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大平健『食の精神病理』2003・光文社新書-拒食、過食、孤食と「二人の自分」を考える

2024年02月11日 | 精神療法に学ぶ

 2024年2月のブログです

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 精神科医である大平健さんの『食の精神病理』(2003・光文社新書)を再読する。

 先日の能登半島地震で崩れた本棚の本の中から発掘した(?)一冊。

 ずっと読みたかったが、出版社品切れで、古本屋さんでも見つからなかった本。

 その本を、実は20年前のじーじが購入して、読んでいたらしい(?)。

 じーじ、すごい(!)。すっかり忘れていた(!)。

 購入していたことを忘れていたくらいだから、中身も当然、忘れていた(!)。

 新鮮に読ませてもらう。じーじの特権だ(!)。

 「食」に関する大平さんのさまざまな考察が、童話や昔話を例に挙げて並ぶ。

 すごく刺激的だ。

 あの童話がこう読めるのか、あの昔話はこんな意味があるのか、とびっくりさせられる。

 そこから、現代の拒食や過食の考察につながり、孤食という社会現象の理解に至る。

 大平さんの著書『豊かさの精神病理』や『顔をなくした女』などとの関連も明示されて、わかりやすい。

 大平さんはさらに、これらの先に、「本当の自分」と「身体の自分」に別れてしまっているらしい「二人の自分」について考える。

 そして、それらと新型うつとのつながりも考察する。

 その治療の一端が、早寝早起きというありふれたことであるという指摘は、楽しい。

 楽しく読めて、いろいろと考えさせられる良書だと思う。   (2024.2 記)

 

  


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