2020年1月29日のクーラの「モンテズマと赤毛の司祭」初演にむけて、引き続き、オペラの詳細な情報が発信されています。
前回の(解説編)に続いて、2回目をまとめました。このシリーズ、たぶんまだまだ続きそうです。今回、まったくのオリジナルの脚本・音楽の新作オペラであり、成功させるために、クーラも、ハンガリー放送芸術協会も、可能な限り、このオペラを理解してもらえるように努力し、キャンペーンをしているのだと思います。
オペラの内容・背景について、説明が古典文学や歴史的事実に関わっていることもあり、教養に欠ける私の和訳はいつも以上に不十分かと思います。間違いや事実誤認、誤訳等、お許しいただき、ぜひ元の記事を見ていただければと思います。
≪クーラのFBより≫
●台本についてのクーラの説明
今日は、台本の起源についてもっと話したいと思う...。
前述のように、「モンテズマと赤毛の司祭」は、アレホ・カルペンティエールの小説にもとづいている。
来週は、音楽についての詳細を!
≪ハンガリー放送芸術協会FBより≫
●メディアのインタビューをうけるクーラ
1月29日、私たちはリスト音楽院(音楽アカデミー)で、ホセ・クーラによる新しいオペラ「モンテズマと赤毛の司祭ーーオペラブッファ・マ・ノン・トロッポ」を初演する。公演の10日前の今日、私たちはプレス向けの日を持ち、マエストロ・クーラはいくつかの機関に対し、この作品の特徴について語った。
≪リハーサルの様子≫
リハーサル風景などの写真はまだほとんど公開されていませんが、新作オペラであり、すでに昨年からリハーサルは始まっていたようです。登場する3人の作曲家のうちの1人、ヘンデル役の方が投稿してくれました。
●ヘンデル役のバス・バリトン、ドミニク・ブラソさんのFBより
”ホセ・クーラ率いる「モンテズマ」のリハーサルがすでに始まっている。マエストロ・クーラと一緒に働くのは大変に光栄だ。”
今回のクーラの解説を読んで、脚本を執筆・仕上げるにあたって、クーラが、様々な参考文献を研究し、内容を豊かによりドラマティックに、面白くするために努力してきたことがよくわかりました。
メキシコのアステカの王モンテズマを主人公としたドラマを描くために、アステカ帝国を侵略、征服した側のスペイン人による著作や手紙などを読み込み、またドラマを豊かにするために、シェークスピアやボッカチオなど古典文学の世界を探求して材料を集めるなど、さまざまな努力と苦労があったようです。プロの作家、脚本家にとっては当然のことでしょうが、クーラのように、ミュージシャンとして公演をこなし、作曲や指揮をしながらの作業は、いかにハードワーカーのクーラにとっても、かなり大変な時間のかかることだったのではないかと思います。しかしクーラ自身には、楽しく、好奇心がそそられる知的探求という面がつよかったのかもしれません。
リハーサルの写真には、ピアノと譜面を前に、キャストらしき人とクーラの姿が見えます。全くの新作、書下ろしのオペラであり、初めて音になるわけで、作曲家・指揮者のクーラにとっても大きなチャレンジ。キャストの方たちもオケのメンバーにとっても当然ですが、初めての物語であり初めての音楽です。とてもエキサイティングであり、自分が譜面に書いたオペラが、実際に音として鳴り、歌として歌われ、キャストとオーケストラによって音楽ドラマとして組み立てられていく様子に立ち会うのは、どれほどわくわくすることでしょう。公演の映像化とともに、ぜひ、準備過程を含めたメイキング・ビデオのような形で紹介してほしいものです。