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愛を読むひと

2009-06-24 | 劇場映画れびゅー
ケイト・ウィンスレットがアカデミー賞主演女優賞を獲得した映画じゃなかったら、この週末5本目やし無理して観る気はしなかっただろう『愛を読むひと』を観てきました。
★★★★

全く内容について知らなかったので、「うわ、なんじゃこりゃ禁断の愛系のソフトポルノチックなラブロマンスもの?」と思って観ていたら、話はとんでもない方向へ。
なんで無理にドイツが舞台なんだ?と思っていたらそういう事だったのね。

マイケルが成長していくごとに抱える秘密はどんどん重くなり、同時に強くなる葛藤が胸を打つ。
彼の取った行動は愛から来るものなのか、贖罪なのか。

30代前半にしてベテラン女優の風格を持ったケイト・ウィンスレットの包み隠さない体当たりの名演を存分に堪能出来る秀作ですが、若い日のマイケルを演じたダフィット・クロスの名演も相当良かった。
ケイト・ウィンスレット以上にもっと評価されても良かったはず。

ネタバレ
15歳のあの夏にハンナと交わした愛。
彼女が戦犯だったと知った時、彼女へ朗読を録音したテープを送り続けた日々、そして30年経った後もそれは愛だったのか。
食堂で面会した際、ハンナは30年前のままの口調だったのに対し、そっけない態度を取るしか出来なかったマイケルは、本当にハンナを失ってしまった時に本当はどう感じたんだろう。

文盲である事を人に知られるくらいなら、仕事も愛も、そして命すら捨ててしまえるハンナの気持ち。
生きていく為に仕事として看守の責務を遵守していた彼女の気持ちと、彼女を収監していた刑務所の看守達の気持ち。
家族を失い、生き残ったユダヤ人女性の一貫した気持ち。
マイケルが少年期の些細な愛に葛藤して心を閉ざしているいる外には、ありとあらゆる感情が渦巻いていて、その辺のコントラストも絶妙な映画でした。



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4 コメント

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こんばんは^^ (KLY)
2009-06-24 01:16:16
デヴィッド演じるマイケルが判決を聞くシーンがツボでした。愛するの意志を尊重するがために、彼女に思い刑が課せられる…、悩んだんだろうなぁって思います。ケイトの演技よりもレイフも含めた男性陣の演技に魅せられました。
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私も観ました。 (あっこ)
2009-06-24 21:31:26
★4つですか。
私はこれは小説だけで良かったのではないかと思うくらい話が分からない映画だったので・・・
ぼろくそに書いてしまったわ・・・
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>KLYさん (そーれ)
2009-06-25 14:59:33
どうもです!
判決を聞くシーンも、面会に行く途中で引き返すシーンも切なくてたまりませんでした。
死んでもバラされたくない秘密は、マイケルにだろうと知られたくなかったはずで…考えれば考える程、後の展開も奥が深いように思えてならないんですよね。
ケイトが決して悪かったわけじゃないけど、やっぱ男性陣も評価されるべきですねぇ。
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>あっこさん (そーれ)
2009-06-25 15:14:08
どうもです!
>体があまりにもみすぼらしくて…
でしたね、特殊メイクでありますようにw
なんというか、「若い子を誘って食う女の話」みたいな感じで観ると全く感動出来ないよなぁと思いながら観てたんですが、マイケル側の気持ちで観ると、15歳で痴女にいいように調教されて性格ひん曲がって育ってしまった…みたいな感覚がなんとも切ないですよ。
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