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ベラルーシのルカシェンコ大統領が7期目の当選を果たした。1994年以来、30年以上も権力の座にあり、3年前の憲法改正で2035年までの続投も可能となった。
今回の大統領選も不正選挙の疑いが濃厚で、欧州連合(EU)や英国などは選挙に正当性がないとするが、ルカシェンコ氏は「気にも留めていない」と開き直る。
ベラルーシはウクライナに侵攻したロシアの緊密な同盟国で、ルカシェンコ氏の責任も重大だ。国際社会は非民主的な独裁国家への制裁を強化すべきである。
前回20年大統領選は体制に不満を持つ多くの国民が民主派野党指導者チハノフスカヤ氏を支持したが、ルカシェンコ氏は圧勝を宣言。不正選挙とする抗議運動拡大で政権は危機に直面した。
しかし、ルカシェンコ氏はロシアのプーチン政権の支援を受けて抗議運動を徹底的に弾圧。野党関係者は投獄や亡命を余儀なくされ30万人以上が国外に逃れた。
ベラルーシはウクライナの首都キーウから近距離にあり、ベラルーシ民主化を阻止したプーチン氏は当時から将来のキーウ侵攻を想定していた可能性もある。公正な選挙が行われ、民主派政権が誕生していればベラルーシからの侵略は起きなかったかもしれない。
ロシアはベラルーシに戦術核兵器を23年に配備。欧州をけん制するため、新型中距離弾道ミサイルを近く配備する可能性もある。
両国は治安や経済など多くの面で統合を加速しており、ベラルーシは事実上、ロシアの「属国化」への道を歩んでいる。
懸念されるのは2期目のトランプ政権の姿勢だ。米国務省はトランプ氏の大統領就任後、ベラルーシ大統領選を批判する前国務長官の声明を同省のサイトから削除した。ルカシェンコ政権に誤ったメッセージを伝えかねない。
ベラルーシでは昨年、2人の日本人が「スパイ容疑」で相次いで拘束された。不当な扱いであり、速やかに解放すべきだ。日本政府はルカシェンコ政権に早期の解放を迫るため、米欧と連携して強く圧力をかける必要がある。
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