住職の独り言

~ご縁に触れて~

自然法爾

2017年01月08日 | 独り言

昨年は夏目漱石没後100年でした。

大正5(1916)年、胃潰瘍により49歳で生涯を終えた夏目漱石は、

亡くなる1カ月前に、「則天去私」(夏目漱石の造語…天に則して私を去る)

という言葉を使っています。

「則天」は天地自然の法則や普遍的な妥当性に従うこと。

「去私」は私心を捨て去ること。

まさに親鸞聖人の言われた「自然法爾」の世界ですね。

〈自然法爾章〉

自然とは〈もとよりしからしむ〉ということばである。

阿弥陀仏の本願は、

もとより私たち念仏行者が自我の立場からはからうことではなく、

阿弥陀仏が私たちに南無阿弥陀仏とたのませて、

浄土に迎えようと取りはからってくださっているから、

私たちの方で、これが良いだろうか、

あれは悪いだろうかと心配し迷う必要がないことを、

自然というのだ」と示されます。

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