日本勢のシニアビジネスの知見に関心
「日本製品のブースは人だかりがすごかった」。中国・上海で5〜6月、2年ぶりに開かれた同国最大規模の高齢者関連製品・サービス展示会「CHINA AID 2023」。世界から400社強、日本からも数十社が参加したこの展示会を訪れた日本貿易振興機構(ジェトロ)の藤本勉課長代理は驚きを隠さない。高齢社会に急速に突入した中国では「日本の技術や知見への関心は高い」と証言する。
展示会に出品したFUJIが注力するのは高齢者の移乗支援ロボット「Hug」シリーズの最新版。ロボットに抱えられるように乗り、リモコン操作でベッドなどから移動できる。電子部品実装機などが主力の同社の技術を生かし約5年前に販売を本格化。2021年の日本のロボット大賞で厚生労働大臣賞となった実力製品だ。
国内で年約1000台を販売し、近年は韓国で大型受注を得た。新型コロナウイルス禍で中国の商談は滞っていたが、ロボットソリューション事業本部第四営業部の小川朋子課長は「今年は勝負の年」と意気込む。
パナソニックが中国・江蘇省で開業した高齢者向け居住区「雅達・松下社区」
大手も日本のノウハウで海外市場を拓(ひら)く。中国・江蘇省でパナソニックホールディングスが現地企業と開業したのが「養老都市」だ。健康状態を測れるトイレなど、パナソニックの技術を生かし「健康長寿の街づくりに挑む」(パナソニック中国・北東アジア社住建空間事業部WST推進室の柳海清室長)。
世界に先駆けた日本の高齢化。そこには課題もあるが、世界のシニア市場では強みだ。世界の65歳以上人口は20年で7億人、60年には18億人になるとの予測がある。中国などでは現地製品の台頭はあるが、それでも日本の技術やサービスなど「先駆者の知見」は商機になる。
国内のシニア市場はさらに先へ
日本国内のシニア市場は世界市場のさらに先へと進化する。
総務省によると国内の65歳以上の人口は22年10月1日時点で約3624万人。総人口に占める割合は29%に達する。少子化に伴う労働力不足や年金財政の不安などから、働き手としての社会的な役割は高まる。
シニア自身も健康寿命が延びるなかで、できるだけ長く現役として働き、プライベートも充実させたいアクティブシニア志向を一段と強めている。人生100年時代は65歳以降も「余生」ではなくなってきた。
そうした現役志向のシニアの需要の受け皿も広がっている。ヒューマンホールディングス(2415)が運営する資格スクール・ヒューマンアカデミーでキャリアコンサルタントの講座が人気だ。カウンセラーとして働く都内在住の70代女性は、長年、発達障害の子がいる家庭のカウンセリングを続けてきたが、発達障害者の就労支援まで仕事にできるようにと、キャリアコンサルタントの講座に通う。
ヒューマンアカデミーでは65歳以上の新規入会が昨年に比べ約3%増えた。「長年の仕事経験や得意分野を起点にしつつ、リスキリング(学び直し)で長く活躍したい高齢者が増えている」(ヒューマンHD)
コロナ禍の外出控えで若者よりも停滞していたシニアの消費も動き出しつつある。旅行やカラオケなどシニア消費は全体としてはなお回復途上だが、リゾートトラスト(4681)の会員制ホテルでは、利用者の半数前後を占める60代がコロナ禍前の水準に戻ってきた。都市部のホテルがインバウンド(訪日外国人)で混雑する事情もあり、滞在型の旅行先として比較的富裕な高齢者に支持されている。元気なシニアが経済を動かす素地が整いつつある。
三井住友DSアセットマネジメントでシニア関連銘柄に投資するファンドを運用する山県泰介氏は「高齢者の消費が動けば関連銘柄の収益拡大はもちろん、中長期でもシニアエコノミーの目覚めは外食から小売り、サービス業、そして輸出企業まで幅広く株価を押し上げる」と期待する。
日本から世界のシニアマーケットに挑む最前線を追った。
「中国では、高齢者が元気に楽しく人生を送りたいという意識が高まっている。それを支える技術や知見を提供することで、中国の『養老・健康』分野のトップを目指す」。パナソニックホールディングス傘下のパナソニック中国・北東アジア社住建空間事業部WST推進室の柳海清室長は力を込める。
江蘇省宜興市で現地企業と開業した「雅達・松下社区」は、高齢者向けの「養老都市」を開発するプロジェクトだ。敷地にはマンションや戸建てなど1170戸の高齢者向け住居を設けた。各戸には寝室の明るさを自動で調整する照明システムなどパナソニックが日本で培った最先端の家電製品などが100品以上組み込まれている。
現地企業がパナソニックに注目したのは、同社が家電などの技術のほか、日本国内での街づくりの経験もあるからだ。パナソニックが神奈川県藤沢市で手掛ける「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(SST)」で取り組む居住複合サービスを見て「高齢者版のSSTを中国で展開できないかと誘われた」(柳室長)という。
世界で先んじて高齢社会に入った日本。その企業が持つ技術や知見は、日本に遅れて健康長寿を目指すことになる各国で商機を見いだせる可能性がある。
学研ホールディングス傘下のメディカル・ケア・サービス(さいたま市)は今後2024年にかけて、中国で認知症ケアの専門施設や老人ホームなど新たに3棟の運営を始める。同社が中国で運営する施設は計10棟になる。
日本勢による中国への高齢者関連施設を巡っては、2010年代に進出したものの、現地企業の台頭などを背景に失敗した例もある。同社は認知症ケアという付加価値で攻める。日本国内で、認知症になっても「自分らしく」元気に暮らせる家をコンセプトにしたグループホームなどを300棟以上運営している。「中国では認知症のケアをできる施設はまだまだ限られている。日本の先端の認知症ケアへのニーズは強い」。メディカル・ケア・サービスのワン・スーウェイ取締役は説明する。
医療・介護用ロボで欧米受注も
サイバーダインはマレーシア政府が主導する医療複合施設「国立神経ロボット・サイバニクスセンター」事業に参画する。施設は37万平方メートル規模で、24年末に竣工を予定する。装着することで神経系の疾患を持つ患者の症状や高齢者の身体機能の改善などが期待できる同社の「HALシリーズ」の大型受注が期待される。
山海嘉之社長は「超高齢化社会のさまざまな課題を解決し、世界の人々の健康を維持するための新しい技術を生み出す拠点にしたい」と話す。
アジアのほか、近年は英国で介護向けに大型受注をするなど米国や欧州でも受注が相次ぐ。同社の連結売上高に占める海外比率は22年度、53%と前年度比で23ポイント上昇した。
食品分野も有望だ。
キリンホールディングスは買収したオーストラリアの健康食品メーカーの東南アジアや中国の販路を生かしながら、免疫機能を維持するキリンの独自素材「プラズマ乳酸菌」を拡販。シニアらの「未病」意識に訴える。
森永乳業(2264)もベトナムで、買収した食品メーカー・エロヴィと協力し、脂肪分ゼロのヨーグルトの展開を始めた。ベトナムでは経済成長で食の欧米化が進み、高血圧の高齢者が増えているとみて、潜在需要を掘り起こす。
介護人材不足も解決
急速に高齢化する国では介護人材の不足も課題となる。そこに商機を見いだす日本企業も出てきた。7月下旬、
菊池製作所が出資するイノフィス(八王子市)は、6月に出したばかりの新商品「マッスルスーツ ソフトパワー」の大型契約にこぎつけた。マッスルスーツは介助者が装着することで、要介護の人などを抱き上げる際の体の負担を減らす効果がある。国内では介護施設のほかに、物流や製造業の現場で使用されている。
大型契約の顧客は、台湾で介護用品の販売などを手掛ける企業。新商品の重量は430グラムと軽量だ。価格も従来品の半分以下にしたエントリーモデルで、アジア圏の事業者から待望されていた。「100着以上の受注だった。アジアのほかの国、欧州などでも販路を広げ、25年までにスーツシリーズの海外売上比率を50%にまで引き上げる」。依田大取締役は声を強める。
日本で実績を積んだ商品に対して、アジアの介護関連の事業者からの関心は高いものの、中国や台湾、韓国などのメーカーも力を入れるだけに、市場は陣取り合戦になる可能性もある。ジェトロの海外展開支援部、藤本勉課長代理は「コロナ禍が世界で落ち着いてきた今、商談が一気に動き出している」と指摘。「競争力があるときにどこまで伸ばせるかがポイントになる」と話す。
(飯島圭太郎、田村篤士、田中早紀、八木悠介)
[日経ヴェリタス2023年8月13日号]
日経記事 2023.08.13より引用
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今の日本の大問題が、少子化・高齢化、女性の社会参画、そして子供の虐待などです。実は、これに一番真剣に取り組んでいたのが、ネットで話題となっている自民党の丸川るい議員でした。
東大法学部卒、5ケ国語堪能な元外交官。外交官時代はインテリジェンス担当で、ジュネーブ軍縮会議で一等書記官として日本代表で参画。 海外の要人と外交官時代から人脈があります。また彼女の実家はお医者さんで元々は東大理Ⅲを志望し合格圏内にあった、文系・理系ともに日本トップクラスの逸材で、政財界では女性初の総理に最も近いとされていた政治家です。
小詩化対策ではフランスが世界で最も成功しているのは有名な話で、フランスの議員さんに何をやって成功しているのかを勉強に行ったのだと思います。 我々民間人でも買いがいい出張に行った際、観光地に行くのはよくあることで、ガタガタ騒ぐほどの事ではありません。 同席した女性・自民党員たちが観光写真や食事の社sンをネットでばらまき、一般国民の間で炎上しました。 6時間しかフランスの議員との勉強会に参加しなかったといいますが、普通に考えて先鋒の議員もそれ以上時間はtれないでしょう。
LGBTでも松野官房長官が最初から、男性が女子風呂にはいって良いとか女子トイレに入って良いという法律ではないと言っていたのに、これが認められるというデマを拡散する野党政治家。言論人が騒ぎ炎上しました。選挙があるかもしれないというのが背景にあると思います。
大愛こういう例があるというのは海外で対推された案件で、海外でも認められていない証拠です。こんなことで政治生命の危機にさらされる松川議員に同情すると共に、日本国民にはもっと常識で考えてほしいものだと思います。