珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

母が旅立ちました

2014年09月27日 | 母のこと

今月19日、母が旅立った。

最後の10日間程は、肺の機能が低下していたのだろう、

息遣いが荒く苦しげで、見ているのが辛く、早く楽になってほしかった。

それなのに、母の呼吸が止まりかかると、

「母さん、息して!もう一度頑張って!」と必死に呼びかけてしまう。

それが聞こえるのだろうか、そのたび、母は苦しげに息をする。

母を苦しめているだけなのかも知れないのに、呼びかけずにはいられない。

それを繰り返しながら、脈の間隔がだんだん長くなっていく。

そして、遂に消えてしまった。

偶然なのか、父のお墓で、「早く母さんを迎えに来て」と祈った翌々日だった。

 きっと迎えに来た父に手を取られて、真っ直ぐ前を向いて行ったと思う。

弟が涙ぐみながらぽつんと言った。

「今日は俺の誕生日だ」 

本当に、そう言われればそうだ。

父は、この日を選んで迎えに来たのだろうか。

何だかそんな気がする。

 

葬儀は家族葬で行った。

何もいらないから、お花を多めにして下さいとお願いした。

弟と私の家族、ごく近しい親戚、母のお友達、それだけのつもりだったけれど、

弟の職場のお友達が何人も来てくださり、思いのほかにぎやかになった。

何よりも、弟が職場で皆さんと良い関係を築いていることが よくわかって

母も安心したことと思う。

出棺の時は、タバコをひと箱、おやつにピザを一切れ、りんご、みかん、

父へのお土産にアンパンを入れた。

後で思いだすと、まるで遠足のようで、少し可笑しい。

葬儀屋さんの方が、

「美人さんだったでしょう?こんな綺麗なお顔のご遺体は久しぶりですよ」

と言ってくださった。

その言葉は、母に聞こえただろうか。

子供や孫に見守られ、たくさんの花に飾られて、母は旅立った。

とてもささやかな葬儀だったけれど、私たちは満足だった。