2024年2月のブログです
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精神科医である大平健さんの『食の精神病理』(2003・光文社新書)を再読する。
先日の能登半島地震で崩れた本棚の本の中から発掘した(?)一冊。
ずっと読みたかったが、出版社品切れで、古本屋さんでも見つからなかった本。
その本を、実は20年前のじーじが購入して、読んでいたらしい(?)。
じーじ、すごい(!)。すっかり忘れていた(!)。
購入していたことを忘れていたくらいだから、中身も当然、忘れていた(!)。
新鮮に読ませてもらう。じーじの特権だ(!)。
「食」に関する大平さんのさまざまな考察が、童話や昔話を例に挙げて並ぶ。
すごく刺激的だ。
あの童話がこう読めるのか、あの昔話はこんな意味があるのか、とびっくりさせられる。
そこから、現代の拒食や過食の考察につながり、孤食という社会現象の理解に至る。
大平さんの著書『豊かさの精神病理』や『顔をなくした女』などとの関連も明示されて、わかりやすい。
大平さんはさらに、これらの先に、「本当の自分」と「身体の自分」に別れてしまっているらしい「二人の自分」について考える。
そして、それらと新型うつとのつながりも考察する。
その治療の一端が、早寝早起きというありふれたことであるという指摘は、楽しい。
楽しく読めて、いろいろと考えさせられる良書だと思う。 (2024.2 記)