昨年末、30日に夫がお隣に回覧板を持って行ったら、
「隣が空き家になってるぞ」と言いながら帰って来た。
え?まさか~と半信半疑でベランダから見たら、
いつも締めている台所の窓しか見えなくて、よくわからない。
「ほんとなの?留守なだけじゃない?」
疑わしげに言うと、
そうかと思って、次のお宅へ回覧板を持って行って聞いてみたら、
「そう言えば、昨日引っ越ししてたみたいですよ」
と言っていたそうだ。
それなら間違いないわね。
夜、そのお宅が明かりをつけるより、我が家がカーテンを閉める時間の方が早いから
いないことにも気づかなかった。
急にいったいどうしたのかしら?
といっても、ご当人達にしたら急でも何でもない、決めていたことなのだろう。
ピカピカの新居でお正月という計画だったのかも知れない。
15年ほど前、我が家の裏の家も、ある日突然空家になった。
月末に、新聞やらヤクルトやらの人が集金できず、困って、隣近所を聞き歩いていた。
所謂夜逃げだったのだ。
個人情報保護法などというものはなかった時代だ。
我が家にも次々と訪ねてきた。
でも、お付き合いが殆どなかったので、
どこへ行ったか知りませんか?と聞かれても、何も知らない。
一方、彼らも必死だから、あっさりとは引き下がらない。
「ほんとうに知りませんか?」と、繰り返す。
「○○さんの転居先も、連絡先もわかりません」と
玄関に張り紙しようかと思ったくらい迷惑だった。
もし、多少のお付き合いがあったとしても
夜逃げするのに連絡先を教えて行くわけがないよね。
最近は、夜逃げじゃなくても、黙って引っ越ししていくことが多いらしい。
20年も仲良くお付き合いしていたご近所さんが、ある日突然黙って引っ越しして行ったと、
知り合いの奥様が憤っていたことがある。
我が家のお隣さんは、2年も住んでいなかったと思う。
入居したときはご挨拶に見えたけれど、奥さんもご主人も、顔が浮かばない。
子供がいたかどうかもわからない。
そんな関係でご挨拶がないのは、かえって面倒がなくて良いのかも知れない。