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「えみるの決断/さようならルールー」: HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2023年05月29日 | ハグプリ最終回考察
原点に立ち返ってみる。


(「HUGっと!プリキュア」49話より)

私がハグプリの考察を始めたきっかけは「えみるは研究室に行けないはずだ。なのに実際には行っている。何故だ」がきっかけでした。

あの世界の正確な成り立ちは分かりません。未来は不変・歴史の改変可能・パラレルワールドのいずれなのか不明。

ですが、劇中人物である愛崎えみるの視点では、パラレルワールドは真っ先に除外される。
ルールーが「未来で待つ」と言っているからです。「別の空の下で待つ」などではない。

※パラレルワールドだと判断したとしても、基本的な思考は後述の歴史改変の場合と同じなので、以下の内容に支障はないはず。

もしも未来が不変ならば、自ら積極的に研究室には行きません。後述の問題があるので、怖くてできない。
もしかしたら研究室に行くことが正史なのかもしれませんが、未来が不変なら自由意志と関係なくいずれは行くんですから、自分から飛び込む必要がない。

歴史が改変可能なら、研究室には行けない。
何がトリガーなのか分からないので、「研究室に行く」が正解で、行かなかったら未来が変わってしまう可能性もあるにはある。
ですが研究室に行き、ルールーのことを現トラウムに話すとパラドックスが発生します。

未来から来たルールーに会ったから、えみるはルールーのことを知った。その情報を現トラウムに伝えたので、ルールーが完成した。
では、最初に「ルールー」を生み出したのは誰だろう?

パラドックスが起きたらどうなるのかは分かりませんが、歴史に大きな影響が出ると考えるのが自然でしょう。だからえみるは、積極的に研究室には行けない。
また、歴史が変わるのであれば、あの幼ルールーはえみるが知っているルールーとは別人ですから、勝手に「親友」呼ばわりするのはグロテスクだ。

※この種のパラドックスはリコさんがやらかしているので、プリキュア世界では実は経験済みなのですけど、ここでは横に置きます。

【未来を変える】
上記のように考えて「えみるは未来不変だと判断するはずだ」等を前提に、これまで考察を進めてきました。
だけど逆の可能性もあります。

仮説『えみるは未来を変えるために、あえて積極的に現トラウムに会いに行った』

動機としては未来の破綻を変えるため。
具体的にはクライアスの誕生を防ぐ。

手っ取り早いのは現トラウム達を抹殺することですが、プリキュア的にそれはNGだとして、明確で分かりやすいのは「未来の出来事を現トラウムに話す」です。
その情報を元に、現トラウムが意識的に異なる未来を目指せば、直感的には未来は変わる(変わったとえみるも確信できる)ように思える。

つまりルールーの残した「未来で待つ」とは、「自分が存在する未来を、えみるが消し去るのを待つ」。
もしえみるが決断できなければ、自力で未来を救う覚悟で2043年に戻った。そして、ルールーの想いを理解したえみるは決断してくれた。

えみるの研究室訪問により、2043年の未来は上書きされ消滅。
「ありがとう、えみる。信じて待っていましたよ」と微笑みながら、ルールーもまた消えていく…といったイメージ。
これなら「未来で待つ」発言とも矛盾しない。

※この情景は論理的には明らかに誤り。歴史が変わった時点で、過去・現在・未来の全てが上書きされるので、こんなリアルタイム進行での描写は起きえない。えみる当人の記憶も変わる。ただ理屈に拘るのをやめて、物語を優先するのも当然ありだとは思う。

※失敗をなかったことにするのはテーマに反するように思う。また、そもそも未来の破滅はクライアスのせいではない。が、そのあたりも曖昧にして避けます。

※ルールーが自ら現トラウムに会いに行き、自ら上書きを行わなかったのは、「消滅する存在から情報を知らされる」要素を省いてタイムパラドックスの影響を抑えるため。これも論理的には誤りですが、物語を優先するなら感覚的には受け入れやすいとは思う。

【やり直しの未来】
えみる本人が改変を意識していたのなら、ルールー2号機に過ぎない新ルールーとの「再会」も納得できます。

こんな状況を考えてみよう。

『未来で親友と共に戦ったが、力及ばず友は死亡。
過去に戻り、まだ幼い友と再会して、タイムパラドックスを誘発。未来は変わった。
そして幼い友に「私はあなたの親友だ」と名乗る』

この例でも戦友は別人になっているんですが、違和感は少ないように思う。
今回の仮説でのえみるの立ち位置はほぼこれと同じ。「戦ったのは未来ではなく過去」等の相違は、論理的には問題ないはず。
故に、えみるがルールー2号機を「親友」と呼んでも不自然さはない。

以上により、「愛崎えみるは、未来ルールーを抹消する決断をし、研究室を訪れた」という説を考えてみた。

自分で書いておいてなんですが、普通に「未来は不変(+歴史改変)」でも矛盾なく説明できるのだから、こんな仮説を採用せねばならない理由はないです。
ただ「歴史改変」と聞いて連想するいかにもな説(過去の登場人物の行動により、未来の人物が消えていく)も思考の幅のためには大事だと思うので、アイデアの一つとして残してみます。

●参考:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)

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