純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

日本酒度ー15って・・・山陰東郷 生もと強力25BY

2014年11月26日 | 純米酒


鳥取の福羅酒造さまが醸す

山陰東郷 紺ラベル 生もと強力純米原酒H25BY

 原材料: 米・米麹
 酒米: 強力(鳥取県三朝町産)
 精米歩合: 65%
 アルコール度: 18度
 日本酒度: -15.0
 酸度: 2.7
 酵母: 協会6号


「完全発酵」を合言葉に

ボーメ(日本酒度)をキッてこそ価値がある

そんな酒造りをしてきた福羅杜氏(兼蔵元)が

こんな暴挙にでるとは???

私は想像だにしていなかった


日本酒度 -15

のインパクトは凄い!


しかし私は最初この酒を

数字を見ずに先入観念なしに利いた

その評価は・・・

「なんでやねん?」これが最初にでた言葉。
25BYなのに5年ほど熟成したような達成感のある甘味と旨味、
相反して生もとの香りに呼応して寄り添う柑橘系の若い酸味。
面白い酒やわぁ。
6号酵母のせいかなぁ。
よくよく眼を凝らして日本酒度を見ると「マイナス15」って?何?
燗では当然、より甘く感じるのだが、
酸も余計にたってくるのでキレがある。
これには、細君が食いついた。
「私好みのアルコール臭が立たない旨味たっぷりの日本酒、最高やわぁ」 
その日の夕食のハンバーグとジャストフィット!
細君イチオシの酒になる(笑)


ただ当然のことながら

福羅酒造さまへは問い合わせが殺到したそうだ


24BYの「生もと強力 紺ラベル」も

25BYと同じ6号酵母で醸し

日本酒度は「+1」であったが

常温で利いたときの違和感があった

「イマイチ重い・・・キレない・・・掴みどころがない」

しかし燗につけると「見違えるようにキレが良くなる」

不思議な酒質だと私は感じていた

この酒質をもっと推し進めたのが

25BYになるのだろう

福羅杜氏が何か意図するところを

体現するための過程が24BYであって

突き詰めたのが25BYの酒質になったということか

と思う



そんな福羅杜氏のこの酒に対する見解は以下でご確認ください

福羅杜氏の言葉 ←クリックするとpdfファイルが開きます

pdfファイルが見れない方はこちら↓



ただ

こんな酒質の酒も勿論ありだと思っています

「甘くて、旨くて、キレる」

面白い!・・・実に面白い!

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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いいですね。勉強になります。 (久田)
2014-11-26 22:00:38
赤松さん お疲れさまです。なかなか一般の者は、見ることのできない詳しい資料を、見せてもらって、ありがとうございます。数値では、はかれない 日本酒の奥深さを 感じさせられました。自分も、辛口が好きだけれど、このお酒は甘口でも好きだなぁ…と感じる事も、多いです。最初に見るデータより、自分が好きか嫌いかで、判断したいものです。
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久田さんへ (ドンファン)
2014-11-27 09:13:13
発酵の知識に長けている久田さんだからこそ、福羅さんの意図を理解できるのじゃないかと思います。一般のかたがこの資料を読んでもチンプンカンプンかもしれませんね。
数字より自分の感応が大事だと、私も思います。お酒は嗜好品ですからね。
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