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佐世保入り〜護衛艦「あきづき」体験航海

2017-02-16 | 自衛隊

「あきづき」DD-115 は2012年3月14日に就役した
現在のところ最新型の汎用護衛艦です。

2年後には「あきづき」4番艦である「ふゆづき」が就役し、
その引き渡し式に(ちなみに大雨)出席させていただいたわたしは
当ブログにその記事を上げるに当たってすでに就役中の「あきづき」の
諸元ディティールを含めて参考にして書いたため、
全く乗ったことがないにもかかわらず結構詳しかったりするわけですが、
今回は初めてその「あきづき」に実際に乗艦してまいりました。

と言いますのも、佐世保から長崎の三菱造船所に入渠する前に
主に隊員の家族のために一般体験航海を行うことになり、それを
当ブログコメント欄でおなじみ鉄火お嬢さんのお誘いにより、
光栄にも同行させていただく運びとなったのです。 

時節柄か、一般募集せず、身内と乗員の招待客だけでアットホームに?
行うという趣旨の体験航海であったようですが、鉄火お嬢さんは
2週間前に艦長直々のご招待を受けたということでした。

 

その後、護衛艦の乗艦名簿の作成のため、わたしたちは
官姓名ならぬ本名と生年月日の提出を余儀なくされました。
鉄火お嬢さんが苦衷の思いで両名の生年月日をメールしたところ、
艦長からのお返事は、 

 「防衛秘密以上に保全を要する事項を知り得てしまい緊張しております。
徹底した保全対策をとり、私の脳細胞から消去しますのでご安心ください(笑)」

緊張してると言いながら、なぜ(笑)をつける、艦長・・・・・・。

さて、バレンタインデー前後の日程だったため、鉄火お嬢さんに
艦長とみなさんにプレゼントするチョコレートの調達をお願いし、
(こういう時、このような贈答習慣はなんだかんだ言ってありがたい)
前日に佐世保入りすることにしました。

佐世保に飛行機で行くには長崎か福岡のどちらかから、となるわけですが、
どちらからもそこそこ遠いので、今回は今まで使ったことのない
長崎空港から入ることにしました。 

 

羽田からの使用機は新型の電子カーテン搭載でした。
ボタンを押すと中間層のエレクトロミックジェルが電気化学作用を起こし、
電圧を加えるとジェルが暗転、電荷を取り除くと元の透明な状態に戻る仕組み。

反応が遅いので、慣れるまでは一挙に3段階くらい押してしまい、
暗くなりすぎたり明るくなりすぎたりします。

この写真は1段階シェードをかけているので青みがかって見えます。 

予約しておいた乗合タクシーで長崎空港から約50分、佐世保駅前に到着。

バスを降りたら道のすぐ向かいに自衛艦がいてびっくりしました。

艦番号4303というのに全く心当たりがなく調べてみたら、
多用途支援艦「あまくさ」だったことが判明しました。

この多用途支援艦って何か?と言いますと、
標的の曳航含む訓練の支援、自走不可能になった艦の航行の支援(つまり曳航)、
消火、救難、物資輸送など多用途の支援を行う役目の艦です。

大きな1本煙突がありますが、例えば「ましゅう」クラスの大きな艦艇も
曳航できるだけの馬力を持っていることと関係ありそうですね。
(ってことは、『大和』も引っ張れる?)

「あまくさ」は「天草四郎」ではなく、「天草灘」から取られています。
「ひうち」型は、「燧灘」「周防灘」「玄界灘」と「灘」が命名基準です。

どうして「あまくさ」が道路脇にいたのかはわかりませんが、
遠目に舷門には女性自衛官が立って見張りをしていました。

佐世保って、こんなに自衛艦が近くで見られるんですね。

さて、佐世保といえば佐世保バーガー。

他のバーガーと何が違うのかはわからないままに、
すっかり有名になってしまったご当地グルメです。

佐世保駅前に到着したので、ホテルにチェックインする前に
ログキットという前回佐世保バーガー初体験をしたお店で
お昼がわりに食べてみることにしました。

この看板から顔を出せるのは多分3歳以下の子供だけだな。

驚いたことに、この普通より大きなバーガーがハーフサイズ。
レギュラーはこんなんアメリカ人でも食べんわ!というくらいの巨大サイズです。 

巨大バーガーのエキスパート食べ方モデルは米海軍のかた?

基本はとにかく「押さえつける」ことみたいですが、
わたしはそれをたった今知りました。

5、お皿に残ったソースや具は指ですくって味わう これが本場アメリカ流!

これも今初めて知ったような気がするな。
おまけに海軍軍人お皿舐めさせられてるけど、
いくらアメリカ人でもこんなことしないっちゅーの。 

まあ、押さえつけなくても普通に美味しかったです。 

ちなみに息子は前回ここで食べたバーガーがよっぽど気に入ったらしく、
わたしが佐世保に行くというと買って来て!と言い出しました。
当初わたしは三菱造船所の場所を全く把握しておらず、佐世保から出航して
佐世保に帰って来ると思い込んでいたので、鉄火お嬢さんに

「艦から降りたら佐世保バーガー買って帰れるかな」

などと言って

「大丈夫ですか?佐世保出たらもう帰って来ませんよ?」

と呆れられたわけですが、なんと帰りの長崎空港のレストランで
こんなわたしのために佐世保バーガーをテイクアウトできることが判明。

その日の夕食後に息子は空輸したバーガーをペロリと食べて曰く

「美味しかった。前に食べたのほどじゃないけど」

それからホテルにチェックイン。
前回の佐世保訪問の際、小高い丘の上にホテルらしきものを見つけ、
このブログで書いたところ、「弓張の丘ホテル」だと教えていただき、
今度来た時には是非、と思っていたのですが実現しました。

佐世保駅前からはタクシーで1800円。
地図で見る距離は大したことはありませんが、山道を上がっていったところです。 

「佐世保では一番いいホテル」

だとタクシーの運転手さん。
ここで結婚式を挙げるのが佐世保の恋人たちの憧れだったり?

鐘といえば長崎。
その鐘がなんとプールの前にあります。

ガーデンプールウェディングが売りなのね。

飾りではなく、実際に夏場には泳げるようで、シーズンオフで
閉めていましたがプールバーらしき窓もありました。 

ティールーム兼バーからの眺めもこの通り。
こんな絶景のホテルはどこにもそうそうないでしょう。

平日のオフシーズンなのでホテルズドットコムでも安く取れたのですが、
そのせいで客の割合が
半分以上中韓からの観光客となっていました。

このティールームでは、iPadの映像を音声付きで
ガンガン流して見ている韓国人男性が二人いて、
しかも声がうるさいため、わたしは早々に部屋に引き上げました。

冒頭写真は部屋から「模型風モード」で撮った佐世保の街ですが、
このモードでホテル近辺の山を撮るとこの通り。

 

普通に撮るとこんな感じです。
宿泊客が少ないせいか、「夜景コース」を選んだら、
一番端の部屋にしてもらえました。

地上を首を振りながら歩いていた鳥さん。

わたしが「夜景コース」を選択したのは、こちらにすれば
こんな景色が見えると確信したからです。

まずこちら。
艦番号48・・・・?
はて、しかも面妖な形の・・・。
あ、ということはこれはアメリカ海軍のフネか。 

どうやらこれ、

ドック型揚陸艦「アシュランド」(USS Ashland, LSD-48)

みたいです。

(当初ミサイル巡洋艦「ヨークタウン」(USS Yorktown, DDG-48/CG-48)
と間違えていたのですが、こちらはもう引退していました)

ちなみに細部を拡大して見ると、錨が金色でした。

金色の錨は生まれて初めて見たような気がします。 

空母にしては甲板が狭い気もするぞ?
正解は、

強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」(USS Bonhomme Richard, LHD-6)

いやいやいや、これ強襲揚陸艦なの?
「いずも」よりどう見てもでかいんですけど。

昨年の夏、ロングアイランドで元強襲揚陸艦を改造したフェリーに乗りましたが、
フェリーになるくらいで結構単純な作りでした。
今アメリカさんはこんなもので揚陸しちゃうわけか。

ここからはハッチが少し見えていますが、ここからエアクッション艇など、
舟艇がダーっと降りてきて、人員を揚陸してしまいます。
しかも甲板には昔と違って航空機がてんこ盛りできるというね。

ちなみにてんこ盛れるのは次の通り。

セット1

AH-1W スーパーコブラ攻撃ヘリコプター、UH-1N ツインヒューイ汎用ヘリコプター、
CH-46 シーナイト・CH-53E スーパースタリオンなど大型輸送ヘリコプターを最大42機

セット2

ヘリコプター最大30機およびAV-8B ハリアーIIV/STOL攻撃機6-8機


アメリカがここに「ボノム(いい人)リシャール」を配したのは、
はっきりと尖閣対策で中国に対する威嚇だと言われていますね。
佐世保にやってきたのは2016年の夏ということですが、これは
安倍政権になってオバマ政権との間で日米同盟が強化されてから
もっとも直接的な同盟の「証」だったかもしれません。 

 

ところで、アラメダでなんども見学した「ホーネット」の
見学ツァーのガイドをしていたイケメンおじいさんは元パイロットで、

「ボノムリシャールに乗っていた時日本に行ったよ」

って言ってましたっけ。
先代の空母だった「ボノム・リシャール」のことなのですが、
その後継は尖閣を守るため(って言っちゃう)今佐世保にいるわけ。

このイケメンおじいさんと話をしたのが2016年の8月。
そう、偶然「ボノム・リシャール」が佐世保に来た時だったということになります。



この2隻は疑いようもなく我が自衛隊の艦艇。
なぜわかるかは自分でもわからないけど、わかってしまう。
門前の小僧習わぬ経を読むとはよく言ったものです。

手前は

補給艦「はまな」 JS Hamana、AOE-424

向こうは

護衛艦「はるさめ」 JS Harusame, DD-102 

というわけで、一つの岸壁を仲良く日米で使用していることを初めて知り、
改めて高いところにホテルを取った甲斐があったと思いました。

赤レンガ倉庫が夕日に照らされています。
これらは全て佐世保に鎮守府があった頃建てられたもの。 

全て米軍基地の敷地内にあるそうで、彼らは建物の物持ちがいいため、
この煉瓦倉庫もちゃんと補修して現役で使い続けているそうです。

まあわたしは日本の手に渡った途端、建築基準法や耐震強度、何より
維持管理費の問題から手に負えなくなって解体してしまうことが目に見えているので、
このままアメリカ軍に持っていてもらいたいと思っていますが。 

それにしても米軍基地の一般解放があったらいつかは行ってみたいなあ。

望遠レンズであちこち覗いていて、遠くに護衛艦を見つけました。
お?これはもしかして・・・

倉島岸壁に繋留されている「あきづき」さんではないか!

艦長からのメールに「岸壁を間違えないように」とあり、
佐世保をよく知らないわたしとしては結構緊張していたのですが、
部屋から簡単に位置確認ができてしまったぜ。

「あきづき」さん、明日はよろしくね。


続く。