◆【政界地獄耳】旧統一教会問題は安倍派の問題へと変質か

★支持率は軒並みダウン。岸田政権は参院選後の黄金の3年間を予測していたが、既にその面影はないとみる。コロナで病み上がりとはいえ8月31日、会見に臨んだ首相・岸田文雄は旧統一教会と自民党の関係について「国民から懸念や疑念の声を頂いており、率直におわび申し上げる」とした。

★岸田は幹事長・茂木敏充に対し「所属国会議員を対象に当該団体との関係性を点検した結果をとりまとめ、公表すること」「所属国会議員は、過去を真摯（しんし）に反省し、しがらみを捨て、当該団体との関係を絶つことを党の基本方針として徹底すること」「今後、社会的に問題が指摘される団体と関係を持つことがないよう、コンプライアンスチェック体制を強化すること」を指示したと説明。岸田のスタンスは明確になった。これを受け茂木は、今後、関係を絶てない議員については「同じ党で活動できない」と離党すべきとの考えを示した。これは来年の統一地方選を控える地方議員には激震となるだろう。

★官邸筋が言う。「首相、官房長官・松野博一、同副長官・木原誠二、党副総裁・麻生太郎、幹事長・茂木、総務会長・遠藤利明と政権と党の中枢は旧統一教会とほとんど関わりがなく、だれもが『清和会（安倍派）』に特化した話と思っていて初動が遅れた。こうなれば経済再生相・山際大志郎や経産相・西村康稔ら旧統一教会関係議員や党政調会長・萩生田光一がメディアや野党から攻撃を受けるのはやむをえまいとしても政権全体には及ばないという判断だろう」。

★自民党が実施したアンケート調査の結果の後にもいろいろ発覚するようならばまだ別の問題になるが、野党も国会内外で旧統一教会問題は厳しく追及するものの、予算委員会のすべてがこの問題だけともいかず、国葬後は清和会が抱える問題に変質していくのではないか。岸田はギリギリで乗り切れるか。（K）※敬称略