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村上春樹 『騎士団長殺し』(第1部・第2部)2017・新潮社-その2・驚きと穏やかさと

2024年04月10日 | 村上春樹さんを読む

 2017年春のブログです

     *  

 少し迷いましたが、村上さんの 『騎士団長殺し』(第1部・第2部)(2017・新潮社)の感想文の第2報を書いてみます。

 まだまだ読み終えていないかたも多いと思いますので、あらすじは書きません。

 しかし、結末を少しだけ書きます(村上さん、ごめんなさい。でも、売り上げはひょっとすると上がるかもしれません)。

 結末はなんと(!)、主人公が生まれてきた小さな娘の保育園の送り迎えをする、というものです(!)。

 驚き(!)の、びっくりでしょう(!)。

 村上さんの小説の主人公に子どもが生まれるのは、じーじの記憶ではたぶん初めてではないでしょうか(?)。

 1Q84では、主人公が妊娠をしたところで終わりましたが、今回は子どもが生まれました。

 もっとも、本当に自分の子どもかどうかは科学的にはあいまいなのですが、ここで信ずるということが出てきます。

 父親にとって、子どもが本当に自分の子どもかどうかは完全にはわからないことですし、結局は信ずるしかないのかもしれません。

 じーじが思うには、村上さんのこころの中で、変化というか、成長というか、成熟というか、何かが確実に進んでいるようです。

 心理学的に偉そうなことをいうと、エディプスコンプレックスを乗り越えたという印象を持ちますが、どうなのでしょう。

 そして、小さな娘の面倒を見ている主人公は、小説の中で、ちょうどその時に起こった東日本大震災の津波を映像を、娘には見せまいと必死の努力をします。 

 そんな小さな子どもを守ろうとする主人公を見ていると、村上さんも年相応にじーじになってきたなと思いました(村上さん、再びごめんなさい。でも、じーじになることはとても大切なことではないかと思います)。 

 じーじの勝手な思い込みと連帯感からですが、じーじになりつつある村上さんと一緒に生きていく幸せを感じて、前向きに、しかし、深く考え、感じて、生きていきたいなと思います。    (2017.3 記)

     *

 2019年6月の追記です   

 すみません、その後、村上さんの『国境の南、太陽の西』(1995・講談社文庫)を再読していたら、子どもさんが出てくることに気づきました(気づくのが遅い!)。こちらも可愛い女の子です。    (2019.6 記)

  

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