飛騨の山猿マーベリック新聞

💛専守防衛💛れいわ新選組💛立憲民主党💛日本共産党💛社民党
💛気晴らしには演歌が一番💛別館 山猿の部屋

★東京新聞社説二題<社説>防衛費要求最大 軍拡競争に陥りかねぬ<社説>ウトロ放火判決 差別生む社会への警告

2022年09月05日 10時22分33秒 | ●YAMACHANの雑記帳

ウトロ放火判決 差別生む社会への警告

 外国籍の人に対する差別や憎悪が生まれがちな社会への警告といえる判決ではないか。
 第二次大戦中、国策の飛行場建設に従事した在日コリアンの子孫らが多く住む京都府宇治市の「ウトロ地区」の空き家や、名古屋市の在日本大韓民国民団愛知県本部に火をつけたとして、非現住建造物等放火などの罪に問われた男に、京都地裁は求刑通り懲役四年の判決を言い渡した。
 男は公判で起訴内容を認め、犯行を正当化する供述に終始した。「韓国人に敵対感情があった」「名古屋の事件では、慰安婦を象徴する像が展示された表現の不自由展を問題にしたかった」「差別や憎悪の感情を抱く人は多い」−。
 これに対し、判決では厳しい言葉が続いた。動機を「特定の出自を持つ人々への偏見や嫌悪感に基づいており、誠に独善的かつ身勝手で、甚だ悪質」と指摘。さらに、「社会不安をあおって世論を喚起するなどの犯行目的は、民主主義社会で到底許容されない」と断罪した。
 ウトロ地区関係者の中には「判決文に『差別』という言葉がなかった」と残念がる声もあった。しかし、元裁判官で法政大法科大学院の水野智幸教授は「地裁は、判決文中の『偏見』を『差別』と同義で使ったのではないか」とし、「動機を含めて被害者の思いを酌んだ判決と思う」と評価する。
 排外的な主張を声高に唱えるヘイトスピーチの解消法が施行されて六年。差別的な言動を「許されない」と明記し、行政に対策を促す内容だが、表現の自由との兼ね合いから、罰則はない。
 法の施行を受けて条例を制定した自治体のうち、東京都はこれまでに、露骨に外国人を非難したデモ十九件の内容などを公表。愛知県も来月から公表に踏み切る。川崎市は唯一罰則を持ち、差別的な言動を繰り返すと、刑事裁判を経て罰金が科される。
 悪質なデモは減少傾向という。だが、ネット空間にはヘイトの言葉があふれている。法や条例でヘイト的な言説を減らすことも大事だが、差別意識が育たない社会のあり方をこそ探っていきたい。
 ウトロ地区の関係者は「歴史を知り、語り合うことが理解への第一歩」と話す。何より避けるべきは、無関心だ。「動機はヘイト」を厳しく批判した今回の判決の文言を深くかみしめたい。

防衛費要求最大 軍拡競争に陥りかねぬ

 防衛省予算の二〇二三年度概算要求が本年度当初比3・6%増の五兆五千九百四十七億円と過去最大となった。金額を明示しない事項要求も多く、年末の予算編成ではさらに積み上がり、六兆円台半ばも視野に入るという。
 防衛費の急増は軍拡競争に陥りかねない。増額ありきでなく必要な予算を積み上げ、節度ある防衛力整備に努めるべきだ。
 事項要求の増加は、防衛力の抜本的強化に向けて検討中の取り組みを列挙したため。防衛省は国家安全保障戦略など三文書を改定する予定の年末より前には、金額を算定できないと説明する。
 しかし、実際には要求が認められることを前提に防衛力の強化を先取りしているのではないか。事項要求は、締め切りまでに金額確定が難しい場合にのみ、例外的に認められるべきものだ。
 具体額を示さず年末の予算編成で一気に一兆円近くも積み上げることが妥当な手法なのか。国民の理解が得られるとは思えない。
 事項要求の筆頭には敵の射程圏外からの攻撃が可能なスタンド・オフ・ミサイルの開発・配備を挙げた。12式地対艦誘導弾の能力向上型(SSM)の量産開始が盛り込まれた。射程は九百キロ以上とされ、日本から中国沿岸部や北朝鮮に届く。
 長射程ミサイルは相手領域内でミサイル発射を阻止する「敵基地攻撃能力」への転用が可能だ。
 政府が、これまで憲法九条に基づく専守防衛を逸脱するとしてきた敵基地攻撃能力の保有を目指す背景には中国の軍事力強化があるとはいえ、日本が長距離ミサイルの開発・配備を急げば、中国が対抗してさらに多数のミサイルを配備することは避けられまい。
 際限ない軍拡競争の悪循環に陥り、地域の緊張を逆に高める。国会での議論も経ず、憲法に抵触しかねない安保政策を既成事実化することを認めてはならない。
 そもそも巨額の財源をどう確保するのか。社会保障費の削減か増税か赤字国債の発行か。命と暮らしを守るための安保政策が、国民を苦しめては本末転倒だ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ◆国葬反対にネット署名15万人... | トップ | ★安倍氏との癒着 調査を 統... »

コメントを投稿