ご近所に立派なツバキの木がありました。
40年ぐらいになるツバキの木です。
高さも階下の庇以上に伸びて
二階の窓に届きそうなくらいの丈なのです。
大きな花を無数につけて、威風堂々と咲き誇ります。
赤・ピンク・二色・白色がかったピンク
見事なツバキの木、「木」ではなく「樹」と呼びたいくらいです。
奥様が施設に入られました。
若奥様が部屋を改修工事すると同時に、
庭木を伐採するように業者に依頼されました。
重機の音やチェンソーの音など高らかに上げて、
いとも簡単に伐採が始まりました。
無情な機械音。
あの立派なツバキの樹がうち倒されて・・・
聞こえてくる勇ましい音に反比例して、急に寂しさが打ち寄せました。
よそ様のツバキなのですが、胸に痛いほど迫るものがありました。
もう隣家との目隠しや、涼しい木陰を作ることはありません。