こちらの作品は江戸川乱歩賞受賞作品で、物語の内容はというと、
プロレス団体での話。過去けっこう受賞作品を読んできましたが(全
部ではありませんけど)、「マッチメイク」はある意味異質で、どこか
ユーモラス。でも広義の意味でミステリーですし、筋もしっかりしてい
ますし、そして何よりもパワーを感じます。
大阪に本拠地を置くプロレス団体の新人レスラー山田聡はメインイベ
ントの会長の試合の直前、会長から暗号のような言葉を投げかけられ
ます。試合がはじまり、相手レスラーの凶器攻撃で会長は流血し、そ
のまま倒れてしまいます。心配する山田をよそに先輩レスラーも同期
入門の本庄も余裕。しかし事態は深刻で意識の戻らない会長は病院
に搬送され死亡。
死因は蛇の毒。凶器に仕込まれていた可能性があり、山田は控え室
にあったカッターの行方が気になります。
犯人が特定できないまま月日は経ち、山田は門番としての修行をはじ
めることに。門番の仕事は、たまに来る道場破りに絶対に負けてはなら
ず、しかしプロレスの試合ではその強さを封印し、わざと負けたりする、
いわば日陰の存在に徹すること。
先輩から厳しいトレーニングを課せられている最中、その先輩がバーベ
ルで圧死しているのが発見されます。
会長と先輩の死は関連があるのか、連続殺人だとすれば犯人は団体
の中の誰かということに・・・
作品中に、プロレスはある程度「お約束」があり、凶器攻撃による流血
もじつは自分で傷つけたりレフェリーが上手に傷つけたりします。
さらに、試合終了までの流れ自体が事前に決まっていたりもします。
しかしこれは八百長とは違い、はじめからガチンコではなくエンターテイ
ンメントとして考えれば演出や演技は必要。
こういった事情や営業法人としてのプロレス団体の一面、門番になるべ
く修行する山田のトレーニング風景など、とてもわかりやすい描写。
とても個性的なキャラクターをこの一作で封印してしまうのはちょっともっ
たいない気もします。続編を希望するところです。
プロレス団体での話。過去けっこう受賞作品を読んできましたが(全
部ではありませんけど)、「マッチメイク」はある意味異質で、どこか
ユーモラス。でも広義の意味でミステリーですし、筋もしっかりしてい
ますし、そして何よりもパワーを感じます。
大阪に本拠地を置くプロレス団体の新人レスラー山田聡はメインイベ
ントの会長の試合の直前、会長から暗号のような言葉を投げかけられ
ます。試合がはじまり、相手レスラーの凶器攻撃で会長は流血し、そ
のまま倒れてしまいます。心配する山田をよそに先輩レスラーも同期
入門の本庄も余裕。しかし事態は深刻で意識の戻らない会長は病院
に搬送され死亡。
死因は蛇の毒。凶器に仕込まれていた可能性があり、山田は控え室
にあったカッターの行方が気になります。
犯人が特定できないまま月日は経ち、山田は門番としての修行をはじ
めることに。門番の仕事は、たまに来る道場破りに絶対に負けてはなら
ず、しかしプロレスの試合ではその強さを封印し、わざと負けたりする、
いわば日陰の存在に徹すること。
先輩から厳しいトレーニングを課せられている最中、その先輩がバーベ
ルで圧死しているのが発見されます。
会長と先輩の死は関連があるのか、連続殺人だとすれば犯人は団体
の中の誰かということに・・・
作品中に、プロレスはある程度「お約束」があり、凶器攻撃による流血
もじつは自分で傷つけたりレフェリーが上手に傷つけたりします。
さらに、試合終了までの流れ自体が事前に決まっていたりもします。
しかしこれは八百長とは違い、はじめからガチンコではなくエンターテイ
ンメントとして考えれば演出や演技は必要。
こういった事情や営業法人としてのプロレス団体の一面、門番になるべ
く修行する山田のトレーニング風景など、とてもわかりやすい描写。
とても個性的なキャラクターをこの一作で封印してしまうのはちょっともっ
たいない気もします。続編を希望するところです。