父が入院した
運ばれている救急車の中で受けた心臓マッサージのお蔭で息を吹き返した父は、救急救命室で徐々に意識を取り戻し、今は一般病室に移り意識もはっきりして、退院に向けて治療を受けている
仕事でお世話になる看護師さんたちは、いつもてきぱきとした動きで大勢の患者を見事にさばいておられる。
今回、患者の家族となって、その思いを一層強くした。
医療通訳の仕事では、看護師さんたちの言葉を通訳することも多い。
少し前に参加したセミナーで講演された看護師さんが、医療通訳には元看護師さんが最適だ、とおっしゃったことが心に残り、その後看護師さんの動きに注意することが多くなった。
そこで、目にした下記の本
大変面白かった
エキスパートナースと呼ばれる一部の看護師さんたちは、どのようにしてそのスキルを磨いてきたのか。
大半が一人前ナースの段階で止まってしまうのは何故なのか
ナースを、初心者、新人、一人前、熟練者、エキスパートの5段階に区分して、それぞれの特性を分析して、どのような段階を経てエキスパートになっていくのかを考えている
この段階は筆者が考えたものではなく、外国のさる人
確かに、たくさんの看護師さんたちにかわるがわる看護される父を通してみていると、看護師さんの仕事が多岐にわたると同時にたくさんの重症患者の看護を過不足なく行うには、多くの経験とその他多くの知恵が必要だろうなと思う。
筆者は、エキスパートナースは、多くの経験から数多くの暗黙知をもち、本人がそれほど自覚することなく、現場でそれら暗黙知をベースに瞬時に判断して実行する人であると言っている
このような暗黙知は現在、個人の技量に頼っていて、他の人に引き継がれていないのが問題だとも指摘している
そのためには、何とかして暗黙知を言語化して他の看護師にも共有することが必要だろうと言う
確かに、患者や家族からしてみれば、新人やエキスパートナースにかかわらず、最適で最高の看護を受けたいと願っている
一人でも多くのエキスパートナースが出て、最高の看護を受けたい
ところで、この5段階区分だが、大変面白いと思ったのは、通訳者など技量を必要とする仕事にも当てはまると思ったことだ
新人通訳者、熟練通訳者、エキスパート通訳者 ・・・ ほら・・・
そう言えば、通訳学校で習うことは、どうやってこの日本語(英語)を英語(日本語)に瞬時にするかであって、現場での仕事は場数を踏んで慣れていくしかない。
数多くの現場を経験した通訳者は、計り知れない暗黙知を個人の中に蓄えている・・(ハズ)