韓国時代劇ドラマ『不滅の恋人』は、15世紀の朝鮮王朝に実在した
首陽(スヤン)大君とその弟・安平(アンピョン)大君の対立を
モチーフにしつつ、その対立構図の中に1人の女性を加えたことで
ラブストーリー的な要素を軸にしながら展開していく史劇ロマンス。
『オクニョ』で日本でも有名になったチン・セヨンは、昨年10月と
今年6月に日本でファンミーティングも行っている。
そんな彼女が、ふたたび韓国時代劇でヒロインを演じていることも
あって、視聴しているファンも多くいることだろう。
ただ、チン・セヨンが『不滅の恋人』への出演を決めるまでは
紆余曲折も多かった。
『オクニョ』主演前も、2012年には『カクシタル』と『蒼のピアノ』、
2014年には『感激時代』と『ドクター異邦人』など、近代劇に
ラブロマンス、ロマンチックノワールに医療ドラマと、さまざまな
ジャンルの作品に出演してきた。
ただ、そんな彼女であっても『オクニョ』の撮影は過酷だった。
初めて本格的な時代劇だったうえに、メガホンをとったのは
“韓国時代劇の巨匠”とされるイ・ビョンフン監督だ。
イ・ビョンフン監督が手掛けてきた韓国時代劇はセリフが長く、
重要場面ではロングテイクで撮ることで有名で主演クラスになると
徹夜続きとなるが、そのような日々が『オクニョ』では7カ月間も
続いたこともあって、心身をリフレッシュさせる必要があったという。
「当分、時代劇はやらない」と思っていたそうだが…
「実際、『オクニョ』の撮影が終わったあと1年ほど空白期間が
あったと思います。その間、自分が演じたいキャラクターは何かと
いうことをたくさん考えたのですが、そのときにいただいたのが
「大君(テグン)愛を描く(不滅の恋人の原題)」の
シナリオだったのです」
そのシナリオを初めて読んだとき、チン・セヨンは劇中ヒロインである
ソン・ジャヒョンというキャラクターに強く惹かれたという。
現代劇であってもソン・ジャヒョンというキャラクターは魅力的でした。
まるで小説を読むようにシナリオの世界観にどっぷりと入り込んで
しまったのも初めての経験でした。以前から明るいキャラクターを
演じたいと思っていたのですが、ソン・ジャヒョンがまさに
それだったのです」
こうして『不滅の恋人』への出演を決めたチン・セヨン。
韓国で2018年2月27日に行われた『不滅の恋人』制作記者会見でも、
「これまでとは違う、明るく溌剌とした姿を見せられるキャラクターが
魅力」と言って笑顔を見せていた。
「オクニョとの違いがあるとすれば身分ではないでしょうか。
オクニョは獄中で生まれ育った人物ですが、ジャヒョンは
両班(ヤンバン:貴族)の娘であり、“絶世の美女”という設定。
オクニョの衣装は綺麗な絹の韓服ではありませんでしたが、
ジャヒョンは綺麗な衣装をたくさん着られることも嬉しいです」とも
語っていたチン・セヨン。
『オクニョ』とはまた違ったキャラクターを見事に演じ、韓国では
「チン・セヨン『オクニョ』→『テグン』で証明した
時代劇クイーンの真価」(『ニュース1』)と評価されるまでに
至った理由を、チン・セヨンファンの方々にはこれからまた
じっくりと確かめていただきたい。
(慎武宏 /スポーツソウル日本支社長)