2020年2月のブログです
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松木邦裕さんの『摂食障害というこころ-創られた悲劇/築かれた閉塞』(2008・新曜社)を再読しました。
何回か読んでいるのですが、レポートは初めて。
ようやく、少しは自分のものになってきたのかもしれません。
松木さんが、自分が摂食障害について書くのは最後の本、というだけに、摂食障害という病いの成り立ち、病態、治療などについて、精神分析的な立場からかなり細やかな理解を示されていて、とても参考になります。
じーじが今回、特に勉強になったのが、摂食障害の患者さんへの精神分析的な面接についての章。
摂食障害の人との面接で留意すべき点がたくさん示されていて、勉強になります。
たとえば、患者さんの話をよく聴くだけでは不十分、という点。
話をよく聴くだけでもかなりの努力を要しますが、それだけでは面接は深まらないので、聴ききれない点や不思議に思う点を聴き返すべきだと説明されます。
そうすることで初めて、患者さんが本当に考え、面接が深まり、治療が進む、といいます。卓見です。
このことは摂食障害の患者さんだけでなく、他のパーソナリティ障害の患者さんなどにも大切なことがらだと思われました。
これに関連して、患者さんのこころの中には、健康な部分と病気の部分があるという見方。
患者さんの病気のこころに引っ張りまわされずに、健康なこころと対話をしていくことが大切といいます。
その他にも勉強になることがたくさん、まるで宝箱のような章です。
もっともっと読み込んで、いい面接ができるようになりたいと切に思いました。 (2020.2 記)
読んでいると、こころが落ち着きます。
良質のカウンセリングを受けているような感じ。
じーじも頑張りたいと思います。