2020年11月のブログです
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本棚を眺めていたら、池澤夏樹さんの小説『タマリンドの木』(1999・文春文庫)が目に入ったので、久しぶりに読みました。
おそらく20年ぶりくらい(池澤さん、ごめんなさい)。
当然(?)、なかみは忘れていて、またまたどきどきしながら読みました。
池澤さんにはめずらしく(?)すごい恋愛小説(池澤さん、ふたたびごめんなさい)。
それもかなり純粋なおとなの恋愛小説です。
66歳のじーじでもどきどきしながら読みました。
例によって、あらすじは書きませんが、エンジニアの男性と海外ボランティアの女性の恋。
一緒に住むことはとても難しい男女の切ない恋物語が、すごく真面目に展開をして、はらはら、どきどきしてしまいます。
物語のちからはすごいです。
じーじでも本当にどきどきしてしまいます。
この男女が、真面目に自分たちのこと、そして、周囲の人たちのことを考えているからこそ、のちからなのでしょう。
読んでいると、汚れきったじーじのこころも、少しだけピュア(?)になったような錯覚がします。
それが良質な小説や物語のちから。
あらためて感じました。
いい小説が読めて、今日も少しだけ幸せです。 (2020.11 記)