皆様、明けましておめでとうございます。
今年も精進して参る所存ですので、何程ご指導ご鞭撻の程をよろしくお願いします。
今年も精進して参る所存ですので、何程ご指導ご鞭撻の程をよろしくお願いします。
と、型通りの挨拶ですが、旧年中に終わらなかった、
令和三年度年忘れお絵描きギャラリーの残りを、年初めということにして、
今年最初のブログとさせていただきます。
令和三年度年忘れお絵描きギャラリーの残りを、年初めということにして、
今年最初のブログとさせていただきます。
いわゆる東宝のSFシリーズを扱った当ブログ記事を読み返すと、
自分がつくづくこういう映画を愛しているのだなと感じます。
その気合の入り具合は、たとえばタイトル画が他のつまらない映画より
格段に手がかかっていたり、映画の細部の「重爆の隅」に至るまで
執拗に突っ込まずにいられなかったりという姿勢に表れています。
自分がつくづくこういう映画を愛しているのだなと感じます。
その気合の入り具合は、たとえばタイトル画が他のつまらない映画より
格段に手がかかっていたり、映画の細部の「重爆の隅」に至るまで
執拗に突っ込まずにいられなかったりという姿勢に表れています。
この「妖星ゴラス」もその意味では心から楽しんで制作した映画で、
今後これに匹敵するほど気合を入れられる作品が出てくるだろうか、
と、どうでもいい心配をしてしまうくらいです。
今後これに匹敵するほど気合を入れられる作品が出てくるだろうか、
と、どうでもいい心配をしてしまうくらいです。
何がそんなにわたしを惹きつけるのかというと、何といっても
東宝スターシステムによる「いつものメンバー」の魅力と、
決して真面目に疑問を持ってはいけない、特殊な世界線でのみ通用する科学理論、
隠しきれない当時の映像技術の限界に対する、汲めどもつきぬ興味からでしょう。
世にはコアな特撮映画専門のファンがいるそうですが、
わたしにはその心理が少しだけわかるような気がします。
もちろんそういうファンと同じ視点から特撮を見ているとは言いませんが。
さて、この映画は、1962年という高度成長真っ只中の、
東京オリンピックを間近に控えた頃撮影されたものであり、
さらにそこから17年後の「近未来」が舞台となっています。
東京オリンピックを間近に控えた頃撮影されたものであり、
さらにそこから17年後の「近未来」が舞台となっています。
映画に描かれた1979年の日本では、人類はさらに宇宙へと活動の場を広げており、
例えば日本には宇宙省ができており、宇宙飛行士がその辺にゴロゴロいて、
ついでに彼らは小遣い稼ぎにサンドイッチマンのバイトをしたりしています。
つまり宇宙飛行士が特別な職業でも何でもなくなっているのです。
いくら何でもオリンピックから15年で科学がこれほど発達するとは
ちょっと設定を逸りすぎたのではないかという気がしますが。
例えば日本には宇宙省ができており、宇宙飛行士がその辺にゴロゴロいて、
ついでに彼らは小遣い稼ぎにサンドイッチマンのバイトをしたりしています。
つまり宇宙飛行士が特別な職業でも何でもなくなっているのです。
いくら何でもオリンピックから15年で科学がこれほど発達するとは
ちょっと設定を逸りすぎたのではないかという気がしますが。
物語は、日本初の土星探査船が、地球の6000倍の大きさの惑星、
「ゴラス」と遭遇し、引力で吸い込まれて、探査ロケットの乗組員である、
ヒロイン白川由美と水野久美の父と恋人が殉職するところから始まります。
ゴラスは周りの物質を強力な磁力で吸い込みながら地球に向かっており、
このままでは2年2ヶ月後に激突することがわかりました。
万が一そのようなことが起これば、当然今の世界でその主導権を持つのは、
アメリカ合衆国であり、NASAだと思うのですが、この世界ではそれは日本であり、
しかもたった二人の科学者が、全ての采配を取り仕切るのです。
このままでは2年2ヶ月後に激突することがわかりました。
万が一そのようなことが起これば、当然今の世界でその主導権を持つのは、
アメリカ合衆国であり、NASAだと思うのですが、この世界ではそれは日本であり、
しかもたった二人の科学者が、全ての采配を取り仕切るのです。
もちろん地球の危機なんですから、インターナショナルな雰囲気を出すために、
映画では、何人かの外国人俳優が科学者役として登場します。
そしてその一人に、東京裁判で日本被告の弁護人を務めた
ジョージ・ファーネスが登場していることが、わたしがそもそも
最初にこの映画を知るきっかけでした。
映画では、何人かの外国人俳優が科学者役として登場します。
そしてその一人に、東京裁判で日本被告の弁護人を務めた
ジョージ・ファーネスが登場していることが、わたしがそもそも
最初にこの映画を知るきっかけでした。
ドクター・フーバーマン(ってことはユダヤ系ですね)を演じるのが、
東京裁判後弁護士として活動しながら余暇にエキストラをしていたファーネスです。
東京裁判後弁護士として活動しながら余暇にエキストラをしていたファーネスです。
本職ではないため、残念ながら滑舌も声もあまり良くないのですが、
何といっても本物の弁護士であるため、その容姿が博士役などにピッタリです。
この映画のとんでもないところは、惑星衝突を回避する方法を、
日本の一高校生が軽ーく思いつき、それが実行されるという展開にありました。
日本の一高校生が軽ーく思いつき、それが実行されるという展開にありました。
池部良演じる河野博士は、そのアイデアを実現させるため、
「南極大陸にジェットパイプエンジンを設置して、フル稼働すれば
地球の軌道を41万キロ移動させることができる」
という仮説を立て、そのことを計算式で実証して見せるのですが、
その説明のために国連で黒板にチョークで数式を書いてみせています。
監督の本多猪四郎は、東大理学部の天文学者であり、天体力学の研究者、
堀源一郎氏に「地球移動」の科学的考証を依頼し、
自身も1ヶ月近く東大で講義を受けたそうですが、
この板書は、その堀氏の直筆による計算式本物なのだそうです。
「南極大陸にジェットパイプエンジンを設置して、フル稼働すれば
地球の軌道を41万キロ移動させることができる」
という仮説を立て、そのことを計算式で実証して見せるのですが、
その説明のために国連で黒板にチョークで数式を書いてみせています。
監督の本多猪四郎は、東大理学部の天文学者であり、天体力学の研究者、
堀源一郎氏に「地球移動」の科学的考証を依頼し、
自身も1ヶ月近く東大で講義を受けたそうですが、
この板書は、その堀氏の直筆による計算式本物なのだそうです。
天体力学の中でも、惑星、衛星、人工衛星の長年運動理論の世界的権威であり、
特に1966年に発表した正準変数による一般摂動理論は、
2020年7月現在で実に390篇の他の論文に引用されている。
特に1966年に発表した正準変数による一般摂動理論は、
2020年7月現在で実に390篇の他の論文に引用されている。
大学講義の時に堀が黒板に書く理論式の文字が端正で見事だったことは有名で、
そのため、本人でなく、板書された理論式が
1962年作の東宝SF映画「妖星ゴラス」に”出演”した。(wiki)
そのため、本人でなく、板書された理論式が
1962年作の東宝SF映画「妖星ゴラス」に”出演”した。(wiki)
つまり科学的裏付けがされた専門家のお墨付き理論というわけです。
そうはいっても、地球を動かすのに南極の広範囲に、
ジェット噴射のできる重水素原子力パイプを1089本設置し、
そこから噴き出す660億メガトンのエネルギーによって地球の軌道を動かすなんて、
計算上はうまく行っても実行はまず無理な作戦です。
そんなもの地球の端っこでガンガン稼働させたら、環境負荷はかかりまくるし、
惑星の衝突は避けられたとして、今度は狂った地軸をどうやって戻すんですか、
という問題については、全く解決策がないまま話が進みます。
ジェット噴射のできる重水素原子力パイプを1089本設置し、
そこから噴き出す660億メガトンのエネルギーによって地球の軌道を動かすなんて、
計算上はうまく行っても実行はまず無理な作戦です。
そんなもの地球の端っこでガンガン稼働させたら、環境負荷はかかりまくるし、
惑星の衝突は避けられたとして、今度は狂った地軸をどうやって戻すんですか、
という問題については、全く解決策がないまま話が進みます。
登場人物の人間関係は、どうにも現実性が希薄でイマイチ共感しにくいというか、
時代のせいもあって、現代の価値観とはかなりずれているのですが、
実はこのおかしさもまた、わたしがこの時代の映画にハマる一つの理由です。
例えば、
ゴラス衝突で殉職した宇宙飛行士の恋人を忘れられない女性の部屋に押しかけ、
高価なプレゼントでグイグイ迫る、女性の高校の同級生というパイロット。
「だって死んじゃったんじゃないか」
時代のせいもあって、現代の価値観とはかなりずれているのですが、
実はこのおかしさもまた、わたしがこの時代の映画にハマる一つの理由です。
例えば、
ゴラス衝突で殉職した宇宙飛行士の恋人を忘れられない女性の部屋に押しかけ、
高価なプレゼントでグイグイ迫る、女性の高校の同級生というパイロット。
「だって死んじゃったんじゃないか」
と薄笑いを浮かべて死者(しかも自分の先輩)の写真を窓から投げ捨てる。
こんなクズ・オブ・クズ、小室系並みに良識ある人々の共感は得られますまい。
このパイロットが何かの役に立ったり活躍するということはなく、
探査船の外からゴラスを見た途端記憶を失うという役立たずぶり。
こんなクズ・オブ・クズ、小室系並みに良識ある人々の共感は得られますまい。
このパイロットが何かの役に立ったり活躍するということはなく、
探査船の外からゴラスを見た途端記憶を失うという役立たずぶり。
それから、怪獣映画の東宝作品ということで、南極に唐突に現れる
「怪獣マグマ」とやらの存在もあまりにも無理ありすぎです。
しかも、生態系も明らかにならない新種生物なのに、工事の邪魔になるからと
何の躊躇いもなく抹殺して埋めてしまう科学者とか。
そして、地球の軌道は関係者各位の尽力によって見事移動し、
ゴラスはギリギリで地球の激突を免れるのですが、
映画の見どころは、地球に再接近したときにゴラスの引力が巻き起こした
激しい海水の移動によって、首都東京が破壊されていく特撮です。
その後、水没した東京を東京タワーの上から見物する若者たちのシーンで
映画は終わりますが、水没してほぼ壊滅状態になった首都を高みの見物しながら
不気味なくらい彼らがはしゃぎまくるというのが、もう最高です。
ゴラスはギリギリで地球の激突を免れるのですが、
映画の見どころは、地球に再接近したときにゴラスの引力が巻き起こした
激しい海水の移動によって、首都東京が破壊されていく特撮です。
その後、水没した東京を東京タワーの上から見物する若者たちのシーンで
映画は終わりますが、水没してほぼ壊滅状態になった首都を高みの見物しながら
不気味なくらい彼らがはしゃぎまくるというのが、もう最高です。
そして、コメント欄でも話題になりましたが、この映画は
地球の滅亡がそこまで迫っているかもしれないのに、
登場人物が祝い合うお正月のシーンがなかなか味わい深い印象を残します。
というわけで万が一観てみる気になった方は、
お正月の雰囲気の中でご覧になることをお勧めしたいと思います。
潜水艦轟沈す 49th Parallel
Uボート乗員の国境越えサバイバルゲーム
「潜水艦轟沈す」という日本語タイトルだけで選んだら、潜水艦映画にあらず。
なんのことはない、中身はカナダに潜入したUボート乗員の逃走劇でした。
北緯49度にはアメリカとカナダの国境線が存在することから、
つまりUボート乗員が「そこまで逃げおおせれば勝ち」のゴールを意味します。
なんのことはない、中身はカナダに潜入したUボート乗員の逃走劇でした。
北緯49度にはアメリカとカナダの国境線が存在することから、
つまりUボート乗員が「そこまで逃げおおせれば勝ち」のゴールを意味します。
1941年イギリス政府協力による国策映画で、制作の背景には
その2年前に起こった、ナチスドイツのポーランド侵攻がありました。
ヨーロッパでは、ドイツはすでにこの時点で明確な敵だったのですが、
まだこの頃のアメリカ大陸では、ドイツ系移民などもいた関係で、
ナチスの脅威に対して比較的無関心だったことから、イギリスは
カナダ国民への啓蒙をするために、この映画を制作したとされています。
ところで、この項を制作したときにはあまり深く考えなかったのですが、
映画の設定では、Uボートはセントローレンス湾にまず潜入し、
そこで民間船を撃沈しています。
セントローレンス湾はセントジョンズ、プリンスエドワード島、
ノバスコーシアなどに囲まれた内海のように見える湾で、
大西洋からは簡単に侵入できます。
セントローレンス湾からなら、メイン州を目指せば、
彼らが陸路を通ってアメリカに侵入するのは簡単だったのですが、
彼らはいろいろあって結果的に国内を西へ東へ徒歩でうろつくことになります。
なぜそんな苦労を強いられることになったかというと、彼らは
最初の段階で空爆によって潜水艦と乗員のほとんどを失ってしまったため、
やむなく行き当たりばったりに犯罪を犯しながら迷走を始めたわけです。
彼らはいろいろあって結果的に国内を西へ東へ徒歩でうろつくことになります。
なぜそんな苦労を強いられることになったかというと、彼らは
最初の段階で空爆によって潜水艦と乗員のほとんどを失ってしまったため、
やむなく行き当たりばったりに犯罪を犯しながら迷走を始めたわけです。
この状況設定に対して、わたしが一言言わせてもらいたいのは、
いかに国策映画としてナチスのヤバみを訴えるのが目的だったとはいえ、
切羽詰まった状態の一部のドイツ人(たった6名)の犯罪行為をもって、
これがナチスである!国民よ目覚めよ武器を取れ立ち上がれ、
という啓蒙の材料にするというのは、ちょいと不公平ではないかってことです。
いかに国策映画としてナチスのヤバみを訴えるのが目的だったとはいえ、
切羽詰まった状態の一部のドイツ人(たった6名)の犯罪行為をもって、
これがナチスである!国民よ目覚めよ武器を取れ立ち上がれ、
という啓蒙の材料にするというのは、ちょいと不公平ではないかってことです。
戦後、本作品のドイツ国内でのテレビ放映を、頑強に反対する声があって
実現しなかったというのも、一部のナチスの創造された犯罪をもって
ドイツ人全体をディスる、ストローマン理論的啓蒙映画そのものに、
不快感を覚える人が少なくなかったということじゃないんでしょうか。
実現しなかったというのも、一部のナチスの創造された犯罪をもって
ドイツ人全体をディスる、ストローマン理論的啓蒙映画そのものに、
不快感を覚える人が少なくなかったということじゃないんでしょうか。
それに、これはあくまでも「感じ」ですが、映画「Uボート」「眼下の敵」でも、
海軍、ことにUボート乗員にはゴリゴリの親衛隊員は多くなく、
デーニッツはともかく、ヒトラー信奉者って現場にはあまりいなさそうですし、
そもそもこのヒルト大尉みたいなのは特別だという気がします。
海軍、ことにUボート乗員にはゴリゴリの親衛隊員は多くなく、
デーニッツはともかく、ヒトラー信奉者って現場にはあまりいなさそうですし、
そもそもこのヒルト大尉みたいなのは特別だという気がします。
まあ、それも国策映画ならではってことなんでしょう。知らんけど。
さて、Uボートを破壊され、生き残った六人は、あたかもサバイバルゲームのように
逃走の段階で一人、また一人と欠落していくわけです。
その際、協力しあってこの難関を打開すべき仲間同士で、
手段を巡る意見の食い違いや、日頃の人間関係の恨みなどが噴出し、
仲間割れを始めたりするという展開はなかなか見応えがあります。
逃走の段階で一人、また一人と欠落していくわけです。
その際、協力しあってこの難関を打開すべき仲間同士で、
手段を巡る意見の食い違いや、日頃の人間関係の恨みなどが噴出し、
仲間割れを始めたりするという展開はなかなか見応えがあります。
初日のタイトルに選んだのは、生存者の最先任、副長のヒルト大尉と
機関長のクネッケ大尉がいがみ合う姿です。
機関長のクネッケ大尉がいがみ合う姿です。
六人のUボート乗員の中で一番先に脱落するのが、下っ端の見張りヤーナーで、
その次がこのヒルトの天敵、クネッケです。
その次がこのヒルトの天敵、クネッケです。
彼ら一味は交易所を乗っ取り、そこで村の漁師(サー・ローレンス・オリヴィエ)
や、飛行艇のパイロット、エスキモーを含む村人を殺害し、
盗んだ飛行艇で走り出すのですが、それが墜落して水死してしまうのです。
や、飛行艇のパイロット、エスキモーを含む村人を殺害し、
盗んだ飛行艇で走り出すのですが、それが墜落して水死してしまうのです。
セントローレンス湾からなら、五大湖のどれかに飛べば一挙にアメリカだったのに、
とこの地図を見れば思いますが、彼らはアメリカとは反対方向に飛び、
そこでドイツ系移民のフッター教徒の村に潜り込むことに成功。
とこの地図を見れば思いますが、彼らはアメリカとは反対方向に飛び、
そこでドイツ系移民のフッター教徒の村に潜り込むことに成功。
撮影には実際にフッター教徒がエキストラ出演しましたが、
最初にキャスティングされていたフッターの少女役の女性が、
ネイルをしてタバコを吸っていたため、本物の教徒に平手打ちされて、
交代したという笑えないキャスティング秘話があります。
最初にキャスティングされていたフッターの少女役の女性が、
ネイルをしてタバコを吸っていたため、本物の教徒に平手打ちされて、
交代したという笑えないキャスティング秘話があります。
ここで脱落するのは右下のフォーゲルで、パン職人だった彼は
コミュニティに自然に溶け込み、フッターの少女に恋心を抱くに至ります。
集会でヒルトが演説を打ったことから彼らがナチスであることを気づいた少女を
仲間からかばったフォーゲルは、反逆者として処刑されます。
残った三名はGoogleマップで577キロの距離を、真冬というのに
てくてく歩いて移動し、途中で故障した車の持ち主を襲い、資金を得て
汽車でバンクーバー(西海岸です)まで行き、そこから日本にいく船に乗って、
同盟国特典で祖国に帰るという作戦を立てました。
追われているのを感じた三人は、西海岸近くの先住民祭りに紛れ込みますが、
そこで地元警察に発見されてここで一人が捕まり脱落。
残るヒルトとローマンは、湖畔でレスリー・ハワード演じる
インディアン研究者のテントに招待されますが、彼の書籍や絵画を破壊したため、
平和主義者と馬鹿にしていた研究者に反撃されてローマンが捕まり、脱落。
てくてく歩いて移動し、途中で故障した車の持ち主を襲い、資金を得て
汽車でバンクーバー(西海岸です)まで行き、そこから日本にいく船に乗って、
同盟国特典で祖国に帰るという作戦を立てました。
追われているのを感じた三人は、西海岸近くの先住民祭りに紛れ込みますが、
そこで地元警察に発見されてここで一人が捕まり脱落。
残るヒルトとローマンは、湖畔でレスリー・ハワード演じる
インディアン研究者のテントに招待されますが、彼の書籍や絵画を破壊したため、
平和主義者と馬鹿にしていた研究者に反撃されてローマンが捕まり、脱落。
最後の一人になったヒルトは、なんとかアメリカに逃げ延びて
ドイツ領事館に逃げ込もうとするのですが、
ナイアガラ駅に向かう列車の中でランス・マッセイ演じる兵士と揉み合い、
アメリカの税関職員の機転によってカナダに送り返されてお縄となります。
潜水艦轟沈す、という日本語タイトルだけが全く評価できない映画ですが、
実は英語の題名である「北緯49度線」も微妙に間違いで、
ナイアガラの滝は北緯49度上にない、というオチ付きです。
実は英語の題名である「北緯49度線」も微妙に間違いで、
ナイアガラの滝は北緯49度上にない、というオチ付きです。
国策映画とはいえ、イギリス政府が潤沢な予算を出した内容は
よく練られていますし、いくつかの絶対にあり得ない点
(冬のカナダを野宿して徒歩で歩くとか)以外は、
フッターやインディアンなど、あまり世界の人が知る機会のない
カナダという国の風土について知ることのできる、見応えのある作品だと思います。
よく練られていますし、いくつかの絶対にあり得ない点
(冬のカナダを野宿して徒歩で歩くとか)以外は、
フッターやインディアンなど、あまり世界の人が知る機会のない
カナダという国の風土について知ることのできる、見応えのある作品だと思います。
わたし個人的には、レイフ・ヴォーン=ウィリアムズの手がけた
映画音楽を知ることができたのは大きな収穫でした。
映画音楽を知ることができたのは大きな収穫でした。
続く。