純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

生もと強力のお酒・・・いいね!

2013年12月28日 | 純米酒
一般的な造りの「速醸もと」は

人工的に乳酸を添加しその酸で

酵母を他の雑菌から守る


それとは違い

蔵付きの自然界の乳酸菌を取りこみ

その乳酸菌の生成する酸で

酵母を守りながら

純米酒を醸す技術・・・

これを「生もと仕込み」という


簡単にいえば

こんな感じだが

実際には

酒母の中に自然界の乳酸菌や硝酸還元菌が順繰りに発生しない場合

腐造の危険性があるし

また山卸し(櫂で酒母を摺る作業)などの大変な労力と時間と技術を要するので

蔵人さん方は大変なのだ


ただ出来あがった純米酒はその苦労に見合うだけの酒になる


特徴的には

「速醸仕込み」に無い爽やかな酸とキレ味をもつ純米酒になる

もちろんガンガンに温めても

燗冷めしても

熟成させても

へこたれずに美味しい (笑)


そんな「生もと造り」の純米酒が入荷してきた


山陰東郷 生もと強力純米原酒(紺ラベル)23BY

最初は「呑みきり会」で利いた。其の時のアタックは「生もと」らしい乳酸系の酸と柑橘系の酸が、スッキリきれいで、キレるタイプだなぁ・・・と思っていると、其のあとに鈍重だが薄い旨味が押し寄せてきて酸を打ち消し、少し重いなぁ・・・と感じた・・・なんとも不思議な感覚・・・軽快な酒か重い酒かずっと気になっていたので仕入れてみた。
結論、やっぱエエやん!燗あがりする酒やわぁ。燗につけたら強力米の旨味爆発、酸がキレキレ、日本酒度+1って信じられないほど辛口に感じる。面白い酒やわぁ。6号酵母のせいかなぁ。

辨天娘 生もと強力純米24BY

強力米を生もとで醸すと、かくも剛健な酒ができるのか、凄い!生もとの爽やかな乳酸と強力の剛健な酸との出会いが相乗的に活きている。24BYだけに渋くて苦いが、旨味もバッチリ!生もとづくりの王道を行く純米酒だ。
もちろん燗で呑まなきゃ話にならない。熱く(70度程度)して、よ~~く苛めながらね。1週間以上の放置プレイや燗冷めした翌日のを呑むのも良し!

日置桜 鍛造生もと強力23BY

雑味の要因である蛋白質の含有量6%代という驚異的な低さを誇る内田さんの強力米だからこそできる精米歩合80%のきれいな純米酒。洗練された柑橘系の酸と旨味には言葉にできない幸せ感があり、気品さえ漂う。なんといっても、このお酒、日置桜の呑みきり会で私は最高点をつけたのだ!それ故に思い入れがある酒なのだ。(笑) うまいよぉ。ぜひとも味わっていただき「生もと」の爽快さを知ってほしい。熱めの燗で酸と旨味の輪郭がくっきり!

詳しくは当店ホームページへどうぞ

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