「日本酒の香りについて」
日本酒には特有の香りがいくつもあります。
今回は利き酒する時にも官能評価されることが多い代表的な香りを挙げてみます。
【吟醸香】エステルが主成分
「酢酸イソアミル」:バナナ様の香り。酵母発酵中生成。不飽和脂肪酸が多い条件下で抑制される。
「カプロン酸エチル」:リンゴ様の香り。酵母発酵中生成。
【清酒の基調香】
「エタノール」:酒類の主成分。活性炭を大量使用した場合に、刺激の強いアルコール臭となる。
「バラ」:甘い花様のにおい。酵母が発酵中に生成。精米歩合高く、発酵温度高いほど生成
「高級アルコール」:フーゼル油臭。ホワイドボードマーカー様の香り。精米歩合高く、発酵温度高いほど生成。
「アセトアルデヒド」:木や草、青りんごを連想する軽いにおい。アルコール添加酒に多い。
「4-ビニルグアイアコール」:純米酒などでみられる燻製や香辛料を連想する香り。米のフェラル酸を麹菌酵素が変換して生じる。または野生酵母や乳酸菌などが変換する。
【老香(ひねか)・生ひね香・熟成香】
「イソバレルアルデヒド」:生酒を常温貯蔵した時の刺激的におい。老香の構成成分。イソアミルアルコールの酵素的酸化で生成。長期貯蔵酒ではロイシンのストレッカー分解で生じる。
「木の実様」: ナッツのような香り。熟成中のメイラード反応による。
「カラメル」: 清酒を貯蔵すると生じる甘いにおい。スレオニンの分解やメイラード反応による。
「蜂蜜」:ソトロン・イソバレルアルデヒド・メチオナールなどの清酒中のバランスにより生じる。
「ドライフルーツ」: プルーンや干しブドウを連想する香り。ソトロン由来。
「糖蜜」:糖蜜・黒糖を連想するにおい。主としてソトロン由来。
「醤油」:ソトロン由来の甘い醤油の様なかおり。アミノ酸、糖によるメイラード反応由来。
「老香」:清酒の貯蔵、流通過程で生じる酸化、劣化したにおい。アミノ酸関連代謝物分解による。イソバレアルデヒド・ポリスルフィドが主成分。
「生老香(なまひねか)」:生酒の貯蔵、流通過程で生じる酸化、劣化したにおい。イソバレルアルデヒドが主成分、ほかに麹、ポリスルフィドなどの特性混合。
「ポリスルフィド」:たくあん様のにおい。老香の構成成分。含硫アミノ酸メチオニン代謝に関連して生じる
【その他の不快な香り】
「酢酸エチル」:過剰だとセメダイン様のにおいになる。エステル成分。清酒酵母や産膜酵母より生成。
「木香」:樽酒のにおい。嗜好がでるにおい。
「穀類様」:白米や餅様のかおり。
「糠」:原料米の酸化によりチアミン分解物や脂肪酸分解物による。
「麹」: 製麹後半にリノール酸が麹の酵素により酸化分解されてキノコ様の香りになる。
「甘臭」:水飴の様なにおい。4段仕込みの清酒や老ねた麹を使用した清酒に現れやすい。
「日光臭」:清酒が日光に当たって発生する獣臭。トリプトファンやメチオニンの分解による。
「酵母様」:酵母や清酒の澱のにおい。オリ臭。酵母が新鮮な場合、硫化水素臭。酵母が自己消化するとチアミン分解による肉汁やポリスルフィドのにおいを感じる。
「硫化水素」ゆで卵。温泉の香り。もろみや火入れしたばかりの清酒で感じるが、市販品では感じることはまれだ。
「メルカプタン」:玉ねぎやガスのにおい。熱、光によるメチオニンの分解によるメチメルカプタンが主。
「DMS」:青のりやコーンスープを連想するにおい。古米を使用した清酒に多い。
「ゴム臭」:含硫アミノ酸分解による硫化物様のにおい。
「カビ臭」:ワインのコルク臭と同じくカビくさい香り。吟醸酒など活性炭使用量が少ない酒で問題となる。器具などがカビに汚染されたことによる。
「紙臭」:カビ臭にも似ているが、口中香として把握される紙のにおい。ろ過の際の濾紙由来。
「樹脂臭」:プラスチックを連想するにおい。紙パック臭とよばれていたが、現在のポリエチレン素材の紙パック製品で臭いが付くことはなくなっている。
「ジアセチル」:いわゆる「つわり香」。バターやヨーグルトの様な香りで、乳酸菌による汚染が考えられる。
「脂肪酸」:吟醸酒の一部でみられる油・樹脂様のにおい。脂肪酸合成系を変異させた酵母ではカプロン酸エチルが増加する一方で、その前駆物質であるカプロン酸が増加する。
「酢酸」:酢のにおい。酵母発酵中に過剰な通気や醪が空気と接触する面積が大きい場合増加しやすい。乳酸菌等の汚染の場合もある。
「酪酸」:銀杏、チーズ様のにおい。火落ち菌の汚染。柿渋からの移行も考えられる。
「イソ吉草酸」:納豆様も汗臭いにおい。麹の枯草菌汚染。
以上、独立行政法人酒類総合研究所「清酒のにおいとその由来について」を参照し、日本酒の香りの一部を紹介しました。
それでは「カラメル」「醤油」「糖蜜」「ナッツ」などの香りの熟成香を持つ日本酒を紹介します。
「諏訪泉 純米酒(兎ラベル)」
アーバンスタイルな熟成酒。
黒糖にナッツの香ばしさが混じる熟成香が強めにある。まろやかに練れた旨味がはんなりと口中に広がって非常に心地よい。後半には檸檬のようなフレッシュな酸が跳ねるように立って独特の存在感がある。はんなりとして、爽快でスタイリッシュな酒質。
燗につけると、旨味と酸のバランスが良く、呑み飽きしない落ち着いた燗あがりする純米酒だ。
日本料理はもとより、味わいの濃い中華やイタリアン、チーズ料理などとも合わせ易く、安心・安定の食中酒だ。
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