★参院選挙前の与野党最後の攻防となる補正予算案の審議がスタートした。スムーズすぎて22年度予算が3月に早々に成立したにもかかわらず、もう2兆7000億円の補正予算案審議とは、政府は随分と国会をばかにしたものだ。それでなくとも安倍政権以来、コロナ対策予備費として計上した12兆円の使い道は不明なものが多く、日経新聞によれば「最終的な用途を正確に特定できたのは6・5%の8000億円強にとどまった」という。
★国会の仕事は法律を作ることと、国民の税金を使った予算を丁寧に審議し使い道や使い方を厳しくチェックすることだが、予備費の国会審議はない。どう使われたか何に使われたかも国民どころか国会議員にもわからないまま放置されていることに怒らず、追加の補正審議に応ずる野党ののんきぶりにもあきれる。思えば10年前、民主党政権がマニフェストで子ども手当・出産支援5・5兆円、公立高校の無償化0・5兆円など総額16兆規模の予算案を羅列、財源は霞が関にある埋蔵金を充てるとしたが、野党自民党と霞が関の激しい抵抗で都市伝説とされた。
★当時の民主党幹事長・小沢一郎は霞が関の各省庁や外郭団体、許認可などが利権化した事業や地方自治体や民間に利権を移譲したり、法改正によってあぶりだされる余剰金や積立金、本来ならば浮いたであろう合法的な霞が関内にある“裏金化”した予算を埋蔵金と呼んだが、メスを入れきれなかった。その後事業仕分けなどで攻め込んでみたが不発に終わったトラウマがあるのか、いわば官邸に持ち込まれた埋蔵金12兆円に旧民主党勢力の野党は攻め込むことができない。ウクライナ情勢に伴う物価やガソリン価格の高騰、防衛費の大幅増強の財源に注文を付けるぐらいでは政府に迫る論戦など期待できない。繰り返すが野党にはこれが参院選前の最後のチャンスだ。(K)※敬称略
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