そーれりぽーと

映画、旅行、植物など気の向くまま

新作映画の満足度は最高★5つで表示

バック・トゥ・ザ・フューチャー

2009-09-03 | オススメ旧作映画
俺の大好きな映画のトップ3の中にいつまでも有り続けるだろう1本です。

でも、以前書いた『グーニーズ』と同じ年に日本で公開されていたのですが、当時小6だった俺の琴線に触れる事はなく、こちらは残念ながら映画館では未見。
(2010年の25周年リバイバル上映において映画館で鑑賞できました!)

初めてこの映画を観たのは中学生になってから。
テレビで放送されていた主人公マーティーの声を三ツ矢雄二が吹き替えていたバージョン。
「面白いけど、もっとド派手でSFXバリバリに仕上げたらもっともっと楽しめる映画になるのに」なんて、この映画の本質をよくわかってなかったように思います。

でもやたらと気に入って、ビデオに録画していたのをその後機会がある度に観るようになり、何度も観る内子供の感性では気付かなかった仕掛けがたくさんある事に気付くように。
ビデオからレーザーディスク、DVDと観るメディアは時代と共に変わりつつ何度も繰り返し見る事で、自身の肉体的精神的成長と共に映画の観方自体も変わっていく柱のような映画になったように思います。

いまだに新しい発見があるし、映画って同じものでも観る時にによって感じ方が変わって面白いと、久しぶりにこの映画を見る度に思う。

自分自身ですらこうなんだから、同じ映画でも観る人が100人居れば100通り感想が違って当たり前。
極端に真逆な感想を持つ人が居ても、それはそれでその人の感性なんだから反論する事では無くて、「そう取るかー」なんて思えばまたその映画の観方が増えて面白くなる。


等と思い入れを熱く語りましたが、この映画をどういう映画なのかざっと説明すると。

その頃までの映画にはそう多用されなかった「見事な“伏線”で、何度でも楽しませてくれる仕掛け」がそこら中に張り巡らされている作り。
今はそういう映画も多いけど、この映画は「古い割には」なんて言葉が似合わない恒久的な新しさがある。

オープニングのテロップが出た直後から、映し出される時計の数々の中にもクライマックスの名場面が示され、その後も台詞の一つ一つ、目に見えているもののあらゆるモノがその後の展開で意味を為す仕掛けが施されている。

伏線を生かすのが、二つの時代を行き来するという基本設定。
現在と過去の様々な場面がリンクしているので、観終わっても初めから繰り返して観る事で二つの時代をループするような感覚に。
また、その度にまた新たな発見があって楽しくなる中毒性がある。

脚本上の伏線以外にも、二つの時代の世相やら流行が現実世界に則しているので、その時代の事を知ってる人にはもちろん楽しいし、二十数年経った今から観ても扱っている題材が題材がだけに当時を舞台に作っているような感覚で作品自体がいつまでも古びない。

古びていないという点で何より成功しているのは、必要最低限のSFXだけを用いてシナリオに重点を置いたところ。
当時のSFX技術の粗が目立たないのは結果大正解。
(SFXバリバリの『~PART2』は、そう言う意味で年々粗が目立つ)

観ている者を惹きつけて止まない見事な脚本に、80年代ロバート・ゼメキス監督流のコミカルにデフォルメし過ぎとも言える演出、漫才のようにテンポの良い芝居と神業的編集が相まって、最高に面白い娯楽映画に仕上がっています。

『フォレスト・ガンプ』以降、巨匠扱いされるようになって相当作風が変わってしまいましたが、80年代のロバート・ゼメキス監督作はどれもこれも軽快で楽しくて、映画館に残って続けてもう一度観たくなるような映画が多かった。
(今は映画館のシステム上それ自体許されませんけれど)

また、彼と長年タッグを組み続けているアラン・シルベストリによる楽曲も、今は重厚なものが大半。
他の監督に提供する機会が増えて量産するようになったせいか似たような楽曲がどんどん増えてしまってるように感じますが、この映画の曲は楽器の数が少ない分、軽く耳にも楽しくて、今でもオリジナリティーに溢れワクワクさせてくれる楽曲ばかり。
テーマ音楽に乗って落雷の中疾走するクライマックスを何度も観ていると、ふとした時にその楽曲を聴くだけで涙腺を刺激されるようになってしまいました。


そんなこんなで、どのくらいこの映画にハマってきたのかというと、別に好きでもなかったヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(テーマソングを歌ってたり、カメオ出演もしてます)の来日公演を観に行ったり、大丸で続編に使われたデロリアンが展示されていると聞けば展示期間中何度か行って心ゆくまま眺めてみたり(見られてない時にちょっと触った気がする)、北野劇場(現TOHO梅田)が大改装で倉庫に有った展示品の大売出しがやってた際には特大ポスターやらスチルやらを買いあさったり。
何より初めてやったバイトで得たお金で買ったのがレーザーディスクプレイヤーとこの映画のソフトだったりします。

学生の頃は、本場のユニバーサル・スタジオにまで行って、シリーズパート3の後日談をアトラクション化した『バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド』に乗りたい!と夢見た事もありましたが、大阪にそれが出来る事を知って以来、今か今かと心待ちにしてたのを覚えています。
(実際USJにデロリアンのレプリカが置かれたら記念撮影しまくり、『ライド』は毎回乗るのがお決まり)


このブログを始めた時から、ストーリーや細かな伏線の部分を全3回位に分けて記事にしようと考えてましたが、かなりに面倒な作業になりそうなので放置しっぱなし。
言い訳じゃないけど、(言い訳ですけど)自分で発見した方がきっと面白いので、とりあえず観てください。お気に入れば何度でも。
俺は30回以上は余裕で、もしかしたら50回は観たかもしれない。


続編の『~PART2』、『~PART3』も有り、シリーズを通して観ればそれぞれ面白い。
このよく出来た1昨目を下敷きにさらに伏線を広げていく展開が見事ですから、続編を見る前に1作目を少なくとも3回は観ておいた方が良い。
(『~PART2』は終盤に1作目とクロスオーバーしてる辺り以外にも相当細かな部分で何度もデジャヴを感じさせ、『~PART3』はシリーズを総括した上でアナログな世界観にSFを持ち込みお約束まみれにして行く所がイイ)

続編が作られるより前にあったテレビのインタビューで、プロデューサーのスティーブン・スピルバーグが『ET』の続編製作に関する質問を受けた際、「『ET』は星に帰ってハッピーエンドなんです。だから続編は作らないし、作れないような終わり方になっています。でも、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は続くように終わらせていますから、もしかしたら続編を作るかもしれません」
と答えていました。

これを聞いて「観たい!でも、あのままで無限の可能性を秘めた終わり方であってほしい」と思ったのを鮮明に覚えています。


現在に至るまで何度も『~PART4』の話が浮かんでは消えてます。
もう出来てしまったものについては仕方がないので、これまでの続編は主人公役のマイケル・J・フォックスの残した功績と思って甘んじて受け入れます。
でも、これ以上可能性を消してしまって欲しくないので、『~PART4』製作には絶対反対。
これは切なる願いです。

『~PART2』のフライング・デロリアンは、HD化の際にはCGを是非とも手直しして欲しい。
これも切なる願い。
そろそろブルーレイ版の発売予定が立ってもおかしくないですよね。

オススメ度:100%



バック・トゥ・ザ・フューチャー 【プレミアム・ベスト・コレクション】 [DVD]

ジェネオン・ユニバーサル

このアイテムの詳細を見る

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ディズニーがマーベルを買収て | トップ | サブウェイ123 激突 »