も例外ではなく、いく度かの攻撃にさらされるようになります。
そして迎えた1945年。
敗色の濃厚なドイツ軍は、敵がライン河を渡ってドイツ領内にこれ以上攻め込まないよう、
ヒンデンブルク橋の破壊を決定します。

破壊を担当するのは、当然ながらドイツ軍です。
彼らの中には、この地域出身の者もいたかも知れません。
かつて祖父や父が築いた立派な橋を、
今は自分たちの手で壊さなければならない。
そんな彼らの胸中に去来するものは何だったのでしょう。
それとも、任務として淡々とこなしていったのでしょうか。

1945年3月15日、橋は破壊され、瓦礫と化します。
結局、その効果も定かではないまま、
ほどなくドイツは敗戦を迎えます。



http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/e8/ba0d0f09e70fe2b938acdcca015f76b6.jpg

戦後、橋脚の大部分は船舶の通行の障害になるという理由で取り除かれます。
また、同じ場所にもう一度橋を掛けるべきか否かの話し合いでは、
「メリットがない」として議題そのものが否認されてしまいます。

以来、この地では渡し船がライン河を行き来する唯一の手段となりました。
かつての橋の痕跡は、リューデスハイムの東の町外れに僅かに残るのみ。
それでも、巨大な石の折り重なる姿には在りし日の橋の威容が伺えます。



http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/0b/eb746080ba4b02c77bfdba35b597c6aa.jpg

今日、その辺りは水鳥の大切な住処(すみか)となっています。
川の中にはポツンと取り残された橋脚がひとつ。
それはどこか、長い時間を掛けてライン河に混ざりゆく日を
待っているかのようです。



文責 とり
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そろそろ、旬の終わり

2009年06月21日 21時26分04秒 | レストラン


そろそろ、ドイツのアスパラガスの旬も終わろうとしています。
ということで!リューデスハイムのレストランCafe seilbahn
に行って来ました。

今日はビールでも飲もうか~、とボーっと考えていたところに、
シェフが現われ、彼曰く、『アスパラガスには白ワインの中辛口が合うんだよ』
と勧められるがままに流れるが如く、自然の流れに身を任せグラスを口に運んでいました。

こちらは、クリームの濃厚なアスパラガスのスープです。
上に浮いてるものは、クルトンのようなそうでないような
味もクルトンのような物です。



手前の物が、豚肉をあげた物とハムの盛り合わせの一皿。



メインの白アスパラガス、品質は一級クラスのアスパラだそうです。
ランクが良くなると、太さが太くなるようです。
太くて、食べ応え満点でした。
この時点でかなりの満腹具合でしたが、
この後さらに、デザートが出てきて、
季節感を感じ、旬を食べ尽くしたような満足感に浸りながら家路に着きました。


たいぞー
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まだ小さなブドウ房

2009年06月18日 21時11分20秒 | ドイツの四季


撮影した時間は9時半、アスマンスハウゼンのブドウ畑より。
ドイツはかなり日が長くなってきました。
右上に見える山が、アスマンスハウゼンの有名なヘレンベルグ畑です、




まだ小さいですが、房が付き始めました。
先週はこの時期にしては少し寒かったのですが、
今週は少しずつ暖かさが戻ってきました。




小さな房の後ろに見える河が、ライン河です。


たいぞー
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横並びのワイン

2009年06月13日 22時28分19秒 | ワインについて
7月11、12、18、19、25、26日に行う
プロスト ドイツ本店での試飲会に向けて
今回担当のTが、ドイツ各地域から集めたワインをスタッフで試飲しました。

地域により異なる味わいや、ワイン醸造所による特徴など
並べて一同に試飲するとそれぞれの違いが分かりやすくなります。
試飲の順番は、辛口から甘口に移行してゆくと
最後の方まで味の違いが分かりやすいと思います。
また、1度試して違うワインを飲んだ後、またそのワインを飲んでみると
初めに飲んだ後とは、全然違った印象になることもあります。

今回の試飲会では、初めての催し物などを企画しているので
お時間がある方は、ぜひお越し下さい。
初めての方や家族連れの方など、
どなたでも気軽に楽しんでいただける
試飲会にしていきたいと思います。

たいぞー
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