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2004/04/20 17:11
人間の可能性
泣いてしまいました。
半落ちで納得いかなかった ボケ=人間の破壊 という図式をみごとにうち破ってくれました。完落ちです。
人間は、どんなときでも、そこに必要とされる居場所があれば、大きな可能性を発揮できるのかもしれません。そういう励ましを与えてくれる作品でした。
最初は年老いてボケてしまった母(義母)を何でそうなっちゃったの?といわんばかりにせめてしまいます。自身も、物忘れが激しくなってきた自分を責め続けていました。
さまざまな出来事や人とのふれあいの中で、それを受け入れて、対等に接することの大切さを知ります。そして、そのことで心が通じ合い、そして、生きていく希望と人間の可能性が見えてくるようになります。
思い出すだけでうれしくなってくる心の通い合いは、半落ちでとても違和感があった「ボケ=死」を吹き飛ばして、生きていく可能性を見せてくれました。
ハンカチの投げ合いのシーンは、とても美しいシーンでした。
親と子どもとのコミュニケーションのあり方もちょっと考えさせられました。母親が本当に苦しんでいるときに見せた子どもの優しさ、そして、子どもにもその苦しみを素直に表現できる母親はとてもいいなあと思いました。これも対等に正面から接したからこそなのでしょう。
現実ははそんなんじゃないと言う意見も聞きました。確かにそうかもしれないと思いつつ・・・でも、そうやって苦労している人たちへの励ましでもあり、希望としてこの映画は力を発揮しているのではないかと思います。
つらいだけの映画なら、観るのもつらいですもんね。
原田美枝子さんってすごい!魅力的だしね。自転車をすっ飛ばすところがとてもいい。強い意志を感じる。