『R・P・G』は、ほかの宮部みゆき作品となんだか雰囲気が違う
というか、もともとは舞台のために書かれた作品のノベライズ版
のような印象(つかこうへいのような)を持ったのですが、じっさ
いは文庫用に書き下ろしたもので、行動範囲が狭く、一場劇の
ような物語の展開だったので、そう感じてしまったのかと。
この作品には、「模倣犯」と「クロスファイア」の登場人物が出て
きます。登場人物といっても刑事と女性警官。推理小説におけ
る“追う側”はポワロやホームズのようにシリーズ化したり、シリ
ーズとまではいかなくとも、ミステリー系の作品では再登場して
別の事件に関わり、前作では語られなかった部分を描いたりと
いったことがけっこう見られます。
これがマニア心をくすぐるといいましょうか。
ある日の夜、どこかから争う声と悲鳴が聞こえたと通報があり、
警官が付近を調べてみると、建設途中の家の中から男の死体が
見つかります。
その数日前、ここからだいぶ離れた現場で、カラオケボックスの
入居するビルの非常階段で女性が殺されます。
このふたつの事件は被害者が生前関係があったことから、連続
殺人事件として捜査され、はじめは殺された女性と恋愛トラブル
を抱えていた同じ大学に通うA子が疑われます。
やがて、殺された男がパソコン内で「擬似家族」を作って交流し、
そしてこの擬似家族と会っていたことがわかり、こちらの方面か
らも捜査され、母親役、娘役、息子役の3人が参考人として署で
質問されます。その質問の様子は隠し部屋で、殺された男の実
の娘が見ており、父が殺される数日前に誰かと話しているところ
をこの娘は目撃、この3人のうちの一人なのではないかと面通し
するのですが・・・
あとがきで著者自身がお詫びしているように、この作品では推理
小説として「え、そんなのアリ?」と思う部分がありますが、まあ
それが物語を台無しにしているなんてことはありませんでしたし、
相変わらず人間の描き方は上手く、そして荒んだ人間関係の中
でも光明を見出して生きるんだという希望で締めくくる。
これが説教くさくなくて、宮部みゆきの本の醍醐味ですかね。
というか、もともとは舞台のために書かれた作品のノベライズ版
のような印象(つかこうへいのような)を持ったのですが、じっさ
いは文庫用に書き下ろしたもので、行動範囲が狭く、一場劇の
ような物語の展開だったので、そう感じてしまったのかと。
この作品には、「模倣犯」と「クロスファイア」の登場人物が出て
きます。登場人物といっても刑事と女性警官。推理小説におけ
る“追う側”はポワロやホームズのようにシリーズ化したり、シリ
ーズとまではいかなくとも、ミステリー系の作品では再登場して
別の事件に関わり、前作では語られなかった部分を描いたりと
いったことがけっこう見られます。
これがマニア心をくすぐるといいましょうか。
ある日の夜、どこかから争う声と悲鳴が聞こえたと通報があり、
警官が付近を調べてみると、建設途中の家の中から男の死体が
見つかります。
その数日前、ここからだいぶ離れた現場で、カラオケボックスの
入居するビルの非常階段で女性が殺されます。
このふたつの事件は被害者が生前関係があったことから、連続
殺人事件として捜査され、はじめは殺された女性と恋愛トラブル
を抱えていた同じ大学に通うA子が疑われます。
やがて、殺された男がパソコン内で「擬似家族」を作って交流し、
そしてこの擬似家族と会っていたことがわかり、こちらの方面か
らも捜査され、母親役、娘役、息子役の3人が参考人として署で
質問されます。その質問の様子は隠し部屋で、殺された男の実
の娘が見ており、父が殺される数日前に誰かと話しているところ
をこの娘は目撃、この3人のうちの一人なのではないかと面通し
するのですが・・・
あとがきで著者自身がお詫びしているように、この作品では推理
小説として「え、そんなのアリ?」と思う部分がありますが、まあ
それが物語を台無しにしているなんてことはありませんでしたし、
相変わらず人間の描き方は上手く、そして荒んだ人間関係の中
でも光明を見出して生きるんだという希望で締めくくる。
これが説教くさくなくて、宮部みゆきの本の醍醐味ですかね。