元タレント中居正広さんと女性とのトラブルを巡り、フジテレビ社員の関与が報じられた問題で、フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は27日、フジテレビの嘉納修治会長(FMH会長を兼務)と港浩一社長(FMH取締役を兼務)が退任すると発表した。
一連の問題へのメディアの関心は高く、東京都港区で開かれた記者会見には400人を超えるジャーナリストやYouTuberらが殺到。午後4時に始まった会見は10時間以上に及び、28日午前2時20分すぎに終わった。
記者会見にはフジテレビの遠藤龍之介副会長、清水賢治次期社長(28日付で就任)らも同席した。さまざまな疑問に、経営陣はどう答えたのか。(デジタル編集部)
◆フジテレビ社員は関与していないのか?
〈中居さんと女性のトラブルは昨年末、女性セブンや週刊文春が報じて表面化した。報道ではフジテレビ社員の関与が指摘されたが、港社長は今年1月17日の記者会見で否定している。〉
―社員や中居氏の聞き取りや、通信履歴を調べたという結果のみで「一切関与していない」と断定した。プライベートな場、つまりクローズドな(閉じた)空間で起きたことにもかかわらず、なぜ断定できたのか。本当に十分な調査をしたのか。
港社長 「当該日に関しての履歴、ヒアリング、これは確かに女性側のヒアリングが欠けているところはあるかもしれませんが、当該社員と中居氏のヒアリングと履歴を精査した結果、これは関与していないと信じるに足るというふうに思っています」
◆日枝久相談役はなぜ記者会見に出ない?
〈「フジテレビの天皇」とも呼ばれる実力者、日枝久・相談役(フジサンケイグループ代表)の不在を問題視する質問も相次いだ。〉
―ここになぜ日枝久・相談役がいないのか。
遠藤副会長 「この会見自体がフジテレビの問題でございますので、フジテレビの会長、社長以下で対応しております」
―日枝相談役が長年トップに立っている。嘉納会長と港社長の辞任は、世間からはトカゲのしっぽ切りにしか見えない。本当にこれで今後フジテレビは変わっていけるのか。
嘉納会長 「相談役には必要な事項について報告したり、相談して知恵を借りたりすることは当然ございます。ただ、日常の業務というのは、フジテレビに関して言えば、私と港社長で決めておりました。したがって今日、この会見に(出席するべきだ)ということでございますけれども、日枝氏は相談役ですから、業務執行はしない。今日、ここに出席してないのはそういうことです」
◆女性アナウンサーを接待に使っていたのでは?
―女性アナウンサーを意に沿わぬ形で会食の場に誘うことはなかったのか。
港社長 「今、冷静に考えると、優越的上位にある立場の人間が食事に誘った時に、あまり気が進まなかった人もいたのではないかとか、ちょっと嫌だったけど行かざるを得ないと思ってきた人もいたのかもしれないなということ(がある)。今となって考えますと、もう少し本人たちの意思の確認とか、そういうようなことをしっかりやっていかなければいけないなと思っています」
◆旧ジャニーズ事務所の問題と地続きなのでは?
―旧ジャニーズ事務所の問題をきっちりとした検証できていなかったことと地続きの問題ではないか。
遠藤副会長 「旧ジャニーズ事務所の問題は、総括すると、芸能界の特殊な性質が表に出た事件だったと思います。今回の事件、もしそれが類似系だとすれば、あの時の教訓を十分に生かし切れなかったんだろうなと思います」
◆中居さんに損害賠償請求はしないのか?
―中居さんへ何らかの損害賠償請求を行う考えはあるのか。
遠藤副社長 「現在のところは考えておりません」
―可能性は排除しないのか。それとも現時点で放棄しているのか。
遠藤副社長 「第三者委員会の結論が出ておりませんので、今のところ、まだ考えていないということでございます」
―それによっては可能性を排除しないということか。
遠藤副社長 「うーん…そういう可能性もゼロではないかもしれません」
◆報道機関として自ら検証番組をつくる考えは?
―第三者委員会の調査に委ねて逃げている印象だ。自分たちで血を流すような努力をして検証番組をつくるような考えはないか。
遠藤副会長 「これだけの大きな事態を招いて世の中をお騒がせしておりますから、これは当然何らかの形で、第三者委員会が終わった後だと思いますが、当然、メディアとしてそういうものをやらなくてはならないと考えております」
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