飛騨の山猿マーベリック新聞

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●検証野党共闘【上】【中】【下】

2021年11月14日 11時32分52秒 | ●YAMACHANの雑記帳
一般社団法人「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さん(本人提供)

一般社団法人「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さん(本人提供)

「社会の閉塞破る将来像を」 若者に政治参加を促す「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんに聞く

<検証・野党共闘㊦>
 先の衆院選で、自民、公明両党の与党に対抗するため、立憲民主党や共産党などが多くの小選挙区で候補者を一本化した野党共闘。与野党が1対1で対決する構図に持ち込むことで、立民が小選挙区で議席を増やし、一定の成果を得たが、比例代表は伸び悩んだ。
 立民の枝野幸男代表が衆院選敗北の責任を取って12日に辞任。来夏の参院選に向けて野党の連携はどうあるべきか、本紙は3人の識者らにインタビューした。
 ―先の衆院選は戦後3番目の低投票率だった。
 「若い世代にとって、与党も野党も上の世代が政治をやっているように映り、みんな同じようで違いが見えづらい。立憲民主党も共産党も政治を変えると言うけど、党首らは変わらず、本当に変えられるのかなと思った。野党が対立軸を示せず、受け皿になりきれていないから投票率が上がらないように感じる」
 ―野党共闘が受け皿にならなかった理由は。
 「『反自公政権』というだけで、共通ビジョンが見えなかった。小選挙区の候補一本化は大事だけど、そもそも投票用紙に野党と書けないわけだから、有権者へのメッセージとして野党共闘と打ち出すことがおかしい。何年かごとに政権交代が起きる国なら、そんな言葉にはならなかったと思う。野党マインドが染み付いてしまっていたのでは」
 ―野党共闘でジェンダー平等や消費税減税などの共通政策を掲げたが。
 「バラバラに並べただけで、全体像が分かりにくかった。ジェンダー平等や気候変動対策など、社会的な課題は底辺でつながっていて、それらの課題が解決されることは、人にとって、経済にとっていいこと。自民、公明両党の与党とは違う社会、経済のあり方を『1枚の絵』で見たかった」
 ―野党の訴えが若者らに響いていない。
 「自分たちの負担が減るのかどうか、社会保障や外交は大丈夫かという疑念がぬぐえていない。何となく自民に任せるしかないという消極的支持がほとんどではないか。選挙戦で争点となった『分配』も、今、生活に困っている人への対応は当然必要だけど、20年後、30年後の将来が不安だと思う人たちには施策として伝わらない」
 ―求められる政策は。
 「ジェンダー平等や気候変動対策など世界的に叫ばれている課題を反映しようとはしているが、与野党とも声になっていない社会へのもどかしさや不安を拾えていない気がする。格差が広がる中、自助が先に来る自民の保守政治に対抗して、より再分配機能を強め、さまざまな自由を保障するために生活の安定を確保するといったリベラル勢力の対抗軸が必要ではないか」
 ―来夏の参院選に向けて野党はどうあるべきか。
 「野党には権力監視の役割はあるが、与党を責めるだけではなくて、いかに自民がつくってきた社会に問題があり、自分たちはどんな社会をつくるかを見せるのが大事。経済成長しないと私たちの世代に果実は来ないという自民と同じ土俵に乗るのではなく、社会の閉塞感を打開する将来像を違う形で示してほしい」(聞き手・市川千晴)

 のうじょう・ももこ 1998年生まれ。大学時代に若者の投票率の高いデンマークに留学中、「NO YOUTH NO JAPAN」(現在は一般社団法人)を発足させた。若者の政治参加を促す情報をオンラインを中心に発信している。慶応大院で財政学を専攻

競争を 慶応大の松井孝治教授に聞く

慶応大の松井孝治教授

慶応大の松井孝治教授

<検証 野党共闘㊥>
 先の衆院選で、自民、公明両党の与党に対抗するため、立憲民主党や共産党などが多くの小選挙区で候補者を一本化した野党共闘。与野党が1対1で対決する構図に持ち込むことで、立民が小選挙区で議席を増やし、一定の成果を得たが、比例代表は伸び悩んだ。
 立民の枝野幸男代表が衆院選敗北の責任を取って12日に辞任する意向を表明する中、来夏の参院選に向けて野党の連携はどうあるべきか、本紙は3人の識者らにインタビューした。
 ―立憲民主党などの野党は衆院選小選挙区の候補者一本化で協力したが、立民は議席を減らした。
 「戦術的に野党共闘の効果が全くなかったとは言い切れない。分裂状態では小選挙区では勝てぬ、という立民の枝野幸男代表の言うことも分かる。ただ、共闘した共産党、れいわ新選組、社民党に比べ、より幅広い支持層を持っていたはずの立民から、右でも左でもない中間層の人たちの票が逃げていった」
 ―その理由は。
 「政権を取って目指すべき社会を掘り下げて有権者に提示できなかったことが、一番の敗因だ。ビジョンがない共闘は数合わせにとどまり、主要な共通項は『反自民』という印象を与えた。共産と申し合わせた『限定的な閣外協力』で中道右派はもちろん、中道左派の一部も突き放してしまった。旧民主党政権の失敗で支持が目減りしていた部分はあるが、共通政策も政権批判色が強く、魅力的な柱がないように受け止められた」
 ―立民など野党にはどんな政策が求められるか。
 「旧民主党も2009年の政権交代当時、自民政権の批判はしたが、子育て世代の支持を得るために『チルドレンファースト』に加えて『コンクリートから人へ』や『新しい公共』など、自民とは違う構想を示していた。NPOや農業、観光など、民間で公共的な役割を担っている人たちと幅広く連携していく地道な活動も求められる」
 ―立民は連合との関係が悪化し、トヨタ労組は組織内候補の擁立を見送った。
 「トヨタのようなグローバル企業は本来、財界として与党を支え、労組で野党を支える『両輪』があったが、今の野党との協力は有害と判断したのでは。立民は実利を求める層から見放されている。自公政権には不満だが、現実的に物事を回してほしいという有権者は日本維新の会か、やむなく自民に投票した」
 ―今回の衆院選を経て政権交代可能な二大政党制は遠のいたのか。
 「直ちに実現するのは困難かもしれないが、単一勢力が政権を担い続けるのは日本の民主主主義にとって不健全だ。政権交代によって政治をらせん状に改善するのが民主主義国家。自民内の疑似政権交代では(政権)独占の弊害の除去は困難で、二大政党ならずとも何らかの対抗勢力を創出し、健全な競争を生み出さなければならない」
 ―立民は政権を担う勢力になり得るか。
 「私がツイッターで『立民が終わった』と言わざるを得なかったのは、やはり共産との閣外協力。私たちが非自民、非共産と言ってきたことが覆ってしまった。政権政党への道を捨てたかのような印象を与えた」
 ―今後をどう見るか。
 「左派が協力して自民を批判していれば一定の勢力は確保できるが、中道派は忌避し、自民党勢力を安定させる新しい55年体制ができるだけだ。立民の新たな代表がもう一度、国民民主や維新の一部と連携し、非自民の共闘を新しく組み直そうとする可能性はあるが、共産との共闘を白紙にすることは困難で、分裂含みの動きとなる可能性が高い」
 ―野党共闘の見直しが必要だと。
 「共産と連携しながら、政権を担うのは難しい。中道勢力でまとまろうとすれば、左派の一部はこぼれるだろうがやむを得ない。簡単なことではないが、中道改革勢力の結集を優先させた上で、自民の非主流派までを含んだ勢力との連携が可能になれば、政権を担える大きな塊ができる」
 ―低投票率も現状維持の政治を生み出している。
 「団塊の世代などに比べて、若い世代は論争や批判を好まないし、国会の揚げ足取りを長時間見る時間はない。政治課題の多様さや深刻さを認識してもらい、与野党のどちらが立派なことを言っているかを国民に示すには、党首討論に勝るものはない。短時間の真剣勝負で、与野党がしのぎを削る姿を見せることで選択肢を示し、政治への関心を高められる」(聞き手・大野暢子)

 まつい・こうじ 1960年生まれ。東大教養学部卒。83年に旧通商産業省入省。2001年の参院選で旧民主党から出馬、当選し、2期務めた。官房副長官、参院内閣委員長、党筆頭副幹事長などを歴任。現在は慶応大総合政策学部教授(統治機構論)。一般財団法人「創発プラットフォーム」理事。

「野党共闘の必要性は変わらず」参院選に向け、地域ごとの柔軟な戦略を 法政大の山口二郎教授に聞く

<検証 野党共闘㊤>
野党共闘について話す法政大の山口二郎教授

野党共闘について話す法政大の山口二郎教授

 先の衆院選で、自民、公明両党の与党に対抗するため、立憲民主党や共産党などが多くの小選挙区で候補者を一本化した野党共闘。与野党が一対一で対決する構図に持ち込むことで、立民が小選挙区で議席を増やし、一定の成果を得たが、比例代表は伸び悩んだ。
 立民の枝野幸男代表が衆院選敗北の責任を取って12日に辞任する意向を表明する中、来夏の参院選に向けて野党の連携はどうあるべきか、本紙は3人の識者らにインタビューした。
 初回の山口二郎法政大教授は、共闘の方向性については間違っていないと指摘。その上で、ジェンダー平等など自民党とは違った政策を明確に掲げ、地域のそれぞれの実情に合わせた非自民勢力の連携を模索していくべきだと訴える。
 インタビュー企画では、リベラルから穏健保守まで幅広い国民の支持をどう得るかや、若者の関心を得るために何が必要かなども掘り下げる。
 ―衆院選の選挙結果をどう見るか。
 「小選挙区に限れば、立憲民主党は公示前に比べて議席を増やし、野党共闘の効果はあった。敗れはしたものの、僅差の小選挙区も多かった。浮き沈みは常にあり、結果自体は嘆くほどではない。ただ、議席増への期待が大きかっただけに落胆の度合いが大きい」
 ―敗因は。
 「2極対立の構図をつくりきれなかった。東京都を中心に大都市圏で日本維新の会が候補者を立て、自民党か野党共闘の候補かという2択ではなくなった。維新が非自民の票を集めて議席を増やした。維新は大阪という絶対的な拠点を持っており、当面、3極の構造が続くだろう」
 ―自民は首相交代が奏功した。
 「菅義偉前首相が辞任して、安倍晋三元首相から続いた政治の記憶が消去されてしまった。自民は9年近く権力を握っていたにもかかわらず、その功罪への議論はないままで、岸田文雄首相に代えて、過去の失敗を隠す効果はあった」
 ―野党側も攻めきれなかった。
 「立民にも問題はあった。共産党と選挙に臨むことは既定路線で、批判があってもはね返す確信と攻める姿勢を出した方が良かったが、ぎりぎりまで態度を保留した。4年前の果敢な姿勢と違っていた。会員制交流サイト(SNS)で『枝野立て』というブームが起きた2017年衆院選と異なり、枝野幸男代表に戦うリーダーというイメージがなかった」
 ―共産と対立する支援組織の連合への配慮では。
 「連合の支援も必要だし、共産にも候補者を降ろしてもらわないといけないということでバランスを取ったと思う。ただ、枝野代表は言い訳が多く、一般の有権者に対する訴求力は出なかった」
 ―野党共闘で立民は比例代表で議席を減らした。
 「共産と組んだからではなく、立民や枝野代表のイメージが低下したことが大きな原因だと思う。4年前の衆院選で立民に入れた人たちのかなりの部分が、議席を増やしたれいわ新選組に流れた可能性がある。れいわは19年の参院選の比例票とほぼ同じ200万票余りを獲得しており、固定の支持層がいると受け止めている」
 ―政権交代にはリベラル勢力に加え、中間層の取り込みも欠かせない。
 「連合の神津里季生前会長の時には、連合と市民連合の間に暗黙の役割分担があった。市民連合がリベラル勢力をまとめ、連合が立民と国民民主党をつなげる。全体として、非自民の広い範囲の野党の力を結集するという事実上の合意があった。しかし、10月に連合の会長が替わり、共産との連携に反対する印象が強まった」
 ―来夏の参院選では改選1人区の勝敗が鍵を握る。
 「維新が台頭し、国民民主も反共路線を明確にしている。候補者の一本化を妨げる要因は増えたが、自民に対抗するには、政党ブロックをつくるしかない。野党が共闘する必要性は変わっていない」
 ―今回の選挙の教訓は。
 「政党や支援組織などが中央レベルで合意して、野党候補の一本化さえできれば、二者択一で投票してくれると思い込んだ部分はあった。しかし、地域ごとに政治的な事情は違う。(野党共闘を後押しする)市民連合がエネルギーを持っている地域もあれば、連合の地方組織の助けを借りないと戦えない地域もある。柔軟に戦略を考えるしかない。今回、厳しい選挙戦を勝ち抜いた小選挙区の野党候補は、日ごろからそれぞれと信頼関係を築いていた。立民はそうした経験を党全体で共有すべきだ」
 ―立民は年内に新体制が発足する。
 「目指してきた方向性は間違っていない。野党の共通政策も変える必要はない。大敗というメディアの批評に動揺する信念のなさこそが問題だ。旗印は、自民が無関心なジェンダーの平等や貧困の解消でもいい。政権交代によって目指す社会像を鮮明に打ち出してほしい」
 ―立民の代表選で共闘の是非も争点になりそうだ。
 「率直な議論が必要だが、今回、小選挙区で勝った政治家は共闘を否定できるはずはない」
 ―共産への期待や注文はあるか。
 「政策的には以前に比べて中道に寄ってきているが、かつての左翼的な政党というイメージがぬぐえていないという印象だ。党名を変えるかどうかを含め、どうするかは共産自身が考えるべきことだ」
 ―市民連合の野党共闘へのかかわり方は変わるか。
 「政治的な環境が変わっており、1回区切りを付けた方がいい。関わっている世代も高齢化しており、取り組むべき課題も議論を通して再設定すべきだ。名前を変え、担い手の世代や性別も広げていく必要がある」
 ―維新との連携は。

 「政策などが違いすぎて、およそ協力できる相手ではない。維新への支持も持続するか分からない。国民民主も当面は見守るしかない。今すぐ何かしようと考えず、ある程度考えが近い立民、共産、れいわ、社民でブロックをつくることが基本だろう」(聞き手・我那覇圭)

 やまぐち・じろう 1958年生まれ。東大法学部卒。北海道大教授を経て、2014年から法政大教授。10月の衆院選では、野党共闘を後押しする「市民連合」の運営委員として、立憲民主党や共産党などが合意した共通政策の立案に携わり、野党の連携を仲介した。著書に「民主主義は終わるのか―瀬戸際に立つ日本」など。


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