一年の終わりまでグダグダだ。岸田首相は27日、政治資金や選挙運動の“影武者”疑惑、旧統一教会との関係などさまざまな問題を抱えていた秋葉復興相をようやく更迭。後任には渡辺博道元復興相を充てた。
秋葉氏も渡辺氏も茂木派に所属。党内派閥のバランスや、来年1月からの通常国会で答弁に立つことを考えれば、復興相経験者である渡辺氏の起用は順当な人事に見える。
ただ、当初は26日に更迭の予定で、秋葉氏の後任も茂木派の伊藤達也元金融担当相と報道されていた。なぜ1日遅れた上に渡辺氏の起用に変わったのか。その舞台裏はドタバタだったようだ。
渡辺氏にも遺産をめぐり骨肉の争いの過去
渡辺氏は早大法学部卒業、明大大学院法学研究科を修了後、千葉県松戸市役所や一族経営のタクシー会社「渡辺交通」での勤務を経て、1995年に千葉県議会議員に初当選。その1年後、96年の衆院選に千葉6区で立候補して当選し、現在8期目だ。地味で目立たないが、派閥では副会長として、党では経理局長として茂木を支える。
27日の就任会見で、渡辺氏は「『政治とカネ』について特に問題になるようなことはない」と言っていたが、過去にはカネの問題が報じられたことがある。
経産副大臣時代の06年、ファミリー企業の渡辺交通が民事再生法の適用を申請。それ以前に赤字経営が続いていたにもかかわらず、本人や家族らに対し「借入金の返済」などの名目で約2億円が優先的に支出されていた。国会でも追及されたが、渡辺氏は「民事再生の手続き中」であることを理由に説明を拒んだ。また、妻と2人の子どもを自分の父親と養子縁組させ、遺産の法定相続人の数を増やして基礎控除額を増やしたと週刊誌に報じられたこともある。当時の取材に渡辺氏は「養子縁組? そうですよ。相続対策としてやったんですよ」と認めていた。「渡辺さんには14歳と12歳離れた2人のお姉さんがいるんだけど、渡辺交通を創業した父親が亡くなると、遺産をめぐって骨肉の争いをしていましたね。30億円もの遺産が消えてしまったとかで、渡辺さんは実姉たちから裁判を起こされた。すでに亡くなった長姉は、週刊誌の取材に『弟はお金に汚いだけの政治家。あの程度の人間が国会議員になれるかと思うと情けない』などと話していました」(地元関係者)
更迭した閣僚の後任者にスキャンダルが持ち上がれば政権は持たないが、大丈夫なのか。
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