『仮面ライダーアマゾンズ シーズン2』(2017年4~6月配信 全13話)
脚本 …… 小林 靖子(52歳)
音楽 …… 蓜島 邦明(64歳)
監督 …… 石田 秀範(54歳)、田﨑 竜太(53歳)、金田 治(67歳)
主題歌『 DIE SET DOWN』(歌唱・小林太郎)
『仮面ライダーアマゾンズ』は、「仮面ライダー」シリーズの VOD(ビデオ・オン・デマンド)向けオリジナルビデオ作品で、シリーズ第4作『仮面ライダーアマゾン』(1974~75年放送)のリブート作品である。シーズン2(全13話)は2017年4月7日から6月30日まで、Amazonプライム・ビデオにて毎週金曜日に配信された。
シーズン2について
シーズン1から引き続いて脚本を担当した小林靖子は、「シーズン1が『野生と養殖』の物語であったが、シーズン2は『少年と少女』の物語である。」と語っている。また、プロデューサーの白倉伸一郎は、「シーズン1は、『生きること』にスポットを当てていたが、シーズン2は『人であること』に焦点を当て、シーズン1よりハードになっている。」と語っている。白倉はテレビでも放送されたシーズン1とは対照的に、テレビで放送できない内容にすることを考えており、監督の石田秀範は肉体的にも精神的にも痛々しい刺激的な表現を志向したという。
シーズン2の物語の舞台は、世界観こそ一緒であるものの前期とまったく異なる物語にするためにも、シーズン1の5年後と設定され、「シグマ少女」という小林の設定のもと、ボーイ・ミーツ・ガールを物語の主軸とした。小林は、鷹山仁や駆除班などのシーズン1の登場人物をまったく出さないことを想定していたが、プロデューサーの武部直美の意見によりシーズン1の登場人物も引き続き登場することとなった。
2018年5月12日には、シーズン2を再編集した映画『仮面ライダーアマゾンズSeason2 輪廻』が公開された。
シーズン2のあらすじ
シーズン1におけるトラロック事件から5年が経ち、実験体アマゾンのほとんどは駆逐され、世界は平和になりつつあった。だが、今度は人間に感染する新種のアマゾン細胞「溶原性細胞」が蔓延し、普通の人間がアマゾン化するという事態が発生していた。これに対し、政府は新たな駆除組織「4C」を結成し、アマゾン化した人間を秘密裏に駆逐していた。
そんな中、「アマゾンに育てられた」という孤児の少年・千翼は、4C に保護され教育を受けていたが脱走。アマゾン狩りをして収入を得る不良少年グループ「 TEAM X」に拾われ、その戦力として仮面ライダーアマゾンネオに変身し、アマゾンたちと戦っていた。だが、生まれつき食人衝動に駆られる千翼の前に、カラスアマゾンに変身して戦う謎の少女・イユが現れる。千翼は人生で初めて「食べたい」と思わない彼女に惹かれるが、イユの正体はアマゾン化してしまった実の父親に殺され、4C の手でシグマタイプとして蘇らされた人造アマゾンであった。イユをただの兵器として扱わせないため、千翼は4C に復帰し、戦闘部隊の一つ「黒崎隊」の一員となる。その一方、溶原性細胞を蔓延させている元凶がトラロック作戦から生き残ったマモル(モグラアマゾン)であると知った志藤たち旧駆除班は再集結し、同じくマモルを止めるために表舞台に姿を現した水澤悠(仮面ライダーアマゾンオメガ)、そして悠と向き合うために4C に加入した水澤美月とともに、再びアマゾン狩りを始めるのだった。
おもな登場人物やアマゾン(並んで演じる俳優の名前と年齢も表記)
千翼(ちひろ 仮面ライダーアマゾンネオ)…… 前嶋 曜(20歳)
シーズン2の主人公。幼少期に4C(フォーシー)に保護されており、その時の現場の状況からアマゾンに育てられたと目される少年。外見年齢は18歳ほどだが、アマゾン細胞の力によって成長が驚異的に早く、実年齢と比較すると通常の人間よりも大きく差がある。
生まれつき食人衝動に駆られており、自身の暴走を防ぐために他人から触れられることを嫌う他、食事という行為そのものも嫌悪し水と飲料状の栄養補助食品しか口にしない。幼少期に何者かに母親を食い殺された様子を見た記憶を持つが、母親を捕食したのは実は自分自身ではないかという疑いを捨てきれずにいる。普段は物静かだが、他のアマゾンと同等に扱われると猛反発し、敵のアマゾンとの戦闘でも凄まじ過ぎる勢いで攻撃を仕掛けるほどの凶暴性を内に秘めている。
対アマゾン用の戦士として4C に保護・育成されるが、橘によってモルモットのように扱われたために間もなく脱走。その後は自分を迎え入れた不良集団 TEAM X(チームキス)に所属し、アマゾン狩りの動画実況配信をコンテンツとしてアフィリエイト収入を得る活動に助力する代わりに住処を提供されていたが、戦いの中でイユに出会い、彼女を人間として扱うことを条件に4C に復帰し、彼女が所属する黒崎隊に入隊する。
星埜 イユ(カラスアマゾン)…… 白本 彩奈(14歳)
父親の誕生日の日に、アマゾンとなった父親に一家ごと殺された後、ヒトの死体にアマゾン細胞を移植した「第4のアマゾン」シグマタイプとして蘇った少女。享年16歳。父親に殺された際にえぐられた左目は義眼となっている。黒崎隊とともにトラロックで生き残ったアマゾンを狩っている。シーズン1で仮面ライダーアマゾンシグマとなった淳とは違ってタンパク質を摂取する必要があり、感情を持たないため相手の言葉や行動を反射的に繰り返す癖がある。
死体ゆえに感情を持たないが、父親の好きだった歌を口ずさむ時だけが唯一、生前の人間性がうかがい知れる。生前は料理が好きで、ケーキ作りなどをクラスの友達と共にしていた。
星埜 始(はじめ ハゲタカアマゾン)…… 山崎 潤(43歳)
イユの父親。細胞生物学を専門とする啓践大学の理工学部生命科学科教授であり、鷹山仁の大学時代の師でもあったが、自身の誕生日の日にハゲタカアマゾンと化し、自分の家族を惨殺する。その直後、生前に面識があった水澤悠によって殺された。アマゾン化する前は家族を愛する穏やかな人物だった。
水澤 悠(はるか 仮面ライダーアマゾンオメガ)…… 藤田 富(とむ 25歳)
シーズン1の主人公。25歳。アマゾン細胞がヒト型に成長した実験体とも、人間にアマゾン細胞を移植した仁とも異なる、アマゾン細胞にヒトの遺伝子を与えた第3のアマゾン。
4C に最大級のターゲットとして狙われており、4C の戦闘員になった美月、過去に因縁のあるイユと千翼の前に姿を現す。美月に対して「溶原性細胞によって生まれたアマゾンを狩ることに協力はするが、マモルたちの心情も理解して欲しい。」と協力を約束し、千翼に対してはイユに気をつけるよう警告する。溶原性細胞根絶のために志藤たち元駆除班と行動を共にし、元駆除班のスポンサーからネオアマゾンズドライバーを受け取り、仮面ライダーアマゾンニューオメガへと変身する。
好戦的で本能のままに実験体アマゾンを駆除していたシーズン1に対し、変身時の発声に落ち着きが見えたり戦闘方法にも大きな変化が見られるなど、5年の時を経て人間的な成長も伺える。
水澤 美月 …… 武田 玲奈(19歳)
22歳。水澤令華の実娘で、悠の義妹。
シーズン1の最終話で悠と決別した後、アマゾン駆除部隊「4C 」の青山隊に所属してアマゾンを狩っており、圧裂弾を扱えるほどの実力を持つ。
黒崎 武 …… 三浦 孝太(33歳)
4C の駆除部隊の一つである黒崎隊の隊長を務める。過去にアメリカで特殊部隊に所属していた経歴を持つ。主な使用武器はアサルトライフル。極めてクールかつドライな性格で、忠実に命令を遂行することのみを旨としており、生死を賭けたアマゾン駆除をしているため、いつも気だるそうでやさぐれた言動が目立っている。偏頭痛持ちであるのか、よく頭痛薬を服薬している。かつて悠とマモルの仲間だった福田に、アマゾンの仲間だったという理由で不信感を持っている。休日はスイーツバイキングに興じるなど、甘いものが好き。
札森 一郎 …… 籾木 芳仁(25歳)
政府から派遣された黒崎隊付きの官僚。戦闘能力は皆無で、常にできるだけ前線に出ることを望んでいないため、ネットウォッチングを自分の仕事として黒崎隊に所属し、インターネットの情報からアマゾンの居場所を探すなどの任務にあたる。呑気かつマイペースで、話し相手の神経を逆撫でするような言い回しも少なくない。休日はメンズエステに通っている。
福田 耕太 …… 田辺 和也(31歳)
40歳の男性。旧駆除班ではサブリーダー的存在で、バンの運転や狙撃など、主に後方支援を担当。寡黙で愛読の文庫本を駆除現場にまで持参し、待機時にもひとりで読み耽るほどの読書家だが、内には仲間思いの熱い性格を秘める。元警視庁特殊部隊出身で、その当時から志藤の部下であった。母が認知症を患い介護施設に入っているために介護費用を必要として旧駆除班に参加していた。戦闘時の主な武器は特殊部隊時代から使用しているライフル。
旧駆除班の解散後、引き続き母親の介護費用を捻出するために4C の駆除部隊「黒崎隊」に所属し、狙撃担当としてアマゾンを狩るが、悠やマモルのようにかつての仲間であるアマゾンを倒すことへの躊躇を否めず、それを橘や黒崎に見抜かれたことで美月とともに隊との別行動を命じられ、その中で旧駆除班や悠ら野座間製薬側と再び共闘することとなる。
福田の母 …… 泉 晶子(70歳)
認知症を患い、小川福祉病院の介護施設に入居している。足がすでに不自由となり車椅子で生活している。
本田 …… 宮城 大樹(27歳)
黒崎隊の隊員。
藤尾 …… 笠原 紳司(43歳)
4C の駆除部隊の一つである藤尾隊の隊長。アマゾンを嗅覚で探知する犬バロンを利用してアマゾン探査を行っている。
中島 …… 左 光哲(現・林光哲 26歳)
藤尾隊の隊員。アマゾンを嗅覚で探知する犬バロンと共に、美容室 Tuberoseの張り込み捜査を行う。
赤松 竜二 …… 内田 章文(36歳)
4C きってのエリート部隊である赤松隊の隊長を務める。黒崎隊と共に逃走した千翼の追跡任務に当たる。
橘 雄悟 …… 神尾 佑(47歳)
48歳の男性。野座間製薬株式会社国際営業戦略本部長。現在は、新たに設立された4C の局長を務めている。
イユをシグマタイプのアマゾンとして蘇らせたのは、あくまでもビジネスとして合理的に商品化させたに過ぎず、アマゾン細胞に人間の遺伝子を組み込ませた野座間製薬とは違うと製薬を批判している。
加納 省吾 …… 小松 利昌(44歳)
47歳の男性。ロボットのような挙動をみせ、何を考えているか全くわからない能面のような風貌だが、通常は令華に淡々と冷徹に職務を遂行し、付き従う優秀な秘書。
現在は野座間製薬から派遣され、新たに設立された4C の局長となった橘の秘書を務めているが、ひそかに令華に情報を流している。
長瀬 裕樹 …… 赤楚 衛二(23歳)
不良集団 TEAM Xのリーダー。17歳の高校生で、イユとは元同級生。ニックネームはヒロキ。三崎からのあだ名は「ボクちゃん」。合点がいかないことに直面すると激しく憤慨する荒々しい気性の持ち主。両親との不和から家を飛び出し、高校にも行かずアマゾン狩りをネット配信したアフィリエイト収入で生活している。
山下 琢己(ヒヒアマゾン)…… 三浦 海里(20歳)
不良集団 TEAM Xのメンバー。16歳。ニックネームはタク。Aroma Ozone を飲んだことで溶原性細胞に感染し、ヒヒアマゾンと化す。
北村 健太 …… 堂本 翔平(23歳)
不良集団 TEAM Xのメンバー。17歳。ニックネームはケンタ。母親の再婚相手と反りが合わず、長らく連絡を取っていない。
志藤(しどう)真 …… 俊藤 光利(43歳)
かつて旧駆除班のリーダーだった男性。46歳。元警視庁特殊部隊員で、現在4C に所属している福田は警視庁時代からの部下。ビールと柿の種が好物。
現在はバーのオーナーとなっており、店内にTEAM X のメンバーと千翼を住まわせている。アマゾン狩りの動向は今も気にしており、再び三崎と望を呼び寄せ自身もアマゾン狩りを始める。正体は明らかにされていないが、武器の調達などを援助している人物がいる。
高井 望 …… 宮原 華音(21歳)
旧駆除班の紅一点。27歳。三崎からのニックネームは「のんちゃん」。ぶっきらぼうで男勝りな性格で、志藤並みに毒舌で口が悪く女性らしさも皆無に等しいが、内面は優しい心の持ち主。
三崎 一也 …… 高木 勝也(30歳)
40歳。口髭をたくわえた飄々とした男性。元詐欺師で、多額の借金により追われる身となったことから旧駆除班に入っていた。
マモル(モグラアマゾン)…… 小林 亮太(18歳)
かつて「M」の識別コードで野座間製薬に管理されていたアマゾン。
シーズン1のトラロックから生き残ったアマゾンたちと共に、Aroma Ozone の水源を調査しに来た駆除班の前に現れ、溶原性細胞によりアマゾンとなった者を仲間として迎え、人間を狩ろうとしていることを明かした。しかし自身は三崎の腕を食したことがトラウマとなり、食人ができなくなっている。
5年前と比べて、言動にかつての無邪気さと純粋さが感じられなくなり、大人びた雰囲気を放つようになった。悠に対しても、以前のような単純な仲間意識ではなく「守りはしてくれるが、戦ってはくれない。」と不満を持っており、仲間のアマゾンたちを狩る仁を殺すことが出来なかった悠を強く批難し、信用しなくなっている。
シーズン2では、それまでの5年間の戦闘によって全身の筋力が増大し、両肩のアーマーも羽根のように大きく硬く成長してパワーアップしている。また、マモルのすさんだ精神状態を表現するため、狂気をイメージしたサイケデリックなカラーリングになっている。
島田(スズメバチアマゾン)…… 西 祐一郎(33歳)
シーズン1のトラロックから生き残ったアマゾンたちと共にマモルに従って行動する、眼鏡をかけた男性。人間と敵対するが、マモルやカオリと同様になんらかの心理的要因から食人ができない身体になっている。
カオリ(アリアマゾン)…… 中村 有沙(24歳)
シーズン1のトラロックから生き残ったアマゾンたちと共にマモルに従って行動する、ロングヘアの女性。人間と敵対するが、マモルや島田と同様になんらかの心理的要因から食人ができない身体になっている。
鷹山 仁(仮面ライダーアマゾンアルファ)…… 谷口 賢志(まさし 39歳)
シーズン1のもう1人の主人公。43歳。元・野座間製薬特殊研究開発本部の細胞生物学者で、爆発事故により実験体アマゾンの逃亡を許す事態となってしまったことに責任を痛感し、全てのアマゾンを葬り去るため、自らの身体にアマゾン細胞を移植し後天的にアマゾンとなった。
シーズン2でも引き続きアマゾン狩りを行い、悠とも衝突しているが、目が白濁し変身前後を問わず視力が著しく低下している。そのために戦闘スタイルも、自身へのダメージをも厭わない力任せで荒々しいものに変化している。
泉 七羽(ななは)…… 東 亜優(26歳)
仁の最愛のパートナー。30歳。徹底的に透徹した精神を持つ現実主義者。トラロックで生き残ったアマゾン狩りのために放浪する仁を持ち前のサバイバル技術でサポートしつつ、仁のトラロックによる後遺症が全快するまで介抱していた。
水澤 令華 …… 加藤 貴子(46歳)
48歳の女性。野座間製薬株式会社特殊研究開発本部長に就いており、アマゾンプロジェクト最重要責任者だった。
トラロック後に野座間製薬が4C への出資などの理由で経営難に陥り、事業の縮小や多額の賠償金で生活が困難になったため、悠がいた時代の自宅を売却した。その一方で野心はまだ失っておらず、天条と協力し旧駆除班のバックアップや溶原性細胞オリジナル態の調査を行っている。
天条 隆顕 …… 藤木 孝(77歳 2020年没)
野座間製薬の会長である男性。80歳。現在は老衰が進み病床に臥せっている。ほとんど寝たきりになりながらも相変わらず生物としてのアマゾンの可能性に憑りつかれており、令華や元駆除班たちに裏から支援を行っている。
ヒョウアマゾン1
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。TEAM X のアマゾン狩りに選ばれる。普段は警察官の姿をしている。俊足で追い詰め、両腕にあるクローで敵を仕留める。
クワガタアマゾン …… 白井 珠希(31歳)
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。結婚式場の花嫁が式の最中に発症し、花婿や参列者たちを食い殺した。腰部などから長い肢を伸ばして敵を捕らえ、先端にある爪で攻撃する。
デザイン発注時に生物的モチーフが指定されていた唯一の新種アマゾン。花嫁のアマゾンであるため、ベールとウェディングドレスを着たクワガタの怪人としてデザインされた。
カマキリアマゾン1
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。結婚式場の参列者の女性が変身する。両手にある鋭利な鎌で敵を引き裂く。
サイアマゾン1
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。結婚式場の参列者の女性が変身する。体重を活かした突進で敵に頭部の角を突き立てる。
ヘビアマゾン1
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。結婚式場の参列者の女性が変身する。右腕が蛇の尻尾状になっており、鞭のようにして相手を攻撃する。
ウニアマゾン
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。Aroma Ozone の営業所を調査しようとした青山隊とイユの前に現れた。サラリーマンのスーツを着ている。身体を球体状に丸め、空中を高速で飛行する攻撃を得意とする。
全身から尖ったトゲが突き出て服が破れているようにデザインされ、ムラサキウニやバフンウニのイメージで構成されている。
野乃森院長(ゾウアマゾン)…… 川嶋 秀明(48歳)
溶原性細胞に感染しアマゾン化した、野乃森耳鼻科の院長。長い鼻からチューブ状の器官を伸ばし、人間の耳に挿して脳髄を吸う。駆除しようとする千翼とイユとの戦闘になるが、食いかけていた人間を千翼に差し出したことで食人衝動を芽生えさせ、その隙に逃走する。
パートナーであるゾウムシアマゾンとの対比としてマッシブなデザインになっている。
ゾウムシアマゾン
溶原性細胞に感染しアマゾン化した、野乃森耳鼻科の看護師。長く伸びた口先からチューブ状の器官を伸ばし、人間の耳に挿して脳髄を吸う。駆除しようとする千翼とイユと戦う。
ナース服を着たアマゾンであるため、角張った感じにならないようにシンプルなデザインとなった。
周也(バラアマゾン)…… 藤本 涼(33歳)
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。全身に咲いているバラの花びらをギロチンのように鋭利にして人間の体を切り裂き、頭部を好んで食する。また、右腕のツタはハサミのようになり、敵を切り刻む。
Tuberose に勤務する婚約者のエミリが客を殺害し、アマゾン化した彼の棲むアパートに遺体の頭部を運んでいた。エミリの殺人が4C の藤尾隊に嗅ぎつけられたことで正体が判明し、4C を迎え撃つ。エミリを誤射した藤尾隊に逆上し、ほぼ全員を虐殺したところで駆けつけた千翼とイユと戦闘になるが、モグラアマゾンに変身したマモルに助太刀され逃走した。
アマゾンでは初の植物モチーフ。高貴なバラのイメージを意識する一方で、触手の不気味さも合わせてデザインされている。
エミリ …… 落合 恭子(29歳)
美容室 Tuberoseに勤務する美容師の女性。溶原性細胞に感染しバラアマゾンと化した婚約者の周也のために、来店する客を殺害してはその頭部を食料として提供していた。
サイアマゾン2
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。普段は他の2体のアマゾンと共に只野解体工業の作業員の姿をしており、閉園したふれあい動物パークの敷地内を拠点として近隣の人間を無差別に拉致し捕食していた。
ヒョウアマゾン2
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。普段は他の2体のアマゾンと共に只野解体工業の作業員の姿をしており、閉園したふれあい動物パークの敷地内を拠点として近隣の人間を無差別に拉致し捕食していた。
スーツはヒョウアマゾン1を黒く塗り直したもの。
カマキリアマゾン2
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。普段は他の2体のアマゾンと共に只野解体工業の作業員の姿をしており、閉園したふれあい動物パークの敷地内を拠点として近隣の人間を無差別に拉致し捕食していた。
ヘビアマゾン2
溶原性細胞に感染した、赤松隊の隊員の一人が変異したアマゾン。札森は千翼がアマゾン態となって暴走した際に飛び散った体液から感染したと推測している。
作中の専門用語
アマゾン
シーズン2では、シーズン1から登場している実験体アマゾンに加えて、溶原性細胞が人に感染してアマゾンと化した新種のアマゾンが登場する。
溶原性細胞の感染によりアマゾン化した者は、変身しても人間時に着用していた衣服がそのまま残ること、致命傷を受けて死亡しても肉体の溶解が起きず、黒く変色した死体が残ること、電気や対アマゾンガスによる攻撃は効かず、物理的な攻撃しか通用しないこと、人体の特定の部位を食すのを好むことといった点が、実験体アマゾンと異なる。発症すると自身にとって大切な人物や親しい者を最初に捕食しようとする傾向がある。
新種アマゾンのデザインは、共通のコンセプトとして衣服を着ている。新種アマゾンの発注は生物モチーフではなく、警官アマゾンや医者アマゾンなど職業名や人物で指定されていたため、デザインを担当した小林大祐は生物的モチーフの選定から行わなければならず苦労したと語っている。
野座間製薬株式会社
国内トップレベルの大手製薬会社。長年にわたりアマゾン細胞を研究開発していたが、現在は実験体アマゾン流出の責任が明るみに出て多額の賠償金を負っている。そのため事業も縮小し、トラロック事件の補償金と4C への出資によって経営が一気に悪化した。
旧駆除班
5年前まで最前線でのアマゾン駆除を請け負っていた特殊部隊。高額の報酬と引き換えに雇われたプロの傭兵たちが所属していた。4C の創設にあたり旧駆除班は解散となっていたが、志藤の呼びかけによってマモルや悠、福田を除くメンバーが再集結し、TEAM X のヒロキを加え活動を再開する。4C の黒崎隊長からは「中古車チーム」と揶揄されている。志藤が所有する地下式クラブ「 latin club leon」を拠点とする。
溶原性細胞
新種のアマゾン細胞。感染することで人間をアマゾン化させる。溶原性細胞に感染した者が発症すると体表に黒い腫瘍が浮かび上がり、理性も喪失する。悠によると、アマゾン細胞と人間の遺伝子がある条件を満たすことで変異したものとされている。また、人間の体内に入っても特定の条件を満たさなければ感染した者をアマゾン化させることはない。溶原性細胞はウイルスよりも大きいが、水分がなければすぐに死滅する。ゆえに接触感染や空気感染での二次感染は起こりにくいことから、橘は溶原性細胞の感染源が同一であると推測。調査の結果「 Aroma Ozone(アロマオゾン)」というメーカーが展開していた業務用ウォーターサーバーの水に溶原性細胞が含まれることが判明し、感染者は万単位と推測している。
4C(フォーシー)
野座間製薬と日本政府の共同出資によって新たに設立された、対アマゾン用の特務機関特定有害生物対策センター( Competitive Creatures Control Center)の略。当初はアマゾンの残党狩りが目的だったが、溶原性細胞による新種のアマゾンが出現した後は、これに対応する任務に就くようになった。ノザマペストンサービスの旧駆除班よりも規模が拡大され、「黒崎隊」をはじめとする複数の駆除部隊や機動部隊、情報部などが存在する。局長は橘が務めており、加納は橘の秘書となっている。千翼の復帰まではアマゾンの気配を探知できるメンバーが不在だったためにアマゾンへの対処が後手に回りがちで、「政府より市民( TEAM X)の方がちゃんとアマゾン狩りをしている。」と揶揄されていた。
黒崎隊
黒崎武が率いる4C のアマゾン駆除部隊。主要メンバーに札森や福田たちが所属し、アマゾンであるイユや千翼も配属され、後に美月も編入される。
赤松隊
赤松竜二が率いる4C きってのエリート駆除部隊。
圧裂弾
4C が扱う対アマゾン用の兵器。一撃でアマゾンを確実に粉砕する威力を持ち、一体のアマゾンに命中するとそのアマゾンから弾丸の中の起爆性が非常に高い成分が拡散され、他のアマゾンにも命中し大爆発する。その脅威的な破壊力から、市街地での使用は禁止されている。
TEAM X(チームキス)
千翼が所属している若者たちの不良集団。フォロワー数は500万人を超え、アマゾンを狩る様子を実況した動画をネット上にアップしては、多額のアフィリエイト収入を得ている。アマゾンである千翼の能力によって4C よりもアマゾンを発見しやすいため、黒崎隊は彼らの動向を追うことでアマゾンのいる現場を特定していた。
千翼の居場所を特定した4C によってスマホやバイクを破壊され、千翼の離脱とタクがヒヒアマゾン化して駆除されたこと、そのタクに襲われて片足を失ったケンタの入院、五体満足で生き残ったヒロキが志藤の旧駆除班入りを志願したことによって事実上の解散となる。
脚本 …… 小林 靖子(52歳)
音楽 …… 蓜島 邦明(64歳)
監督 …… 石田 秀範(54歳)、田﨑 竜太(53歳)、金田 治(67歳)
主題歌『 DIE SET DOWN』(歌唱・小林太郎)
『仮面ライダーアマゾンズ』は、「仮面ライダー」シリーズの VOD(ビデオ・オン・デマンド)向けオリジナルビデオ作品で、シリーズ第4作『仮面ライダーアマゾン』(1974~75年放送)のリブート作品である。シーズン2(全13話)は2017年4月7日から6月30日まで、Amazonプライム・ビデオにて毎週金曜日に配信された。
シーズン2について
シーズン1から引き続いて脚本を担当した小林靖子は、「シーズン1が『野生と養殖』の物語であったが、シーズン2は『少年と少女』の物語である。」と語っている。また、プロデューサーの白倉伸一郎は、「シーズン1は、『生きること』にスポットを当てていたが、シーズン2は『人であること』に焦点を当て、シーズン1よりハードになっている。」と語っている。白倉はテレビでも放送されたシーズン1とは対照的に、テレビで放送できない内容にすることを考えており、監督の石田秀範は肉体的にも精神的にも痛々しい刺激的な表現を志向したという。
シーズン2の物語の舞台は、世界観こそ一緒であるものの前期とまったく異なる物語にするためにも、シーズン1の5年後と設定され、「シグマ少女」という小林の設定のもと、ボーイ・ミーツ・ガールを物語の主軸とした。小林は、鷹山仁や駆除班などのシーズン1の登場人物をまったく出さないことを想定していたが、プロデューサーの武部直美の意見によりシーズン1の登場人物も引き続き登場することとなった。
2018年5月12日には、シーズン2を再編集した映画『仮面ライダーアマゾンズSeason2 輪廻』が公開された。
シーズン2のあらすじ
シーズン1におけるトラロック事件から5年が経ち、実験体アマゾンのほとんどは駆逐され、世界は平和になりつつあった。だが、今度は人間に感染する新種のアマゾン細胞「溶原性細胞」が蔓延し、普通の人間がアマゾン化するという事態が発生していた。これに対し、政府は新たな駆除組織「4C」を結成し、アマゾン化した人間を秘密裏に駆逐していた。
そんな中、「アマゾンに育てられた」という孤児の少年・千翼は、4C に保護され教育を受けていたが脱走。アマゾン狩りをして収入を得る不良少年グループ「 TEAM X」に拾われ、その戦力として仮面ライダーアマゾンネオに変身し、アマゾンたちと戦っていた。だが、生まれつき食人衝動に駆られる千翼の前に、カラスアマゾンに変身して戦う謎の少女・イユが現れる。千翼は人生で初めて「食べたい」と思わない彼女に惹かれるが、イユの正体はアマゾン化してしまった実の父親に殺され、4C の手でシグマタイプとして蘇らされた人造アマゾンであった。イユをただの兵器として扱わせないため、千翼は4C に復帰し、戦闘部隊の一つ「黒崎隊」の一員となる。その一方、溶原性細胞を蔓延させている元凶がトラロック作戦から生き残ったマモル(モグラアマゾン)であると知った志藤たち旧駆除班は再集結し、同じくマモルを止めるために表舞台に姿を現した水澤悠(仮面ライダーアマゾンオメガ)、そして悠と向き合うために4C に加入した水澤美月とともに、再びアマゾン狩りを始めるのだった。
おもな登場人物やアマゾン(並んで演じる俳優の名前と年齢も表記)
千翼(ちひろ 仮面ライダーアマゾンネオ)…… 前嶋 曜(20歳)
シーズン2の主人公。幼少期に4C(フォーシー)に保護されており、その時の現場の状況からアマゾンに育てられたと目される少年。外見年齢は18歳ほどだが、アマゾン細胞の力によって成長が驚異的に早く、実年齢と比較すると通常の人間よりも大きく差がある。
生まれつき食人衝動に駆られており、自身の暴走を防ぐために他人から触れられることを嫌う他、食事という行為そのものも嫌悪し水と飲料状の栄養補助食品しか口にしない。幼少期に何者かに母親を食い殺された様子を見た記憶を持つが、母親を捕食したのは実は自分自身ではないかという疑いを捨てきれずにいる。普段は物静かだが、他のアマゾンと同等に扱われると猛反発し、敵のアマゾンとの戦闘でも凄まじ過ぎる勢いで攻撃を仕掛けるほどの凶暴性を内に秘めている。
対アマゾン用の戦士として4C に保護・育成されるが、橘によってモルモットのように扱われたために間もなく脱走。その後は自分を迎え入れた不良集団 TEAM X(チームキス)に所属し、アマゾン狩りの動画実況配信をコンテンツとしてアフィリエイト収入を得る活動に助力する代わりに住処を提供されていたが、戦いの中でイユに出会い、彼女を人間として扱うことを条件に4C に復帰し、彼女が所属する黒崎隊に入隊する。
星埜 イユ(カラスアマゾン)…… 白本 彩奈(14歳)
父親の誕生日の日に、アマゾンとなった父親に一家ごと殺された後、ヒトの死体にアマゾン細胞を移植した「第4のアマゾン」シグマタイプとして蘇った少女。享年16歳。父親に殺された際にえぐられた左目は義眼となっている。黒崎隊とともにトラロックで生き残ったアマゾンを狩っている。シーズン1で仮面ライダーアマゾンシグマとなった淳とは違ってタンパク質を摂取する必要があり、感情を持たないため相手の言葉や行動を反射的に繰り返す癖がある。
死体ゆえに感情を持たないが、父親の好きだった歌を口ずさむ時だけが唯一、生前の人間性がうかがい知れる。生前は料理が好きで、ケーキ作りなどをクラスの友達と共にしていた。
星埜 始(はじめ ハゲタカアマゾン)…… 山崎 潤(43歳)
イユの父親。細胞生物学を専門とする啓践大学の理工学部生命科学科教授であり、鷹山仁の大学時代の師でもあったが、自身の誕生日の日にハゲタカアマゾンと化し、自分の家族を惨殺する。その直後、生前に面識があった水澤悠によって殺された。アマゾン化する前は家族を愛する穏やかな人物だった。
水澤 悠(はるか 仮面ライダーアマゾンオメガ)…… 藤田 富(とむ 25歳)
シーズン1の主人公。25歳。アマゾン細胞がヒト型に成長した実験体とも、人間にアマゾン細胞を移植した仁とも異なる、アマゾン細胞にヒトの遺伝子を与えた第3のアマゾン。
4C に最大級のターゲットとして狙われており、4C の戦闘員になった美月、過去に因縁のあるイユと千翼の前に姿を現す。美月に対して「溶原性細胞によって生まれたアマゾンを狩ることに協力はするが、マモルたちの心情も理解して欲しい。」と協力を約束し、千翼に対してはイユに気をつけるよう警告する。溶原性細胞根絶のために志藤たち元駆除班と行動を共にし、元駆除班のスポンサーからネオアマゾンズドライバーを受け取り、仮面ライダーアマゾンニューオメガへと変身する。
好戦的で本能のままに実験体アマゾンを駆除していたシーズン1に対し、変身時の発声に落ち着きが見えたり戦闘方法にも大きな変化が見られるなど、5年の時を経て人間的な成長も伺える。
水澤 美月 …… 武田 玲奈(19歳)
22歳。水澤令華の実娘で、悠の義妹。
シーズン1の最終話で悠と決別した後、アマゾン駆除部隊「4C 」の青山隊に所属してアマゾンを狩っており、圧裂弾を扱えるほどの実力を持つ。
黒崎 武 …… 三浦 孝太(33歳)
4C の駆除部隊の一つである黒崎隊の隊長を務める。過去にアメリカで特殊部隊に所属していた経歴を持つ。主な使用武器はアサルトライフル。極めてクールかつドライな性格で、忠実に命令を遂行することのみを旨としており、生死を賭けたアマゾン駆除をしているため、いつも気だるそうでやさぐれた言動が目立っている。偏頭痛持ちであるのか、よく頭痛薬を服薬している。かつて悠とマモルの仲間だった福田に、アマゾンの仲間だったという理由で不信感を持っている。休日はスイーツバイキングに興じるなど、甘いものが好き。
札森 一郎 …… 籾木 芳仁(25歳)
政府から派遣された黒崎隊付きの官僚。戦闘能力は皆無で、常にできるだけ前線に出ることを望んでいないため、ネットウォッチングを自分の仕事として黒崎隊に所属し、インターネットの情報からアマゾンの居場所を探すなどの任務にあたる。呑気かつマイペースで、話し相手の神経を逆撫でするような言い回しも少なくない。休日はメンズエステに通っている。
福田 耕太 …… 田辺 和也(31歳)
40歳の男性。旧駆除班ではサブリーダー的存在で、バンの運転や狙撃など、主に後方支援を担当。寡黙で愛読の文庫本を駆除現場にまで持参し、待機時にもひとりで読み耽るほどの読書家だが、内には仲間思いの熱い性格を秘める。元警視庁特殊部隊出身で、その当時から志藤の部下であった。母が認知症を患い介護施設に入っているために介護費用を必要として旧駆除班に参加していた。戦闘時の主な武器は特殊部隊時代から使用しているライフル。
旧駆除班の解散後、引き続き母親の介護費用を捻出するために4C の駆除部隊「黒崎隊」に所属し、狙撃担当としてアマゾンを狩るが、悠やマモルのようにかつての仲間であるアマゾンを倒すことへの躊躇を否めず、それを橘や黒崎に見抜かれたことで美月とともに隊との別行動を命じられ、その中で旧駆除班や悠ら野座間製薬側と再び共闘することとなる。
福田の母 …… 泉 晶子(70歳)
認知症を患い、小川福祉病院の介護施設に入居している。足がすでに不自由となり車椅子で生活している。
本田 …… 宮城 大樹(27歳)
黒崎隊の隊員。
藤尾 …… 笠原 紳司(43歳)
4C の駆除部隊の一つである藤尾隊の隊長。アマゾンを嗅覚で探知する犬バロンを利用してアマゾン探査を行っている。
中島 …… 左 光哲(現・林光哲 26歳)
藤尾隊の隊員。アマゾンを嗅覚で探知する犬バロンと共に、美容室 Tuberoseの張り込み捜査を行う。
赤松 竜二 …… 内田 章文(36歳)
4C きってのエリート部隊である赤松隊の隊長を務める。黒崎隊と共に逃走した千翼の追跡任務に当たる。
橘 雄悟 …… 神尾 佑(47歳)
48歳の男性。野座間製薬株式会社国際営業戦略本部長。現在は、新たに設立された4C の局長を務めている。
イユをシグマタイプのアマゾンとして蘇らせたのは、あくまでもビジネスとして合理的に商品化させたに過ぎず、アマゾン細胞に人間の遺伝子を組み込ませた野座間製薬とは違うと製薬を批判している。
加納 省吾 …… 小松 利昌(44歳)
47歳の男性。ロボットのような挙動をみせ、何を考えているか全くわからない能面のような風貌だが、通常は令華に淡々と冷徹に職務を遂行し、付き従う優秀な秘書。
現在は野座間製薬から派遣され、新たに設立された4C の局長となった橘の秘書を務めているが、ひそかに令華に情報を流している。
長瀬 裕樹 …… 赤楚 衛二(23歳)
不良集団 TEAM Xのリーダー。17歳の高校生で、イユとは元同級生。ニックネームはヒロキ。三崎からのあだ名は「ボクちゃん」。合点がいかないことに直面すると激しく憤慨する荒々しい気性の持ち主。両親との不和から家を飛び出し、高校にも行かずアマゾン狩りをネット配信したアフィリエイト収入で生活している。
山下 琢己(ヒヒアマゾン)…… 三浦 海里(20歳)
不良集団 TEAM Xのメンバー。16歳。ニックネームはタク。Aroma Ozone を飲んだことで溶原性細胞に感染し、ヒヒアマゾンと化す。
北村 健太 …… 堂本 翔平(23歳)
不良集団 TEAM Xのメンバー。17歳。ニックネームはケンタ。母親の再婚相手と反りが合わず、長らく連絡を取っていない。
志藤(しどう)真 …… 俊藤 光利(43歳)
かつて旧駆除班のリーダーだった男性。46歳。元警視庁特殊部隊員で、現在4C に所属している福田は警視庁時代からの部下。ビールと柿の種が好物。
現在はバーのオーナーとなっており、店内にTEAM X のメンバーと千翼を住まわせている。アマゾン狩りの動向は今も気にしており、再び三崎と望を呼び寄せ自身もアマゾン狩りを始める。正体は明らかにされていないが、武器の調達などを援助している人物がいる。
高井 望 …… 宮原 華音(21歳)
旧駆除班の紅一点。27歳。三崎からのニックネームは「のんちゃん」。ぶっきらぼうで男勝りな性格で、志藤並みに毒舌で口が悪く女性らしさも皆無に等しいが、内面は優しい心の持ち主。
三崎 一也 …… 高木 勝也(30歳)
40歳。口髭をたくわえた飄々とした男性。元詐欺師で、多額の借金により追われる身となったことから旧駆除班に入っていた。
マモル(モグラアマゾン)…… 小林 亮太(18歳)
かつて「M」の識別コードで野座間製薬に管理されていたアマゾン。
シーズン1のトラロックから生き残ったアマゾンたちと共に、Aroma Ozone の水源を調査しに来た駆除班の前に現れ、溶原性細胞によりアマゾンとなった者を仲間として迎え、人間を狩ろうとしていることを明かした。しかし自身は三崎の腕を食したことがトラウマとなり、食人ができなくなっている。
5年前と比べて、言動にかつての無邪気さと純粋さが感じられなくなり、大人びた雰囲気を放つようになった。悠に対しても、以前のような単純な仲間意識ではなく「守りはしてくれるが、戦ってはくれない。」と不満を持っており、仲間のアマゾンたちを狩る仁を殺すことが出来なかった悠を強く批難し、信用しなくなっている。
シーズン2では、それまでの5年間の戦闘によって全身の筋力が増大し、両肩のアーマーも羽根のように大きく硬く成長してパワーアップしている。また、マモルのすさんだ精神状態を表現するため、狂気をイメージしたサイケデリックなカラーリングになっている。
島田(スズメバチアマゾン)…… 西 祐一郎(33歳)
シーズン1のトラロックから生き残ったアマゾンたちと共にマモルに従って行動する、眼鏡をかけた男性。人間と敵対するが、マモルやカオリと同様になんらかの心理的要因から食人ができない身体になっている。
カオリ(アリアマゾン)…… 中村 有沙(24歳)
シーズン1のトラロックから生き残ったアマゾンたちと共にマモルに従って行動する、ロングヘアの女性。人間と敵対するが、マモルや島田と同様になんらかの心理的要因から食人ができない身体になっている。
鷹山 仁(仮面ライダーアマゾンアルファ)…… 谷口 賢志(まさし 39歳)
シーズン1のもう1人の主人公。43歳。元・野座間製薬特殊研究開発本部の細胞生物学者で、爆発事故により実験体アマゾンの逃亡を許す事態となってしまったことに責任を痛感し、全てのアマゾンを葬り去るため、自らの身体にアマゾン細胞を移植し後天的にアマゾンとなった。
シーズン2でも引き続きアマゾン狩りを行い、悠とも衝突しているが、目が白濁し変身前後を問わず視力が著しく低下している。そのために戦闘スタイルも、自身へのダメージをも厭わない力任せで荒々しいものに変化している。
泉 七羽(ななは)…… 東 亜優(26歳)
仁の最愛のパートナー。30歳。徹底的に透徹した精神を持つ現実主義者。トラロックで生き残ったアマゾン狩りのために放浪する仁を持ち前のサバイバル技術でサポートしつつ、仁のトラロックによる後遺症が全快するまで介抱していた。
水澤 令華 …… 加藤 貴子(46歳)
48歳の女性。野座間製薬株式会社特殊研究開発本部長に就いており、アマゾンプロジェクト最重要責任者だった。
トラロック後に野座間製薬が4C への出資などの理由で経営難に陥り、事業の縮小や多額の賠償金で生活が困難になったため、悠がいた時代の自宅を売却した。その一方で野心はまだ失っておらず、天条と協力し旧駆除班のバックアップや溶原性細胞オリジナル態の調査を行っている。
天条 隆顕 …… 藤木 孝(77歳 2020年没)
野座間製薬の会長である男性。80歳。現在は老衰が進み病床に臥せっている。ほとんど寝たきりになりながらも相変わらず生物としてのアマゾンの可能性に憑りつかれており、令華や元駆除班たちに裏から支援を行っている。
ヒョウアマゾン1
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。TEAM X のアマゾン狩りに選ばれる。普段は警察官の姿をしている。俊足で追い詰め、両腕にあるクローで敵を仕留める。
クワガタアマゾン …… 白井 珠希(31歳)
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。結婚式場の花嫁が式の最中に発症し、花婿や参列者たちを食い殺した。腰部などから長い肢を伸ばして敵を捕らえ、先端にある爪で攻撃する。
デザイン発注時に生物的モチーフが指定されていた唯一の新種アマゾン。花嫁のアマゾンであるため、ベールとウェディングドレスを着たクワガタの怪人としてデザインされた。
カマキリアマゾン1
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。結婚式場の参列者の女性が変身する。両手にある鋭利な鎌で敵を引き裂く。
サイアマゾン1
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。結婚式場の参列者の女性が変身する。体重を活かした突進で敵に頭部の角を突き立てる。
ヘビアマゾン1
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。結婚式場の参列者の女性が変身する。右腕が蛇の尻尾状になっており、鞭のようにして相手を攻撃する。
ウニアマゾン
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。Aroma Ozone の営業所を調査しようとした青山隊とイユの前に現れた。サラリーマンのスーツを着ている。身体を球体状に丸め、空中を高速で飛行する攻撃を得意とする。
全身から尖ったトゲが突き出て服が破れているようにデザインされ、ムラサキウニやバフンウニのイメージで構成されている。
野乃森院長(ゾウアマゾン)…… 川嶋 秀明(48歳)
溶原性細胞に感染しアマゾン化した、野乃森耳鼻科の院長。長い鼻からチューブ状の器官を伸ばし、人間の耳に挿して脳髄を吸う。駆除しようとする千翼とイユとの戦闘になるが、食いかけていた人間を千翼に差し出したことで食人衝動を芽生えさせ、その隙に逃走する。
パートナーであるゾウムシアマゾンとの対比としてマッシブなデザインになっている。
ゾウムシアマゾン
溶原性細胞に感染しアマゾン化した、野乃森耳鼻科の看護師。長く伸びた口先からチューブ状の器官を伸ばし、人間の耳に挿して脳髄を吸う。駆除しようとする千翼とイユと戦う。
ナース服を着たアマゾンであるため、角張った感じにならないようにシンプルなデザインとなった。
周也(バラアマゾン)…… 藤本 涼(33歳)
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。全身に咲いているバラの花びらをギロチンのように鋭利にして人間の体を切り裂き、頭部を好んで食する。また、右腕のツタはハサミのようになり、敵を切り刻む。
Tuberose に勤務する婚約者のエミリが客を殺害し、アマゾン化した彼の棲むアパートに遺体の頭部を運んでいた。エミリの殺人が4C の藤尾隊に嗅ぎつけられたことで正体が判明し、4C を迎え撃つ。エミリを誤射した藤尾隊に逆上し、ほぼ全員を虐殺したところで駆けつけた千翼とイユと戦闘になるが、モグラアマゾンに変身したマモルに助太刀され逃走した。
アマゾンでは初の植物モチーフ。高貴なバラのイメージを意識する一方で、触手の不気味さも合わせてデザインされている。
エミリ …… 落合 恭子(29歳)
美容室 Tuberoseに勤務する美容師の女性。溶原性細胞に感染しバラアマゾンと化した婚約者の周也のために、来店する客を殺害してはその頭部を食料として提供していた。
サイアマゾン2
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。普段は他の2体のアマゾンと共に只野解体工業の作業員の姿をしており、閉園したふれあい動物パークの敷地内を拠点として近隣の人間を無差別に拉致し捕食していた。
ヒョウアマゾン2
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。普段は他の2体のアマゾンと共に只野解体工業の作業員の姿をしており、閉園したふれあい動物パークの敷地内を拠点として近隣の人間を無差別に拉致し捕食していた。
スーツはヒョウアマゾン1を黒く塗り直したもの。
カマキリアマゾン2
溶原性細胞に感染した元人間のアマゾン。普段は他の2体のアマゾンと共に只野解体工業の作業員の姿をしており、閉園したふれあい動物パークの敷地内を拠点として近隣の人間を無差別に拉致し捕食していた。
ヘビアマゾン2
溶原性細胞に感染した、赤松隊の隊員の一人が変異したアマゾン。札森は千翼がアマゾン態となって暴走した際に飛び散った体液から感染したと推測している。
作中の専門用語
アマゾン
シーズン2では、シーズン1から登場している実験体アマゾンに加えて、溶原性細胞が人に感染してアマゾンと化した新種のアマゾンが登場する。
溶原性細胞の感染によりアマゾン化した者は、変身しても人間時に着用していた衣服がそのまま残ること、致命傷を受けて死亡しても肉体の溶解が起きず、黒く変色した死体が残ること、電気や対アマゾンガスによる攻撃は効かず、物理的な攻撃しか通用しないこと、人体の特定の部位を食すのを好むことといった点が、実験体アマゾンと異なる。発症すると自身にとって大切な人物や親しい者を最初に捕食しようとする傾向がある。
新種アマゾンのデザインは、共通のコンセプトとして衣服を着ている。新種アマゾンの発注は生物モチーフではなく、警官アマゾンや医者アマゾンなど職業名や人物で指定されていたため、デザインを担当した小林大祐は生物的モチーフの選定から行わなければならず苦労したと語っている。
野座間製薬株式会社
国内トップレベルの大手製薬会社。長年にわたりアマゾン細胞を研究開発していたが、現在は実験体アマゾン流出の責任が明るみに出て多額の賠償金を負っている。そのため事業も縮小し、トラロック事件の補償金と4C への出資によって経営が一気に悪化した。
旧駆除班
5年前まで最前線でのアマゾン駆除を請け負っていた特殊部隊。高額の報酬と引き換えに雇われたプロの傭兵たちが所属していた。4C の創設にあたり旧駆除班は解散となっていたが、志藤の呼びかけによってマモルや悠、福田を除くメンバーが再集結し、TEAM X のヒロキを加え活動を再開する。4C の黒崎隊長からは「中古車チーム」と揶揄されている。志藤が所有する地下式クラブ「 latin club leon」を拠点とする。
溶原性細胞
新種のアマゾン細胞。感染することで人間をアマゾン化させる。溶原性細胞に感染した者が発症すると体表に黒い腫瘍が浮かび上がり、理性も喪失する。悠によると、アマゾン細胞と人間の遺伝子がある条件を満たすことで変異したものとされている。また、人間の体内に入っても特定の条件を満たさなければ感染した者をアマゾン化させることはない。溶原性細胞はウイルスよりも大きいが、水分がなければすぐに死滅する。ゆえに接触感染や空気感染での二次感染は起こりにくいことから、橘は溶原性細胞の感染源が同一であると推測。調査の結果「 Aroma Ozone(アロマオゾン)」というメーカーが展開していた業務用ウォーターサーバーの水に溶原性細胞が含まれることが判明し、感染者は万単位と推測している。
4C(フォーシー)
野座間製薬と日本政府の共同出資によって新たに設立された、対アマゾン用の特務機関特定有害生物対策センター( Competitive Creatures Control Center)の略。当初はアマゾンの残党狩りが目的だったが、溶原性細胞による新種のアマゾンが出現した後は、これに対応する任務に就くようになった。ノザマペストンサービスの旧駆除班よりも規模が拡大され、「黒崎隊」をはじめとする複数の駆除部隊や機動部隊、情報部などが存在する。局長は橘が務めており、加納は橘の秘書となっている。千翼の復帰まではアマゾンの気配を探知できるメンバーが不在だったためにアマゾンへの対処が後手に回りがちで、「政府より市民( TEAM X)の方がちゃんとアマゾン狩りをしている。」と揶揄されていた。
黒崎隊
黒崎武が率いる4C のアマゾン駆除部隊。主要メンバーに札森や福田たちが所属し、アマゾンであるイユや千翼も配属され、後に美月も編入される。
赤松隊
赤松竜二が率いる4C きってのエリート駆除部隊。
圧裂弾
4C が扱う対アマゾン用の兵器。一撃でアマゾンを確実に粉砕する威力を持ち、一体のアマゾンに命中するとそのアマゾンから弾丸の中の起爆性が非常に高い成分が拡散され、他のアマゾンにも命中し大爆発する。その脅威的な破壊力から、市街地での使用は禁止されている。
TEAM X(チームキス)
千翼が所属している若者たちの不良集団。フォロワー数は500万人を超え、アマゾンを狩る様子を実況した動画をネット上にアップしては、多額のアフィリエイト収入を得ている。アマゾンである千翼の能力によって4C よりもアマゾンを発見しやすいため、黒崎隊は彼らの動向を追うことでアマゾンのいる現場を特定していた。
千翼の居場所を特定した4C によってスマホやバイクを破壊され、千翼の離脱とタクがヒヒアマゾン化して駆除されたこと、そのタクに襲われて片足を失ったケンタの入院、五体満足で生き残ったヒロキが志藤の旧駆除班入りを志願したことによって事実上の解散となる。
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