■(第35話)デリシャスパーティ♡プリキュア「ここねとお別れ!? いま、分け合いたい想い」感想
(「デリシャスパーティ♡プリキュア」第35話より)
かつて芙羽様として畏敬の念を集めていた芙羽様も、いつの間にやらクラスに溶け込んでいました。メッキが剝がれたともいう。芙羽様本人としては人様から張られたメッキですから、勝手に期待されて勝手に剥がされただけですけれど。
何というか、ギャップでめちゃくちゃにモテそう。
さて、ご両親がイースキ島に協力するとのことで現地に引っ越すことになりました。辛い。
ご両親との生活は以前から望んでいたこと。イースキ島での仕事はやりがいもある。
だけれどプリキュア仲間やクラスメイトと別れるのは辛い。どちらも大事なだけに選べない。
定番の留学・引っ越し・夢を諦めるネタですが、これまでのシリーズと比べると「プリキュア仲間以外との交流も重視」あたりが特徴的でしょうか。芙羽様は本当にクラスに馴染みたかったんだな…。
劇中でパムパムが語ったように、基本的にはみんな芙羽さんの味方です。だから本音のところを相談すれば、別の道も見えてくる。
「父は日本。母はイースキ島。リモートで連絡を取り合う」は、いわば三方一両損的な発想です。お弁当を忘れた芙羽さんに皆が分け合ったように、みんなが少しずつダメージを食らっています。でも誰か一人が大ダメージよりは良いし、その大ダメージになるはずだった人も感謝して受け取る。
この「感謝して受け取る」が結構難しくて、得てして恐縮して遠慮してしまいます。現実社会でいえば、リモートワークとか育児休暇とか。そこを踏み越えて分け合うに至れるのは素晴らしいと思う。
もちろん一方的に助けてもらうのではなく、スパイシーがいるかで戦力は大きく変わります。二者択一での絶対解はなく、使えるものは使って総合的な最適解が大事。
劇中では強調はされていませんでしたけど、彼女はずっと置いて行かれる寂しさを経験していましたから、いざ逆の立場(和実さん達を置いていく)になったときに、感情移入した面もあるのかもしれない。
そうだとすると、二者択一を扱うドキプリ理論とは激烈に相性が悪そう。幸福の王子になれない子。
他シリーズとの比較でいえば、スイプリやフレプリとの違いも面白いです。
小説版スイプリにて響さんはドイツ留学、同じく小説版フレプリにて美希たんはパリに留学なされます。
「幸福と不幸は不可分(留学は楽しいことだが別れは悲しい)」のスイート、「人生山あり谷あり」のフレッシュとしては、留学するのは順当な流れ。
特にスイートとデパプリは「共に過ごした時間」を重視する観点から似通ってると思っていたのだけど、今回の話を見ると根底が違いそう。
踏み込んで考えるのであれば、仮に和実さんらプリキュア組も何らかの理由でイースキ島に引っ越すことになっていたら、芙羽さんの結論は変わっていたはず。自分もイースキ島に行き、必要ならかつてのクラスメートとリモートで話す道を選んだと思います。
個の視点での絶対解ではなく、総合的な場の最適解を選ぶのだから、あえて悪く言えば周囲に流されているともいえるのか。いや、芙羽様がバリバリに個を打ち出して強権的に決定していっても困るので、総合的な場の判断は全くおかしくはないのだけれど。
料理でいえば、個々の材料だけで判断せず、調理全体を見てバランスを考えるようなものでしょうか。
そういえばウバウゾーの捕縛から逃れる際も「2000キロカロリーパンチをぶっ放す→それでは脱出できない→三人で地味に押す」の流れです。「個性や個人の判断が犠牲になる」要素が、もしかしてカウンター的に出てくるのかも。
(「デリシャスパーティ♡プリキュア」第35話より)
かつて芙羽様として畏敬の念を集めていた芙羽様も、いつの間にやらクラスに溶け込んでいました。メッキが剝がれたともいう。芙羽様本人としては人様から張られたメッキですから、勝手に期待されて勝手に剥がされただけですけれど。
何というか、ギャップでめちゃくちゃにモテそう。
さて、ご両親がイースキ島に協力するとのことで現地に引っ越すことになりました。辛い。
ご両親との生活は以前から望んでいたこと。イースキ島での仕事はやりがいもある。
だけれどプリキュア仲間やクラスメイトと別れるのは辛い。どちらも大事なだけに選べない。
定番の留学・引っ越し・夢を諦めるネタですが、これまでのシリーズと比べると「プリキュア仲間以外との交流も重視」あたりが特徴的でしょうか。芙羽様は本当にクラスに馴染みたかったんだな…。
劇中でパムパムが語ったように、基本的にはみんな芙羽さんの味方です。だから本音のところを相談すれば、別の道も見えてくる。
「父は日本。母はイースキ島。リモートで連絡を取り合う」は、いわば三方一両損的な発想です。お弁当を忘れた芙羽さんに皆が分け合ったように、みんなが少しずつダメージを食らっています。でも誰か一人が大ダメージよりは良いし、その大ダメージになるはずだった人も感謝して受け取る。
この「感謝して受け取る」が結構難しくて、得てして恐縮して遠慮してしまいます。現実社会でいえば、リモートワークとか育児休暇とか。そこを踏み越えて分け合うに至れるのは素晴らしいと思う。
もちろん一方的に助けてもらうのではなく、スパイシーがいるかで戦力は大きく変わります。二者択一での絶対解はなく、使えるものは使って総合的な最適解が大事。
劇中では強調はされていませんでしたけど、彼女はずっと置いて行かれる寂しさを経験していましたから、いざ逆の立場(和実さん達を置いていく)になったときに、感情移入した面もあるのかもしれない。
そうだとすると、二者択一を扱うドキプリ理論とは激烈に相性が悪そう。幸福の王子になれない子。
他シリーズとの比較でいえば、スイプリやフレプリとの違いも面白いです。
小説版スイプリにて響さんはドイツ留学、同じく小説版フレプリにて美希たんはパリに留学なされます。
「幸福と不幸は不可分(留学は楽しいことだが別れは悲しい)」のスイート、「人生山あり谷あり」のフレッシュとしては、留学するのは順当な流れ。
特にスイートとデパプリは「共に過ごした時間」を重視する観点から似通ってると思っていたのだけど、今回の話を見ると根底が違いそう。
踏み込んで考えるのであれば、仮に和実さんらプリキュア組も何らかの理由でイースキ島に引っ越すことになっていたら、芙羽さんの結論は変わっていたはず。自分もイースキ島に行き、必要ならかつてのクラスメートとリモートで話す道を選んだと思います。
個の視点での絶対解ではなく、総合的な場の最適解を選ぶのだから、あえて悪く言えば周囲に流されているともいえるのか。いや、芙羽様がバリバリに個を打ち出して強権的に決定していっても困るので、総合的な場の判断は全くおかしくはないのだけれど。
料理でいえば、個々の材料だけで判断せず、調理全体を見てバランスを考えるようなものでしょうか。
そういえばウバウゾーの捕縛から逃れる際も「2000キロカロリーパンチをぶっ放す→それでは脱出できない→三人で地味に押す」の流れです。「個性や個人の判断が犠牲になる」要素が、もしかしてカウンター的に出てくるのかも。