韓国のベストセラー・グルメ漫画『食客』を2007年に映画化したもの。
2008年にはテレビドラマ化もされ、こちらは先にWOWOWで放送されてたのを観てました(テレビ『食客』の記事は→こちらとこちらにUP済み)。
テレビドラマ版の方は無茶苦茶面白かったってわけではないけど、“食”とドロドロした人間関係がベースなくすぐられるテーマだったので、途中から全然グルメドラマじゃない方向へ脱線してからも見る角度を変えて熱中し、GWのソウル旅行ではついでにロケ地を訪れたりする始末(ドラマ版ロケ地の記事は→こちらにUP済み)。
ならば映画版もチェックしないわけには行かないでしょうってことで、反日表現がネックで公開が見送られていた映画版『食客』が結局ノーカットで上映される事になり、ようやく関西にも来たので観てきました。
ちなみに原作漫画は未チェックです。
★★★
予想していた通り、料理が超美味そうな以外は可も無く不可も無い映画だったけど、テレビドラマ版をチェックしていた俺にしてみれば、同じ原作の映画版というよりもネタを練って違う話に仕上げたものを観ている感覚で凄く楽しかった。
どちらが原作に忠実なのかは知りませんが、ストーリーとキャラ設定は似て非なるものになっていて、テレビドラマ版は1話74分、全24話のとてつもないボリュームで老舗料亭“雲岩亭”の後継者を巡る骨肉の兄弟喧嘩を描いていたのに対し、映画版は雲岩亭なんてどうでもよくて、超一流の証として待令熟手の包丁を手にする為に行われる料理大会を中心に描いている。
映画版が凄いのは、テレビドラマ版であんなに長い時間をかけて全編に散りばめていた“『食客』が面白い要素”が2時間の中に全てぎっしり詰まってる点。
原作により近いのがどちらかは知りませんが、映画版が原作に近いとしたらテレビドラマ版の脚本を書いた人はよっぽど上手く尺を伸ばして仕上げてるし、テレビドラマ版が近かったんだとしたら、映画版の脚本の凝縮具合は常識的に考えて炭焼きや解体までソンチャンにやらせるのはどうかと思うけど、詰め込めるだけ詰め込んでいて総集編になっていないのが上手い。
映画版はソンチャンとボンジュの関係を正義対悪として描いていて、曖昧な表現が無い。
テレビドラマ版のように、勘違いやら思い込みですれ違いが生じてヤキモキさせられる方がドラマチックで楽しいっちゃ楽しいけど、勧善懲悪なのもそれはそれで楽しかった。
気になってた“反日表現”については、目くじらを立てて指摘するほどの問題があったのかさっぱりわからん。
どっちかっつうと、オ家の陰謀とかボンジュの極悪っぷりは何よりもえげつなく描いてたし、日本を直接バッシングするような表現は無くて、現代の友好的な関係を再三強調して描いていたはず。
韓国人の魂を料理を通じて強調しまくっている映画だったけど、日本でもこういうメジャー映画で日本人魂を掻き立てられるようなものが出来ると良いなぁと逆に感じた。
BGMの雰囲気がテレビドラマ版とそっくりなのと、ソンチャンの祖父役のじいちゃんがテレビドラマ版にジャウン役で出てたりするので、映画とテレビで全く違う話とは言えどこか繋がりを感じる。
ネタバレ
ボンジュが策に溺れて勘違いから和食テイストなスープを作ってしまう部分が反日的と指摘されて、バイヤーは再編集を求めたのだそうですが、その行為を指摘してブランドの権威に陶酔する韓国人審査員に恥をかかせて大団円に持ち込むのは日本人審査員長なわけで、相当双方に気を使って作った映画だという印象だったのに。
そもそも、この大会の趣旨からして日韓友好が目的やん。
過去において思わぬ行き違いから待令熟手が腕を切り落としてしまった事に対しても、悪びれる様子も無い冷血な日本人という描き方じゃなくて、きちんと心情を描いてたし。
しょーもないいちゃもん付けて監督に悪い印象与えたせいで、『食客2』が本当に反日映画に仕上げられてしまったら責任取ってもらいたい。
つーか、テレビドラマ版の方がよっぽど日本人悪者扱いだったんですけど…。
せっかく最後に「ジンスソンチャン」ネタが有ったのに、ちゃんとルビ入れて訳されてなかったのは残念。
オチなのに!
2008年にはテレビドラマ化もされ、こちらは先にWOWOWで放送されてたのを観てました(テレビ『食客』の記事は→こちらとこちらにUP済み)。
テレビドラマ版の方は無茶苦茶面白かったってわけではないけど、“食”とドロドロした人間関係がベースなくすぐられるテーマだったので、途中から全然グルメドラマじゃない方向へ脱線してからも見る角度を変えて熱中し、GWのソウル旅行ではついでにロケ地を訪れたりする始末(ドラマ版ロケ地の記事は→こちらにUP済み)。
ならば映画版もチェックしないわけには行かないでしょうってことで、反日表現がネックで公開が見送られていた映画版『食客』が結局ノーカットで上映される事になり、ようやく関西にも来たので観てきました。
ちなみに原作漫画は未チェックです。
★★★
予想していた通り、料理が超美味そうな以外は可も無く不可も無い映画だったけど、テレビドラマ版をチェックしていた俺にしてみれば、同じ原作の映画版というよりもネタを練って違う話に仕上げたものを観ている感覚で凄く楽しかった。
どちらが原作に忠実なのかは知りませんが、ストーリーとキャラ設定は似て非なるものになっていて、テレビドラマ版は1話74分、全24話のとてつもないボリュームで老舗料亭“雲岩亭”の後継者を巡る骨肉の兄弟喧嘩を描いていたのに対し、映画版は雲岩亭なんてどうでもよくて、超一流の証として待令熟手の包丁を手にする為に行われる料理大会を中心に描いている。
映画版が凄いのは、テレビドラマ版であんなに長い時間をかけて全編に散りばめていた“『食客』が面白い要素”が2時間の中に全てぎっしり詰まってる点。
原作により近いのがどちらかは知りませんが、映画版が原作に近いとしたらテレビドラマ版の脚本を書いた人はよっぽど上手く尺を伸ばして仕上げてるし、テレビドラマ版が近かったんだとしたら、映画版の脚本の凝縮具合は常識的に考えて炭焼きや解体までソンチャンにやらせるのはどうかと思うけど、詰め込めるだけ詰め込んでいて総集編になっていないのが上手い。
映画版はソンチャンとボンジュの関係を正義対悪として描いていて、曖昧な表現が無い。
テレビドラマ版のように、勘違いやら思い込みですれ違いが生じてヤキモキさせられる方がドラマチックで楽しいっちゃ楽しいけど、勧善懲悪なのもそれはそれで楽しかった。
気になってた“反日表現”については、目くじらを立てて指摘するほどの問題があったのかさっぱりわからん。
どっちかっつうと、オ家の陰謀とかボンジュの極悪っぷりは何よりもえげつなく描いてたし、日本を直接バッシングするような表現は無くて、現代の友好的な関係を再三強調して描いていたはず。
韓国人の魂を料理を通じて強調しまくっている映画だったけど、日本でもこういうメジャー映画で日本人魂を掻き立てられるようなものが出来ると良いなぁと逆に感じた。
BGMの雰囲気がテレビドラマ版とそっくりなのと、ソンチャンの祖父役のじいちゃんがテレビドラマ版にジャウン役で出てたりするので、映画とテレビで全く違う話とは言えどこか繋がりを感じる。
ネタバレ
ボンジュが策に溺れて勘違いから和食テイストなスープを作ってしまう部分が反日的と指摘されて、バイヤーは再編集を求めたのだそうですが、その行為を指摘してブランドの権威に陶酔する韓国人審査員に恥をかかせて大団円に持ち込むのは日本人審査員長なわけで、相当双方に気を使って作った映画だという印象だったのに。
そもそも、この大会の趣旨からして日韓友好が目的やん。
過去において思わぬ行き違いから待令熟手が腕を切り落としてしまった事に対しても、悪びれる様子も無い冷血な日本人という描き方じゃなくて、きちんと心情を描いてたし。
しょーもないいちゃもん付けて監督に悪い印象与えたせいで、『食客2』が本当に反日映画に仕上げられてしまったら責任取ってもらいたい。
つーか、テレビドラマ版の方がよっぽど日本人悪者扱いだったんですけど…。
せっかく最後に「ジンスソンチャン」ネタが有ったのに、ちゃんとルビ入れて訳されてなかったのは残念。
オチなのに!
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