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ポン・ジュノが遂に韓国を飛び出して撮った映画ということで、“絶対に”観ておかなければならない大事件を予感させる『スノーピアサー』を観てきました。
★★★★
これは大事件というよりも、大事故なのかもしれない。
韓流映画からは少し距離を置いているところですが、ポン・ジュノ初の英語作品ということを聞きつけての監督指名での観賞。
幸い予告編を一度も観ていなかったので、前情報は全くゼロです。
ネタバレ
最初に出てきた主人公らしき「ちょいオトコマエ」兄ちゃんが、どことなくクリス・エヴァンスに似ているなぁとか、でも似てるけどハリウッドスターはまさかこんなB級色の強い外国人監督の映画には出ないよね?クエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスみたいにリスペクトされてる監督作でも無ければと思って観ていると、あれ?この若い子はジェイミー・ベルじゃない?でもそれにしては若すぎるかとか、いやいやこのおばちゃんもしかしてオクタビア・スペンサー?的な展開の中、ジョン・ハートが出てきた辺りで「ワオ」な確信。
なにこの映画、むちゃくちゃ豪華なキャスティングやんみたいな。
ポン・ジュノどんだけハリウッドで評価されてるねんって羨みも。
日本の監督はこれだけのハリウッド豪華キャストを自由に操る映画を撮れる環境に無いよね…、エド・ハリスまで登場するし。
しかし、主人公の兄ちゃんは相変わらずクリス・エヴァンス風にしか見えないオーラの無さ(髭のせいか)なので、エンドロールをチェックするまではずっと「似た別の人なのかも?」という疑惑を持ち続けておりました。
が、エンドロールを観ていてもう一人凄い人が出ていた事を知って愕然。
「ティルダ・スウィントン?え?どこに出てたっけ??あぁっ!」
あの鶏がらみたいな意地悪おばさん役がティルダ・スウィントンだったなんて!
キャストと言えば、天才ソン・ガンホと、『グエムル』で娘役を演じていたコ・アソンの再登板が最高に嬉しい。
彼らが出てきてから、この世界観の破綻した映画に光明が差した印象。
もうそれまでの展開は完全に前章として破棄し、彼らにずっと活躍させてくれても良かったくらい。
そもそもが、序盤の台詞で「無賃乗車」の人達が最後尾の住人だと語られているので、「無賃乗車」で命を救われている上に列車に対してなんの労働奉仕もなく、居住地と食料を与えられているくせに何を贅沢な事ぬかして氾濫起こそうとしてるんやこいつらという目線での観賞になってしまっていた。
ゆえに、最後尾の悲劇を知った後でも、俺はこの列車の社長の意見に大賛同でございます。
世界が滅びた日からノンストップで世界中を走る方舟列車にしても、何故走っている必要が有るのか、誰が線路の補修をしているのか。走り回る事で列車自体に傷みが生じた場合の補修は?と疑問と言うよりも効率の悪さに対する当然のツッコミを心に抱えたまま物語はどんどん進んでいく。
当然、雪崩が真横から来た場合のリスクも頭を過る。
この細長くエリアが繋がっていく列車と言う空間が方舟としては余りに非効率的で、どこに行くにしても途中に有るエリアの中を通りすぎて行かなければならない、他人の生活に干渉しなければならない構造なところにも疑問が。
これってきっと実写映画にしては成り立たない題材なのでは?
想像で補わなければ成り立たないところを、撮って映像にしてしまった大事故なのでは?
それを思い切って撮っちゃうところがポン・ジュノの凄いところで、『グエムル』にしてもそうだけど、初見の直後は拭い切れない“納得いかない世界感”で心から楽しめなかった印象ですが、後で観直すとどこか惹かれるという不思議な映画に仕上がっているのかもしれない。
観てから5日経った今のところはまだその徴候は無く、いろんな設定に対して疑問ばかりが浮かんでくるので、忘れた頃にWOWOWで放送してたらまた観てみよう。
映画としては奇妙で微妙なものの、やっぱソン・ガンホとコ・アソンが良い味出してるんよねぇ、これが。
★★★★
これは大事件というよりも、大事故なのかもしれない。
韓流映画からは少し距離を置いているところですが、ポン・ジュノ初の英語作品ということを聞きつけての監督指名での観賞。
幸い予告編を一度も観ていなかったので、前情報は全くゼロです。
ネタバレ
最初に出てきた主人公らしき「ちょいオトコマエ」兄ちゃんが、どことなくクリス・エヴァンスに似ているなぁとか、でも似てるけどハリウッドスターはまさかこんなB級色の強い外国人監督の映画には出ないよね?クエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスみたいにリスペクトされてる監督作でも無ければと思って観ていると、あれ?この若い子はジェイミー・ベルじゃない?でもそれにしては若すぎるかとか、いやいやこのおばちゃんもしかしてオクタビア・スペンサー?的な展開の中、ジョン・ハートが出てきた辺りで「ワオ」な確信。
なにこの映画、むちゃくちゃ豪華なキャスティングやんみたいな。
ポン・ジュノどんだけハリウッドで評価されてるねんって羨みも。
日本の監督はこれだけのハリウッド豪華キャストを自由に操る映画を撮れる環境に無いよね…、エド・ハリスまで登場するし。
しかし、主人公の兄ちゃんは相変わらずクリス・エヴァンス風にしか見えないオーラの無さ(髭のせいか)なので、エンドロールをチェックするまではずっと「似た別の人なのかも?」という疑惑を持ち続けておりました。
が、エンドロールを観ていてもう一人凄い人が出ていた事を知って愕然。
「ティルダ・スウィントン?え?どこに出てたっけ??あぁっ!」
あの鶏がらみたいな意地悪おばさん役がティルダ・スウィントンだったなんて!
キャストと言えば、天才ソン・ガンホと、『グエムル』で娘役を演じていたコ・アソンの再登板が最高に嬉しい。
彼らが出てきてから、この世界観の破綻した映画に光明が差した印象。
もうそれまでの展開は完全に前章として破棄し、彼らにずっと活躍させてくれても良かったくらい。
そもそもが、序盤の台詞で「無賃乗車」の人達が最後尾の住人だと語られているので、「無賃乗車」で命を救われている上に列車に対してなんの労働奉仕もなく、居住地と食料を与えられているくせに何を贅沢な事ぬかして氾濫起こそうとしてるんやこいつらという目線での観賞になってしまっていた。
ゆえに、最後尾の悲劇を知った後でも、俺はこの列車の社長の意見に大賛同でございます。
世界が滅びた日からノンストップで世界中を走る方舟列車にしても、何故走っている必要が有るのか、誰が線路の補修をしているのか。走り回る事で列車自体に傷みが生じた場合の補修は?と疑問と言うよりも効率の悪さに対する当然のツッコミを心に抱えたまま物語はどんどん進んでいく。
当然、雪崩が真横から来た場合のリスクも頭を過る。
この細長くエリアが繋がっていく列車と言う空間が方舟としては余りに非効率的で、どこに行くにしても途中に有るエリアの中を通りすぎて行かなければならない、他人の生活に干渉しなければならない構造なところにも疑問が。
これってきっと実写映画にしては成り立たない題材なのでは?
想像で補わなければ成り立たないところを、撮って映像にしてしまった大事故なのでは?
それを思い切って撮っちゃうところがポン・ジュノの凄いところで、『グエムル』にしてもそうだけど、初見の直後は拭い切れない“納得いかない世界感”で心から楽しめなかった印象ですが、後で観直すとどこか惹かれるという不思議な映画に仕上がっているのかもしれない。
観てから5日経った今のところはまだその徴候は無く、いろんな設定に対して疑問ばかりが浮かんでくるので、忘れた頃にWOWOWで放送してたらまた観てみよう。
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