「私はギャンブル依存症」──衝撃の告白以来、大阪府・市のIR(カジノ)計画に再び逆風が吹き荒れている。
ドジャースの大谷翔平の元通訳・水原一平氏(39)が賭博の「沼」にはまり、改めて依存症の怖さがクローズアップされる中、SNSでは〈大阪にカジノを作ってはいけない〉〈どれだけの「水原一平さんの悲劇」を生むことになるか〉などの批判が噴出。矛先はIRを猛プッシュしてきた吉村府知事ら日本維新の会に向かっている。
安倍政権が成長戦略の柱にIRを掲げた当初、8つの自治体が誘致に動いたが、コロナ禍を機に相次いで撤退。2022年に和歌山県が、今年3月に長崎県が断念し、唯一、残るのは大阪府・市の計画のみだ。事業全体の売上額は年間約5200億円と見込むが、うち約4200億円はカジノ事業だ。収益の8割をギャンブルに頼る一大賭博場をつくろうとしているのだ。
実質6日間、ギャンブル三昧に…
年間の想定来訪者数は2000万人。インバウンドを呼び込むはずが、国外は600万人にとどまる。結局、7割を占める国内来訪者から賭け金をタンマリふんだくるわけだが、すでに日本はギャンブル依存症大国だ。厚労省は17年、依存症が疑われる人は推計320万人と発表。成人の3.6%と世界屈指の高水準なのに、カジノにおける依存症対策はユルユルだ。
「IR整備法で週3回、月10回の入場規制を設けていますが、『1回』の区切りは24時間。例えば月曜の午後5時から火曜の午後5時まで滞在可能です。ほぼ『1泊2日』で、週に3回繰り返せば実質6日間はカジノに入り浸れてしまう。施設内のレストランで腹ごしらえ、ホテルで休めば一歩も外に出ず、ギャンブル三昧です。客の囲い込みが、カジノ事業者のノウハウ。格安の宿泊券や食事券の提供も想定されます。海外には賭け金の上限を規制するカジノもあり、その方が依存症対策には効果的です。吉村府知事は先週の囲み取材で『IRが来ることで依存症が減るくらいの取り組みを目指す』と豪語していましたが、ちっとも説得力はありません」(ジャーナリスト・横田一氏)
今、引き返さなければ確実に「悲劇」は繰り返される。カジノの導火線に過ぎない万博も無用だ。
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