会社の飲み会で深夜に帰宅したサンフン(イ・ソンミン)。引っ越したばかりのマンションの中庭から悲鳴が聞こえたためベランダに出て下を見ると、女性が男性に殴り殺される場面を目撃してしまうのです。殺人犯はサンフンの部屋の明かりに気づき、サンフンの部屋の階数を指で確認しています。翌朝、警察による目撃情報の聞き取りがはじまりますが、マンションの真下で起きた事件にも関わらず、証人は1人もいません。サンフンも家族が事件に巻き込まれることを恐れ知らないふりをしますが、殺人を目撃したサンフンは次の標的になってしまうのです。
妻と子供がいてマンションを購入したばかりの主人公がある殺人事件を目撃したことで、日常生活が一変し、殺人犯から攻撃される恐怖が描かれた映画です。
サスペンス映画ですが、内容的には派手さはありませんが、随所に音響効果でドキッとするシーンがあり、ここは韓国映画だなぁと感じる怖さがありました。
マンションの中は他人のことには干渉しないという住人ばかりで、婦人会の会長から今回の事件に関し一切警察に協力しないという同意書の署名を頼まれるところにはビックリです。ふつう人が殺されたら協力するのが道理なのに住人たちはマンションの値段が下がってしまうという理由で署名します。サスペンス映画ですがこっちの方が恐ろしいと思いました。
また、何度も警察に通報する機会があったのになかなか通報しないサンフン(イ・ソンミン)にもイライラ腹立たしいのですが、やっと勇気をもって通報したサンフン。ところが、その警察のいつものことながら犯人を逃がしてしまうような無能でお粗末な警察で全く不愉快でした。この後犯人はサンフンの通報を知って妻と子供がいるサンフンの家に向かうのです。一番恐れていたことが起こりますが、終盤、サンフンが犯人と戦う勇気と人としての振る舞いに感動します。
そして、「都会人の他人には無関心」という、この映画が一番伝えたかったラストシーンに悲しみと憤りが倍増する物語でした・・・