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★<東京新聞社説>最高裁国民審査//「憲法の番人」見極めて

2024年10月22日 10時12分06秒 | ●YAMACHANの雑記帳
 最高裁裁判官の国民審査が衆院選に合わせて行われる。裁判官を罷免=辞めさせることができる制度で、司法を民主的にコントロールする意味がある。
 過去に罷免された事例はないものの、各裁判官が「憲法の番人」の役目を果たしているか、主権者としてチェックしたい。
 最高裁には長官を含めて15人の裁判官がおり、今回はうち6人が審査対象となる。憲法79条に基づいて、最高裁裁判官は任命された後、初めて行われる衆院選の際に審査を受け、その後10年を経た衆院選時にも再審査がある。
 今回から海外に住む邦人も投票できるようになった。2022年に最高裁が一、二審に続き、在外邦人の投票を認めないことを「違憲」と判断したためだ。
 有権者は辞めさせたい裁判官の欄に「×」印を付ける。リコール(解職)と同じ性質を持つと考えられ、×印が有効投票の過半数に達した裁判官は罷免される。
 審査制度は形骸化も指摘されるが、国民が司法を直接チェックできる大事な制度。裁判官を罷免できるダイナミックな仕組みでもある。もっと能動的に考えたい。
 今回対象となる尾島明、宮川美津子、今崎幸彦、平木正洋、石兼公博、中村慎の6裁判官がどんな人物で、どんな判断をしたか国民に分かりづらいことも確かだ。
 審査対象の裁判官の略歴や関与した裁判、心構えが書かれた「審査公報」が各世帯に届く。
 新聞やネットでも情報を得ることができる。本紙も17日朝刊に各裁判官に関する特集記事を掲載している。
 そうした資料を手掛かりに「憲法の番人」たる仕事を全うしているか、有権者がそれぞれの価値観で自由に判断してほしい。
 ただ、最高裁裁判官の選任過程は国民には不透明のままだ。
 米国の連邦最高裁の裁判官は大統領が候補者を指名し、上院の同意を得て任命する。その過程で候補者は議会の公聴会で質問攻めに遭う。
 日本でも任命前に国会に呼び、質疑を行う仕組みをつくった方がいいのではないか。
 最高裁裁判官は内閣が任命し、天皇が認証する。少なくとも内閣がどんな基準で選任しているか、その過程を透明化した方が、司法に対する国民の信頼はより高まると考える。

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