はじめて出会ったカポーティの作品は「冷血」という、実際に
起きた事件をドキュメントタッチで描く「ノンフィクションノベル」
という手法の作品で、衝撃を受けたことを鮮明に覚えていま
す。
そんなカポーティという作家が「冷血」を執筆した数年前に、
あのオードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝
食を」の原作を書いていたということを知り、二重に衝撃を受
けました。
そして、その原作を読んでみたのですが、映画のほうはかな
り前に観たので記憶が曖昧なのですが、それでも原作と映画
かいろいろな点(おおまかな部分も細かい部分も)で違ってい
ることにビックリしました。
まず、オードリー・ヘップバーン演じるホリーが映画の冒頭で
ニューヨークの五番街にある宝石店ティファニーのショウウィン
ドウの前で、紙コップのコーヒー片手にパンを食べる、これこそ
ティファニーで朝食、という場面なのですが、原作の小説では
これはあくまでホリーの比喩で、究極のセレブになれば五番街
の一流宝石店で朝食でも食べられるわね、といった表現。
ちなみに、翻訳者も現地に赴き、ティファニー界隈で飲食店を
探すも見つからず。これがニューヨークに観光に来た「おのぼり
さん」のお決まりなんだそうです。
そして、決定的に違うのが、主人公が一人称である「私」の職業
が、原作では小説家希望の男であるのに対し、映画ではヒモ。
もっとも、リアリティーを追求すれば、マンハッタンのアパートに
貧しい作家志望が住めるわけはなく、このディテールが原作に
は無かったので、ここは責められないとしても、映画ではホリー
と「私」がゴールインする、という設定ですが、原作の冒頭では
ホリーとの出会いから別れの数年後、アフリカにいたという情報
を耳にする「私」なのです。
原作と映画の違いを挙げていけばキリがないのでここらでやめ
ますが、例えるならば、設計の骨組みを拝借して仕上がりは完
成予想図とは違う建物を作ってしまった、そんな感じ。
ところで、原作では同じアパートに住む日本人は「ユニオシ」と
いう登場人物がいて、物語のけっこう隠し味的なアクセントにな
る働きをするのですが、確か映画では苗字が同じかは覚えてま
せんが、出っ歯でメガネで浴衣という、偏ったイメージの役者でし
た。というか、おそらく日本にこんな苗字はないでしょう。
「冷血」でも日本人一家が出てきましたが、そんなに悪い描き方
というわけではないので嫌日家ではなさそうですね。
「ユニオシ」って、他の苗字と聞き間違えたんでしょうね。
起きた事件をドキュメントタッチで描く「ノンフィクションノベル」
という手法の作品で、衝撃を受けたことを鮮明に覚えていま
す。
そんなカポーティという作家が「冷血」を執筆した数年前に、
あのオードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝
食を」の原作を書いていたということを知り、二重に衝撃を受
けました。
そして、その原作を読んでみたのですが、映画のほうはかな
り前に観たので記憶が曖昧なのですが、それでも原作と映画
かいろいろな点(おおまかな部分も細かい部分も)で違ってい
ることにビックリしました。
まず、オードリー・ヘップバーン演じるホリーが映画の冒頭で
ニューヨークの五番街にある宝石店ティファニーのショウウィン
ドウの前で、紙コップのコーヒー片手にパンを食べる、これこそ
ティファニーで朝食、という場面なのですが、原作の小説では
これはあくまでホリーの比喩で、究極のセレブになれば五番街
の一流宝石店で朝食でも食べられるわね、といった表現。
ちなみに、翻訳者も現地に赴き、ティファニー界隈で飲食店を
探すも見つからず。これがニューヨークに観光に来た「おのぼり
さん」のお決まりなんだそうです。
そして、決定的に違うのが、主人公が一人称である「私」の職業
が、原作では小説家希望の男であるのに対し、映画ではヒモ。
もっとも、リアリティーを追求すれば、マンハッタンのアパートに
貧しい作家志望が住めるわけはなく、このディテールが原作に
は無かったので、ここは責められないとしても、映画ではホリー
と「私」がゴールインする、という設定ですが、原作の冒頭では
ホリーとの出会いから別れの数年後、アフリカにいたという情報
を耳にする「私」なのです。
原作と映画の違いを挙げていけばキリがないのでここらでやめ
ますが、例えるならば、設計の骨組みを拝借して仕上がりは完
成予想図とは違う建物を作ってしまった、そんな感じ。
ところで、原作では同じアパートに住む日本人は「ユニオシ」と
いう登場人物がいて、物語のけっこう隠し味的なアクセントにな
る働きをするのですが、確か映画では苗字が同じかは覚えてま
せんが、出っ歯でメガネで浴衣という、偏ったイメージの役者でし
た。というか、おそらく日本にこんな苗字はないでしょう。
「冷血」でも日本人一家が出てきましたが、そんなに悪い描き方
というわけではないので嫌日家ではなさそうですね。
「ユニオシ」って、他の苗字と聞き間違えたんでしょうね。