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ミサイルハウス〜タロス巡洋艦「リトルロック」

2024-08-20 | 軍艦

さて、タロスミサイル搭載巡洋艦として展示されている、
バッファローエリー郡開示軍事公園のUSS「リトルロック」、
ファンテイルから、いきなり核心のミサイルハウスに入っていきます。



ドアから中に入ると最初に見える景色がこれ。
上の階には戦闘ヘルメット着用の乗組員の姿が見え、
その手前のはどう見てもミサイルのクレイドル。

下方の窓には、運用当時からのプレートがあり、それには

I -126-1
MISSILE WINGS-FINS&BSTER STOW
C-108 M

ミサイルウィングとフィンは、ミサイルに取り付ける翼とフィン、
これは知ってびっくりしたのですが手動で取り付けます。

そして後半はブースターストレージ、ブースター倉庫です。

各ウィンドウには公園の所有を示すシール付きのアクリルが貼られています。


せっかくなので上の人をアップにしてみました。
横にあるのは人工呼吸の方法です。
そういう状態がいつ起きても不思議ではない持ち場ってことか?

で、ここはなんなのという話ですが、ここにあった説明は
ディシジョンポイントを意味する赤い看板に書かれています。

ミサイルハウス

艦内で最大の区画であるこの部屋は、
50発のミサイルを格納し、テストし、整備した。

飛距離約65マイルのこれらのミサイルは、

冷戦中に敵のジェット戦闘機の脅威が高まっていたことを受け、
地対空ミサイルとして設計されたものである。

これらのミサイルと格納庫の追加は、

1957年から1960年にかけて行われた改装における
最もダイナミックな変化であった。


入ってすぐのこの一帯を

ファイナル・アッセンブリー・エリア
(最終組み立てエリア)

といい、このビデオの放映されているガラスの向こうは
ミサイルを組み立てるための最終準備が行われた場所です。


ところで、放映されているビデオですが、
現地ではもちろん先を急ぐ身であるため見ておりません。

ループされているのは、タロスミサイルの弾頭、ミサイルブースター、
そして艦内のミサイルハウスの基本的な操作に関するもので、
かつては機密扱いだった13分間の海軍制作による軍事訓練フィルムです。

ちょうど私が通りかかったとき、エンディングで
製作者の氏名がテロップに出ていたため、それを元に検索したら
YouTubeに上がっていたので、上げておきます。

教育ビデオなのでまさに誰にでもわかる内容となっていますが、
自動翻訳機能がなかったので、全編翻訳して青字で記します。

Talos Missile Handling • Cruiser Installation


本映画で概説されている手順は、
あくまでも目安であり、ガイドにすぎない。
具体的な内容については、最新の技術資料をご参照ください。

タロスランチャーを装備したUSSオクラホマシティのような艦は、いずれ、
切れ目ない警戒と準備万端な艦隊の長距離防御として海を席巻するだろう。

タロス、それはビームを搭載したラムジェット推進ミサイルであり、
艦対空、


あるいは艦対艦

のためにデザインされていて、
基地でミサイル搭載のために準備された
通常弾頭または核弾頭のいずれかを装備可能である。

この弾頭はMk.30mod0 の核弾頭で特別にタロスミサイル用に設計された。
備蓄コンテナ内の弾頭は、導通試験機で検査される。


弾頭は、適応キットのコンポーネント組み立てのために
弾頭メンテナンススタンドに設置される。


本体内部セクションは弾頭取り付け部分に固定されており、


内部本体はミサイルのラムジェットエンジンの空気拡散器として機能する。
これから弾頭部分が適切にミサイルと嵌合されているかを試験する。


予備の弾頭セクションはコンテナに梱包され、
緊急予備として巡洋艦に運び込まれたものである。

ミサイルには巡洋艦に輸送する前に燃料が充填されている。


ミサイルはドックからは通常の操作によって積載され、
ミサイル格納庫の
”ストライクダウンエレベーター”に積み込まれる。


巡洋艦のミサイル格納庫には2基のエレベーターが、
両舷に一つずつ装備されている。
エレベーターはミサイル、あるいはブースターを乗せて、
それらをマガジンまで降ろし、そこに収納する。


マガジンからは4本半の移送レールが出ており、
動力カートがミサイルを載せ、
準備サービスエリアを通って
最終的に二つの
チェックアウトエリアまで運ぶのである。




準備サービスエリアに保管されているミサイルは、
まず
メイティング(嵌合)エリアの最初の位置に配置される。

動力カートはブースターをこの嵌合ステーションに運び、
ミサイルとブースターは嵌合され、組み合わさったものは
準備サービストレイに収納される。

続いてセンタートレイホイストがミサイルを
ローダーレールまで持ち上げ、さらにそれは
「ウィング&フィンエリア」まで運ばれ、ここで
ミサイルとブースターは発射されるため
ランチャーアームにセットされる。

見学者は、上の図の左下角の「最終工程」を行うところから入り、
エリア2の準備サービスエリアを抜け、マガジンまでいき、
ミサイルハウスを時計と逆回りに歩いていくことになります。


続く。







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1 Comments

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これは使えない (Unknown)
2024-08-20 17:14:48
ミサイル弾庫に人工呼吸のサインがあるのは、第二段が液体燃料ラムジェットだからです。液体燃料(ヒドラジン)は有害物質で、揮発したものを吸い込んだら死亡することもあります。

写真だけだと実感はないかもしれませんが、タロスミサイルは巨大です。長さ9メートルで重量3.5トン。今のSM-2は長さ6メートルで重量は700キロです。

艦対空ミサイルは、弾頭、誘導部と推進部(タロスの場合、推進部は第一段と第二段で二つ)から構成され、補給所(陸上弾薬庫)で保管されている間は輪切りにされています。タロス以外のミサイルは、補給所から搬出する際に完成弾にしますが、タロスは輪切りのまま、船に搬入し、艦内で完成弾にするんですね。完成弾は重いので、そのままでずっとReady Service(即応弾)区画に置いておくと、自重で曲がってしまうのでしょう。

射撃指揮装置の稼働率の低さ(平均故障間隔30時間!)と相まって、ミサイルの維持も大変そうなので、これは使えなかっただろうと思います。
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