ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

じーじは「毒親」という言葉は嫌いです-じーじ臨床心理士のひとりごと

2024年11月09日 | 心理臨床を考える

 2021年11月のブログです

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 「毒親」という言葉を時々きく。

 しかし、じーじはこの言葉が嫌いだ。

 「毒親」と呼ばれてもしょうがないような親御さんがいることはわかるが、「毒親」という言葉は使いたくない。

 理由は「毒親」のような親御さんでも、親には違いないからだ。

 誰も好き好んで子どもを虐待する親はいない。

 親御さんの性格と育ちから、子どもに感情的に当たったり、暴力を振るったりするわけだが、そういう親御さんでも子どもへの愛情はとても強い。

 ただ、愛情の表現が、下手だったり、拙かったりするだけだ。

 しかも、子どもは、そんな親御さんでも、うちの親は…、といいつつ、できればまた一緒に生活をしたいものだと願うものが多い。

 戻ったところで、また同じことの繰り返しになることが多いが、子どもが親を慕う気持ちの強さにはこころを打たれる。

 そんな親を「毒親」ということはできない。

 親は親だ。

 親御さんにも十分な心理的援助をして、子どもの切ない気持ちの実現に繋げたいと思う。        (2021.11 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 1954年、北海道生まれ  

 1977年、家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

 2014年、放送大学大学院(臨床心理学プログラム)修了  

 2017年、臨床心理士

 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の相談・援助などを研究

 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006、『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011、『遊戯療法学研究』)ほか 

 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

 連絡先 メール  yuwa0421family@gmail.com     

 

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瀬尾まいこ『僕の明日を照らして』2010・筑摩書房-虐待に負けないユーモアの力を感じて

2024年11月09日 | 小説を読む

 2011年、じーじは当時も村上ワールドに夢中になっていたようで、そんな中で瀬尾まいこさんのこの小説にも感心をしたらしく、ブログが残っていました。

 参考までに再録します。

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 あいかわらず村上ワールドを読んでいます。

 最近は『羊をめぐる冒険』(2004・講談社文庫)や『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(2010・新潮文庫)などなど…。

 『羊をめぐる冒険』は久しぶりにきちんと読んだのですが、舞台が札幌だけでなく、じーじのふるさとである旭川もちょこっとだけ出てきていることに気づいて嬉しかったです。

 さて、瀬尾さんですが、こちらも村上さんに負けずに面白かったです。

 『僕の明日を照らして』(2010・筑摩書房)は虐待を扱っていて、かなりシリアスな内容ですが、瀬尾さん特有のユーモアと優しさがあちこちにちりばめられていて、読んだあとにほのぼのとした気持ちと少しの勇気とたくさんの元気がもらえる本でした。

 瀬尾さんの本は『卵の緒』にしても、『幸福の食卓』や『天国はまだ遠く』などにしても、いずれも哀しさの中に独特のユーモアと優しさと温かさとそして小さな希望が描かれています。

 このあたりは少し質が異なるものの、村上さんとの共通点があるような気がします(作風はだいぶ違いますが、何か根本にあるユーモアの感覚みたいなものが似ているような気がしますが、どうでしょうか?)。

 今後も注目をしてゆきたい小説家の1人だなと思いました。

 今日もいい小説が読めて、おいしい晩酌が楽しめそうです。       (2011. 10  記)

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 2019年4月の追記

 瀬尾さんが本屋大賞を受賞されました。

 おめでとうございます。       (2019.4 記)

 

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